「歌舞伎が好きだと改めて感じた」中村勘九郎 中村七之助が生配信公演を実施!
新型コロナウイルスの影響で劇場公演の延期や中止が続くなか、2005年から中村屋一門が毎年行ってきた全国巡業公演も中止となった。
そんな折、「お客様にパワーを届けたい」との思いから、7月18日(土)、19日(日)に、中村勘九郎と中村七之助が 「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」に挑戦。フジテレビュー!!では、18日の配信を観劇。その概要をレポートする。
配信された演目「猿若揃江戸賑(さるわかそろうえどのにぎわい) 厄祓浅草祭(やくはらいあさくさまつり)」は、山王祭を題材にした清元の舞踊「お祭り」に、配信の舞台となった浅草公会堂のある浅草の三社祭の要素も加えて新たに構成されたものだ。
勘九郎と七之助の父や祖父が得意とした「お祭り」は、父・勘三郎が病から復帰した時の公演で披露した記念すべき演目。「厄祓」という題目にはコロナ収束への願いと、医療従事者をはじめ、世界中で戦いを続けている人たちへのエールが込められているという。
「お祭り」では、「待ってました!」の大向う(掛け声)をきっかけに、鳶頭(勘九郎)がセリフを返す“コール・アンド・レスポンス”が定番。そこで公演に先立って、勘九郎から「待ってました!」の大向うは、チャットで書き込んで欲しいと、配信ならではの説明がなされた。
会場にはソーシャルディスタンスをたっぷり取った上で、普段劇場で掛け声をかけている5人の“大向うさん”が来場。彼らの声に合わせて、チャットに「待ってました!」を書き込むという仕掛けだ。
歌舞伎の公演ではおなじみの「中村屋!」などの掛け声を“大向うさん”と一緒にかけられるのは、オンライン公演ならでは。チャットには生の舞台では考えられない数の大向うが寄せられ、公演後、勘九郎は「うれしい!」と破顔した。

獅子舞(踊り手の三密を避けるための“工夫”が小粋!)や、勘九郎と七之助、勘太郎と長三郎によるおかめとひょっとこなど、夏祭りらしい雰囲気を堪能できる演目に続いては、中村屋一門が国内外で続けてきた巡業公演を綴る「中村屋ヒストリー」を放送。勘九郎の息子、勘太郎と長三郎の幼い頃の姿や、亡き勘三郎の舞台上での生き生きとした姿に、目頭が熱くなる。
VTR終了後には、勘九郎と七之助による芸談コーナーを。勘九郎も七之助も半年ぶりとなる舞台に「緊張した」と声を揃えつつ、2人の修行の場でもある浅草公会堂への思いや、外出自粛中に七之助がハマっていた韓流ドラマ「愛の不時着」のトークなどに花を咲かせた。
芸談コーナーの後半には、勘太郎と長三郎も登場。勘太郎が「4人で踊るのは初めてでうれしかった」と言うと、その事実に気付いていなかった勘九郎と七之助が「頼もしいね!」と笑顔を見せる場面も。
チャットやSNSを使った「質問コーナー」では、勘太郎&長三郎の兄弟ゲンカについて質問が寄せられ、勘九郎&七之助の兄弟ゲンカトークに発展。また、勘太郎と長三郎が「鬼滅の刃ごっこ」で立ち回りをして遊んでいるというエピソードが飛び出すと、七之助が「新作歌舞伎で見たいね!」と目尻を下げた。
「久々に舞台に立って、歌舞伎が、舞台が大好きなんだと改めて感じた」という勘九郎。七之助は「8月の歌舞伎座でお待ちしております!」とファンにメッセージを送り、勘太郎と長三郎が「明日も頑張ってやりたいです!」と気合いを入れて、18日の公演はお開きとなった。
19日(日)の公演は午前11時から配信するほか、両日ともに公演の見逃し配信(両日24時まで)も実施する。

「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」
18日(土)13時 配信開始 ※見逃し配信あり
19日(日)11時 配信開始 ※見逃し配信あり
浅草公会堂にて無観客開催
配信場所:イープラス「Streaming+」 ほか
出演者:中村勘九郎、中村七之助、中村勘太郎、中村長三郎、中村鶴松 ほか
※チケットは各日22時まで購入可能
詳しくは公演特設サイトまで http://kinshu2020.com/live.html
<演目>約1時間30分予定 ※映像は両日異なります。
一、 オープニング映像
二、 「猿若揃江戸賑(さるわかそろうえどのにぎわい) 厄祓浅草祭(やくはらいあさくさまつり)」 清元連中
藤間勘十郎 振付
出演:中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 中村鶴松 ほか
三、 映像(中村屋ヒストリー 予定)
四、 芸談
出演:中村勘九郎 中村七之助 ほか