松本穂香 角川監督の演出方針を明かし「ほめてくださっても、方針がよぎる(笑)」
10月16日(金)公開 映画「みをつくし料理帖」
9月17日(木)、映画「みをつくし料理帖」(10月16日公開)の完成披露試写会が行われ、主演の松本穂香、奈緒、若村麻由美、窪塚洋介、小関裕太、藤井隆、石坂浩二、中村獅童、角川春樹監督が登壇した。
本作は、角川監督が生涯最後の作品としてメガホンをとった髙田郁による時代小説でベストセラーとして知られる「みをつくし料理帖」の劇場版映画。女料理人の成長と不変の友情などを描くもの。

下段左から)若村麻由美、奈緒、松本穂香、石坂浩二、角川春樹監督
中村獅童が角川春樹監督へ熱い思いをぶつける「まだまだ撮り続けていただきたい」
角川監督作品初参加の松本と奈緒、小関、窪塚、藤井がまずインタビューに回答。
松本は、「女性陣はほめて伸ばす」「男性陣は厳しく」と撮影方針を宣言されていたそうで、「ほめてくださっても(角川監督の)方針がよぎる」と明かし、会場を笑わせた。

奈緒は、「本当に監督はやさしすぎて、私も不安になることがたくさんあったのですけど、『OKを出してるのは、本当にOKだから安心しなさい』というお言葉をいただきました」とコメント。

小関は、「厳しかったですね…。撮影現場に行ったときに、やさしさの中にも鋭さがあるので、違うものは違うとおっしゃって。現場でわかりきれなかったことが実はあって、初号試写を見たときに監督がおっしゃっていたことがようやくわかった」と思い出を語った。

窪塚は、「角川春樹さんといえば、僕にとってはもはや龍とか朱雀とか伝説級に属している方なので、角川さんが持っているパワーや人となり、言動だったりに触れて、やっぱり半端じゃない人だなと日々思いました」と回想。

藤井は、「割と僕はほめて伸ばしていただいたかなという思いでいます。(自分の演技が終わったら)『いいよ、藤井!』と言ってくださったことも何度かありました」と笑顔で語った。

初めて仕事をした俳優陣に対して角川監督は、「持ってる自力以上の力を出してもらったし、引き出してもらえた。現場が楽しいと思ったのは本当に初めてです。何よりも私が求めていたのは脚本の読解力だったんですが、よくみんな理解してくれたなと思います」と絶賛した。
続けて、「本読み(台本合わせ)を4回やっているんです。本番ではNGを誰も出していないんです。出演者1人1人のファンになって、舞台もそうですけど、出ている映画は全部観に行きました。それくらい今回の映画への思いが強いです」と、本作への熱い思いを明かした。

角川監督が製作総指揮を手がけた「蒼き狼 地果て海尽きるまで」に出演した若村は、「モンゴルでの撮影だったんですが、監督は“父親“ “族長”というか、みんなを束ねる包容力と引っ張て行く力というのが素晴らしくて」と印象を語った。

「男たちの大和」以来の中村は、「角川監督には、歌舞伎で群衆の役をやっているときから応援していただいて、『お前は絶対大丈夫だから』とやさしい言葉をかけていただいてたので、そういう一言は若い自分にとって心の支えになりました。『これが俺の最後の作品だから』とおっしゃっていたのですが、まだまだ撮り続けていただきたいなと思います」と角川監督へ思いをぶつけた。

また、「僕は監督のことを尊敬して好きすぎて息子の名前は春樹ですから」と敬意を表したが、角川監督は「これはストレス解消のためなんですよ、『おい!春樹』って言いたいがために」といって会場を沸かせた。

角川監督の初プロデュース作品「犬神家の一族」で金田一耕助に抜擢された石坂は、「(犬神家の一族のとき)監督の『日本の映画を何とかしないといけない』という熱を今でも覚えています」と回顧。
さらに「今回また改めて(監督の強い思いを)感じ、とても最後と思えないです。最後最後と言ってよく店じまいとか言ってるのがありますけど、『1年も2年も店じまいだ』というふうになっていただきたいと思います」と、冗談を交えながら思いを語った。

最後に角川監督は、「撮影の前に東宝の撮影所で神事をしたんですが、そのときの祝詞の1文が『日本人のみならず全世界の人々に映画を観る喜びと感動を与えることができますよう、世界中の人々に愛される映画になりますよう』ということを祈ったのですが。本当にそれが私の今の気持で、みんなから愛される映画になりたい」という言葉で締めくくった。

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