宮沢氷魚&大鶴佐助が“見えない敵”と闘う!舞台「ボクの穴、彼の穴。The Enemy」の再演が決定!
9月17日(木)~9月23日(水)/東京芸術劇場 プレイハウス PARCO Production「ボクの穴、彼の穴。」
2016年に初演した舞台「ボクの穴、彼の穴。」が、宮沢氷魚、大鶴佐助ら新キャストを迎え、9月17日(木)より東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。
今作は、松尾スズキが初めて翻訳を手掛けて話題となった絵本「ボクの穴、彼の穴。」をもとに、ノゾエ征爾が翻案、脚本、演出を手掛け、2016年に旧PARCO劇場の「クライマックス・ステージ」を飾った傑作舞台の再演となる。
戦場の塹壕(ざんごう/敵の攻撃から身を守るための穴や溝)に取り残され、見えない敵への恐怖と疑心暗鬼にさいなまれる兵士「ボク」と「僕」の物語。
じっと塹壕に身を潜め、互いを「モンスター」だと信じ、「殺す」ことだけにコミットしている。自分の正しさと信義のすべてである「戦争のしおり」という大きな力に操られ、お互いにとって相手がどんどん大きなモンスターになり、見えない敵への妄想に苦しむさまが描かれる。

演出は、前作に引き続きノゾエ征爾が担当。新たな「ボク」と「僕」を、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズ第一弾「ピサロ」で、太陽の息子・インカ王アタウワルパを演じた宮沢氷魚、そして同作品で将軍ピサロの小姓マルティンを繊細に表現した大鶴佐助が演じる。
<ノゾエ征爾 コメント>
気がついたら霧があたり一面に立ち込めていて、あっと言う間に、関わる4本の演劇作品がその中に消えていった。呆然と立ち尽くすも、その呆然としている様すらも誰からも見えないほどの濃霧。はてどうしたものか。
しかし、消えるものあれば現れるものアリ。一瞬フッと晴れた隙間からコレが現れた。「ボクの穴、彼の穴。」やろうかって。4年前にもやった演目だけど、今こそでしょって。見えない敵との疑心暗鬼にかられる孤独な兵士の物語。
読み返すと、今の状況だからこそ考えさせられるところ山ほどアリ。涙拭いながら頑張った初演のキャストさんが作り上げてくれた部分も山ほどアリ。それがあっての今、この生活下だからこそ滲み出るものを全て作品に乗せて、(濃霧ゆえにどこが正面かもわからないのだけど)真正面から戦いましょうぞ、この素晴らしきお二人と。穴から顔を出した時、きっとなかなかの眺めなのではないでしょうか。
<宮沢氷魚 コメント>
世の中がこのような状況にある中、どうにかして皆さんに感動や喜び、エンターテインメントの素晴らしさを届けたいと日々考えていました。そんな中、今回のお話をいただいて本当に救われました。
今回の作品は、見えない敵との戦争。お互いを「モンスター」だと思い込み、相手を憎み、疑い、軽蔑する。自分を正当化し相手にすべての不幸をなすりつける。まさに今の世の中と重なります。僕は今だからこそこの作品をやる意味があると思います。初めての二人芝居を親友の大鶴佐助と演じられる幸せ、そして、初舞台の劇場であるプレイハウスで再び芝居ができることを、本当にうれしく思っています。
<大鶴佐助 コメント>
今この状況下で「ボクの穴、彼の穴。」を上演することに、僕はとても意味があると思いました。物語の登場人物が目に見えない不確かなモノに怯え疑心暗鬼になっていく様が今の日常ととても通じており、虚構と現実が地続きになっている印象を受けました。相手役の宮沢氷魚くんとは気心の知れた仲なので、稽古場でノゾエさんの演出を一緒に浴び、もがきながら作品の旅をしていきたいです。