クライアントの子息が起こしたひき逃げ事件!その真相知り苦悩する大輔を守るため、甲斐が下した決断とは?
9月21日(月)21時~『SUITS/スーツ2』第11話
『SUITS/スーツ2』第11話完全版
これですべてが終わったわけじゃない――甲斐(織田裕二)によって不正を暴かれ、「幸村・上杉法律事務所」の代表を解任された上杉(吉田鋼太郎)は、そう言い残してファームを去った。チカ(鈴木保奈美)は、さっそくクリーニング業者を入れ、上杉が使っていたオフィスを片付け始める。
大輔(中島裕翔)は、真琴(新木優子)にキスをしたその夜、幼なじみでもある既婚者の怜(吉谷彩子)と関係を持ってしまう。だが、そこに真琴が訪ねて来て、怜とのことを知られてしまう。あくる日、大輔は、真琴に弁解しようとするも、冷たくあしらわれ、なんとか関係修復を図ろうとするも、そこに甲斐から緊急の呼び出が入る。
甲斐と大輔が訪ねたのは、ファームにとって最重要クライアントのひとつである「サタケ・コンサルティンググループ」の社長夫人・佐竹美喜子(映美くらら)だった。そこで甲斐たちは、美喜子の息子・信吾(伊藤健太郎)が、昨夜、パーティの帰りにひき逃げ事故を起こしてしまったという相談を受ける。甲斐は、両親を交通事故で亡くしている大輔が、いつになく冷静さを失っていることに気づき、この案件から外れるよう指示する。

信吾の証言によれば、飲酒はしていなかったが、急に人が飛び出してきて避けようがなかったという。車の傷も信吾の証言を裏付けるものだった。甲斐の言いつけを破ってこの件を調べた大輔は、被害者が21歳無職の男性で、通報を受けてERに運ばれていることを報告する。通報したのは信吾自身だった。
被害者男性は、脳しんとうを起こし、肋骨2本を骨折していたが、容体は安定しているらしい。甲斐は、警察に出頭するよう信吾に助言。いまならまだ、事故を起こしてパニックになってその場を離れたがすぐに出頭した、と主張できるというのだ。
念のため検察庁で根回しをしようとした甲斐と大輔は、かつて戦ったこともある検事・藤嶋春香(上白石萌音)と再会する。示談を主張する甲斐と大輔に対し、藤嶋は被害者の容体が急変し、死亡したことを告げ、重罪確定だと返す。

一方、蟹江(小手伸也)は、シニアパートナーの権限で、専属アシスタントを一人雇おうとしていた。東大ロースクールの人事を掌握する真野麻子(MEGUMI)に頼んで卒業生の上位5人を紹介してもらった蟹江は、その中でも自他ともに認める優秀な女性・鮎川依子(恒松祐里)を採用することにする。
大輔は、ひき逃げに遭った被害者が、ここ数週間、事故現場付近で発生していた落書き事件の犯人だったことを突き止め、甲斐に報告する。被害者は、落書きをして逃走している時に事故に遭ったのだ。
甲斐に命じられて藤嶋のもとを訪れた大輔は、この状況で起訴すれば恥をかくのは藤嶋の方ではないか、と主張した。それに対して藤嶋は、取引をしようと言いたいわけではない、と前置きした上で、「幸村・上杉法律事務所」に転職したいと言い出し、大輔を驚かせる。
大輔から報告を受けた甲斐は作戦を変更し、遺族に会って示談交渉をしてくるよう命じた。大輔は、両親が事故で他界した直後、訪ねて来て両親の命に値段をつけた弁護士・宮下紘一(嶋田久作)のことを持ち出し、悲しみに付けこむような真似はしたくないと反発するが、仕事だとたしなめられる。

資料室にやってきた大輔は、真琴と顔を合わせる。そこで、口止めに来たのかと思った、と真琴に言われ、つい反発してしまった大輔は、真琴は何でも完璧だろうけど自分は色々なことで悩んでいる、と言ってしまう。すると真琴は、自分も不倫の経験くらいある、と告白し、不倫なんて絶対に綺麗には終わらない、と言い残して去っていく。
同じころ、チカのもとには、クライアントの「バルト・ホールディングス」の専務・中谷義郎(津村知与支)が訪れていた。そこで中谷は、上杉の退所を理由に、顧問契約を解除するとチカに告げる。
被害者の両親を訪ねた大輔は、示談金1000万円を提示する。息子の借金の返済と葬儀費用だけでいい、と言っていた母親の江川恵美(中島ひろ子)と父親の保志(朝倉伸二)は、その金額に驚きつつも、大輔の誠意ある言葉に心を打たれ、示談書にサインをする。
大輔が自宅に戻ると、マンションの前で怜が待っていた。怜が買ってきた酒とつまみで乾杯する2人。そこで大輔は、もうこうして会うのはよそう、と怜に告げる。真琴の存在があるからだと考えた怜は、好きならば付き合えばいいのにそういう曖昧な態度が、と言いかけた。すると大輔は、「答えはもう出ている。彼女は仕事仲間だ」と返す。

怜が大輔のマンションを去った後、大輔のもとに甲斐から連絡が入る。甲斐の指示で佐竹邸を訪れた大輔は、示談のための書類にサインを求めた。すると、信吾が思わぬことを告白する。事故当日、酒は飲んでいなかったがドラッグをやっていた、というのだ。
あくる朝、大輔は甲斐に、このまま終わりにはできない、と噛みついた。このまま黙っていたら、両親の事故の際にやってきた弁護士と同じことになる、というのだ。そんな大輔に対して甲斐は、クライアントを売るような真似をしたらそれこそ重大な問題だ、と返す。
そのころ玉井(中村アン)は、蟹江から鮎川を紹介されていた。その際、玉井は、鮎川がハーバードで書記官をしており、日本人の卒業生について把握していることを知る。その報告を受けた甲斐は、鮎川の採用を止めるようチカに進言する。
真琴は、怜に呼び出され、ファーム近くのカフェで彼女と会う。そこで怜は、大輔に振られてしまったことを真琴に打ち明け、彼ときちんと向き合ってみたらどうか、と持ちかける。


大輔は、両親の事故の際に示談を進めた弁護士・宮下の事務所を訪れる。そこで大輔は、飲酒運転で人を轢いたから助けてほしい、と言い出す。宮下が、そういう依頼は受けていない、と返すと、2005年には受けているといって、両親の事故の話を切り出す。
しかし宮下は、そういう案件は珍しくないので覚えていないという。大輔は、どうしたらそうやって平然としていられるのか教えてほしい、と宮下に怒りをぶつけた。
すると宮下は、クライアントを守るのが自分の仕事だと返し、自分がここで何を言ったところで一度成立した示談が取り消しになるわけじゃない、と続けた。「俺は、あんたとは違う」。大輔は、そう言い残して宮下の事務所を後にした。
チカは、アソシエイトの採用を撤回するよう蟹江に命じた。ファームの立て直しを優先したい、というのがその理由だった。蟹江は、悔しさをにじませながらも、それを受け入れるしかなかった。
藤嶋に会いに行った大輔は、信吾はドラッグをやっており、事故との因果関係は否定できない、と告げる。だが藤嶋は、すでに不起訴が決定したことを大輔に告げ、依頼人を検察に売ろうとしている大輔の行動を問題視した。実は藤嶋は、大輔の行動を読んだ甲斐から事前にある連絡をもらっていた。

蟹江は、麻子に会い、鮎川の採用が取り消しになったことを詫びた。すると麻子は、甲斐が新しいアソシエイトを採用したという情報を蟹江に教える。
ファームに戻り、甲斐に会った大輔は、藤嶋をアソシエイトとして採用することにした甲斐の決断は間違っていると告げる。甲斐は、大輔を守るためにやったことだと答えると、今度綱渡りが必要になったらその時は迷わず君を突き落とす、と言い放つ。
佐竹邸を訪れた大輔は、すべてが終わったことを信吾に報告する。「死んだ彼のためにも、傷を負いながら精一杯真面目に生きてくれ」。大輔は信吾にそう告げて部屋を出て行く。
その夜、大輔のマンションを訪ねた真琴は、もう怜と会わないのなら何故付き合えないのか、と思いをぶつける。しかし大輔は何も答えられなかった。失望したように部屋を出て行く真琴の後を追った大輔は、付き合えない理由を言いたいが、一度口にしたら取り返しがつかなくなる、と告げるが……。