2019年11月02日 |
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<レポート①>脚本家・古沢良太が語る『コンフィデンスマンJP』海外版でのタブーとは?
日本のドラマの海外発信を目的としたドラマの祭典である『国際ドラマフェスティバルinTOKYO』。今年で13年目を迎えたが、そのイベントの一環として、2017年からはドラマ制作者によるシンポジウムが開催されている。
今年も、『ここから始まる新しいテレビドラマ~それぞれの戦い編~』と題したシンポジウムを開催。脚本家の大石静、尾崎将也、古沢良太、ディレクターの川上剛(NHK)、並木道子(フジテレビ)が登壇し、それぞれがドラマ制作に対し思うことや新たな試みについて語った。
フジテレビュー!!では、このシンポジウムを3回に分けてレポート。第1回は、古沢のドラマ制作裏話を紹介する。
『コンフィデンスマンJP』が中国では1940年代の設定に!?
2018年4月クールにフジテレビ月9枠で放送され、今年5月に公開された映画化も大ヒットを記録した『コンフィデンスマンJP』。本作は、古沢が脚本を手掛け、日本・中国・韓国同時制作が前提の企画としてスタートしたものだという。
古沢は、「フジテレビの成河(広明)プロデューサーから、僕の脚本を日本と韓国と中国で同時にドラマ化するというのはどうか、と提案していただいて、すごく面白いと思いました。国籍に関係なく“開かれた物語”にしようということで、コンゲーム(相手を信用させて詐欺を行う)の話にしました」と、その制作経緯を説明。
脚本執筆にあたっては、外国での制作を意識する必要があり、「中国は共産党の検閲があって、公序良俗に反する内容は無理なんです。政治家と公務員を悪く描くのもダメだと言われていたので、悪い政治家を出さないようにしていました」と、設定に配慮があったことを明かした。
しかし、「そもそも主人公が詐欺師というところで引っかかってしまって(笑)。犯罪者をヒーローにするのはダメなんです。ただし、共産党政権より前の中国という設定にすれば問題ないそうで、(中国版では)1940年代を舞台にして作るようです」と、思わぬ設定が生まれたという。
古沢氏自身、「そっちの方が面白そうだなと思って、すごく楽しみにしています」と期待を寄せたが、ダー子(長澤まさみ)や僕ちゃん(東出昌大)やリチャード(小日向文世)が、1940年代でどんなふうに描かれるのか。かなり気になる!そして、同じ脚本でも国の規制によってとらえ方が変わるとは…ドラマって面白い!
レポート②に続く――
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