【眼福♡男子】Vol.21岡田健史<お仕事編> 「好きな女の子を守りたいという気持ちは、オスの本能なんじゃないかな」
毎週日曜24時配信『いとしのニーナ』
ドラマ『中学聖日記』(TBS)でセンセーショナルなデビューを飾り、一躍人気俳優の仲間入りをした岡田健史。そんな岡田が主演するFODドラマ『いとしのニーナ』が現在、配信中だ。ちょっぴりヘタレな主人公・外山厚志というキャラクターをどんなふうにつくり上げ、表現したのか、撮影の最終日となる現場で岡田を直撃した。
『いとしのニーナ』は、厚志が通学中のバスで一目惚れしたニーナこと青田新名(堀田真由)を、厚志の友人・マサ(望月歩)が拉致するところから始まる。そこからニーナを連れ出した厚志は、ニーナに自分のボディガードをするよう命じられ、拉致事件の主犯である牛島(笠松将)の存在に怯えながらも、愛するニーナを守るために成長していく。
厚志の日常はニーナ一色なんだろうなって想像しながら演じていました

――今日がクランクアップですね。まずは、撮影を振り返っての感想から聞かせてください。
怒涛の日々でしたね。スケジュール的にもそうですし、僕が演じた厚志がとても感受性豊かな男の子なので、そこに僕の感情を合わせていくためにたくさんの作業をしました。それでも追いつかない部分が多く、共演の皆さん、スタッフさんに支えてもらいながら、なんとか今日のクランクアップを迎えることができたというのが率直な感想です。
――厚志を演じるにあたって、役作りはどんなことから始めましたか?
役作りはあまりしていません。しいてあげるとしたら、例えば朝ごはんを食べておいしいなって感じながら1日を始める厚志の日常は、すべてがニーナ一色なんだろうな、って(想像すること)。このごはんをニーナが食べたらどんな顔をするだろう、今、見上げている空に対して僕はこう感じるけど、ニーナはどう思うだろうか、など常にニーナなら…ということを考えて演じていました。
――厚志の心情はすんなり理解できましたか?
できる部分もあれば、できない部分もありました。誰しも、理解できないところもあれば共感できるところもあって、だからこそ、個性がぶつかり合い、誰かと誰かが出会って愛し合ったり、共感し合ったりする。それが人間というものだと思うので、自分の中にはない厚志の心情を理解しようとする時間がすごく有意義で楽しかったです。
――厚志に共感できたのはどんな部分ですか?
実際、僕もすごく臆病でビビりで気にしいな性格なので、厚志が目の前にいるニーナを手放さないよう必死に、自分なりに守ろうとする姿には共感できました。
――臆病でビビりには見えないですよ!?
人は見かけによらないんです(笑)。

――では、厚志を演じるうえで意識したのはどんなこと?
カッコよく見えないことでしょうか。その人を見た時に「ハーッ♡」ってなるようなカッコよさではなく、泥臭さや一生懸命さがカッコいい厚志にしたいと思い、そんな部分を必死に、できるできないは別としてやろうと心がけました。
――ヘタレ設定の厚志ですが、岡田さんにもヘタレな部分はありますか?
あります、あります!隠してるつもりは全然ないんですけど、こういう取材の場などであえてさらけ出すことではないかなと。でも、そんな感情が人を形成し、人間味を醸し出すと思うので、僕は自分のそういう部分をまったく否定しないですし、それを受け入れて生きていこうと思ってます。
――厚志はニーナと出会い、さらにマサや牛島との関係性の変化によって成長していきますが、岡田さんにもそういった出来事はありましたか?
たくさんあります。最近でいうと、自分は弱い人間だと気づき、それを自分で認められたことが大きいです。今までの僕は見栄を張ったり、必要のないことをしてしまう部分もある人間だったんですが、自分の弱さや欠如している部分に気づけたことは自分の中で(成長にもつながる)すごく大きな出来事だったと思いますし、そこがある意味、開き直れた瞬間でもありました。
その時はツラかったし、今もそのツラさを忘れていませんが、その瞬間が僕の転機だったんだと思います。考え方が変わることで、自分の言動や見た目も変わってくる。この体験を僕は“体が変わった”と呼んでいるんです。
今の僕にとって最愛の存在はプロテインです(笑)

凛々しい表情で作品への真摯な思いを明かし、男気を感じさせる演技でファンを魅了する岡田だが、素顔は5月に21歳の誕生日を迎えたばかりの青年。学生時代はさぞかしたくさんの甘酸っぱいエピソードを持っているだろうと思いきや、情熱はあるものへと一心に向けられていたそうで…。
――通学中、ニーナに一目惚れをした厚志ですが、通学の思い出を聞かせてください。
小2年で野球を始めたんですが、小学校が終わるのがだいたい午後4時半頃で。学校から家まで徒歩で30分かかるんです。そこから準備をして球場まで行くのが30分。最短でも1時間かかるんですけど、それだと練習の開始時間に間に合わないんです。
4年生からやる気に火がつき、6年生の時にはキャプテンをやらせてもらっていたので、僕が遅刻するわけにはいかなくて。だから、毎日必死で学校から走って帰宅していました。時には泣きながら走ったこともありましたね(苦笑)。通学といえば、走っていた印象しかありません。
――キャプテンにはリーダーシップが必要かと思うのですが、この作品でも共演の皆さんを引っ張っていたのでは?
いやいや、僕が引っ張るだなんて無理です。もちろん、そういうふうになれたらいいなとは思いますが、今はこうやってお仕事をいただいて、いろんな方と出会えることに対して感謝の気持ちしかありません。何より、楽しんでお仕事に向き合うことが、僕がやるべきことなんじゃないかなって。
今回、ありがたく主人公を演じさせてもらいましたが、主演だからと気負わず、共演の皆さん、スタッフさんと楽しくやらせていただいたと感じています。

――ニーナが厚志に「私を守って」と言ったように、好きな女性からそんな言葉を投げかけられたらどうしますか?
やります、やらないわけがない!でも、厚志のセリフにもあったように「ボディガードって何をすればいいんだろう?」と思っちゃいますね。「守りたい」っていうのはオスの本能なんじゃないかな。男なら、好きな女性はしっかり守るべきだと僕は思います。
――男らしい!では、作品タイトルにちなんで、岡田さんの“いとし”の存在は?
プロテインです。たんぱく質を1日に15g以上必ず摂るようにしています。筋トレをしているとか、体を鍛えようと思っているわけではなく、たんぱく質は人間にとって必須の栄養素ですから。そして、たんぱく質は、食物繊維と一緒に摂るのがいいそうですよ。
将来は唯一無二の役者に。今は瞬間、瞬間を一生懸命やるだけ

現在、ドラマや映画に引っ張りだこの岡田。メディアで彼の顔を見かけることも多いが、将来はどんな俳優を目指しているのか質問をぶつけてみた。夢を語るそのまなざしはまっすぐに強い光を放っていたものの、インタビュー終了後にはリラックスした表情で取材班を和ませる一幕も。岡田健史という俳優の今後が、ますます楽しみになってきた。
――岡田さんは一昨年、『中学聖日記』に出演したことで注目され、環境の変化もあったかと思いますが、そのあたりへの思いを聞かせてください。
デビューするまではもちろん注目される存在になりたいと考えていましたし、俳優を目指す人なら誰もが憧れるものかもしれません。確かに、あの作品で話題にはしていただきましたが、僕はデビューできただけでうれしかったので、注目を浴びたことは別の問題といった感じです。
僕としては、どんな作品であっても、目の前にある作品や役柄に一生懸命向き合うだけ、というのが正直な気持ちです。でも、注目していただくことは同時に責任もともなうものなので、そのことを忘れずに生活していきたいです。
――お仕事をするうえで大切にしていることは?
自分をブレさせないことです。もちろん、まわりを見て柔軟に合わせていくことも時と場合によってはしています。でも、その前に自分は何がしたいのか、どんなふうにやりたいと思っているのか、きちんと意見を出すようにしています。
そんな僕の意見を限りなく尊重してくださったのが、『いとしのニーナ』のスタッフさんでした。そんな方たちに囲まれていたからこそ、スケジュール的に大変だった現場を乗り越えられたんだと思います。

――岡田さんが目指す俳優像とは?
唯一無二な役者ですね。そして、時間をかけながら、そこにたどり着く方法を模索していく。まだまだ何十年も先のことなので、今は一瞬一瞬、ワンシーンワンシーン、一言一言を一生懸命やるだけです。
――最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
人生100年時代と言われる今、“二十歳の僕”の一瞬を切り取った『いとしのニーナ』という作品を、一人でも多くの方に見ていただけたら幸せです。ぜひご覧くださいね!
岡田健史インタビューは<プライベート編>に続きます。こちらもお楽しみに!
撮影:河井彩美