全女性の尊厳を守る戦い!しかし、チカや甲斐は、宿敵・上杉の戦略に翻弄され…
10月12日(月)放送『SUITS/スーツ2』第14話
『SUITS/スーツ2』第14話完全版

甲斐(織田裕二)やチカ(鈴木保奈美)は、宿敵である「幸村・上杉法律事務所」元代表の上杉(吉田鋼太郎)と再び戦うことになった。
「フォルサム食品」を相手取った女性社員の昇進差別訴訟で、「フォルサム」側の代理人弁護士だった真琴(新木優子)の父・聖澤敬一郎(竹中直人)が、この案件から降り、すべてを上杉に任せたのだ。
チカは、マスコミを集め、昇進差別の被害に遭った原告女性126人とともに「フォルサム食品」を相手にした集団訴訟を起こすことを大々的に発表。この訴訟は、原告だけでなく日本の全女性の尊厳を守り抜くための戦いだと強くアピールした。
一方、上杉は、事実無根の訴訟に「フォルサム食品」の蓮見会長(伊東四朗)も心を痛めている、として全面的に争う姿勢を明らかにする。

そんな折、上杉が、原告代表の井口華子(安達祐実)へのヒアリングのため、「幸村・上杉法律事務所」に乗り込んでくる。その席で上杉は、突然質問の本筋を変え、「『幸村・上杉法律事務所』におけるシニアパートナーの男女比は?」と井口に問いかけた。
甲斐は無関係の質問をする上杉を非難するが、上杉は「幸村・上杉法律事務所」への訴訟と混同したとうそぶき、「このファームを不当解雇で訴える」といきなり訴状を突きつける。かつて上杉との不倫関係が原因で「幸村・上杉法律事務所」を解雇された尾形万智子(松本若菜)が、ファームを訴えるというのだ。
甲斐や大輔(中島裕翔)は知らされていなかったが、チカは、上杉がファームを去る際に、秘密保持契約にサインしていた。これにより、上杉が「幸村・上杉法律事務所」で関与した一切の行為は第三者へ口外できず、違反すれば違約金が発生するだけでなく、上杉がファームを去る決定も白紙に戻されることになる。つまり「幸村・上杉法律事務所」は、上杉の横領と不倫を口封じされた中で、万智子を解雇した正当性を証明しなければならなかった。

甲斐は、万智子への不当解雇については和解で解決し、「フォルサム食品」の訴訟に全力を注ぐべきだと主張した。だがチカは、それを拒否し、上杉を倒すよう甲斐に指示する。
大輔は、ルール違反は承知の上で万智子に会いに行き、本当に恨むべきなのは上杉ではないのか、と問いかけた。しかし万智子は、自分を突き放したチカを恨んでおり、今回の件で彼女がどうなろうと関係ない、と冷たかった。
甲斐は、旧知の裁判長・小野寺晋平(遠山俊也)を訪ね、万智子の不当解雇の裁判を非公開にしてほしい、と持ちかけた。それならば、秘密保持契約があっても戦える、というのだ。しかしすでに上杉は小野寺に接触し、そうできないように先手を打っていた。

大輔は、真琴に協力を求め、万智子が過去に関わった案件を徹底的に調べようとする。万智子のことを尊敬していた真琴も、ファームを守るためにそれを承諾した。大輔が去った後、真琴はデスクの中から、東大ロースクールの合否通知の封筒を取り出した。結果は不合格だった。
あくる朝、玉井(中村アン)は、「幸村・上杉法律事務所」にやってきた上杉を出迎える。玉井は、上杉を資料室に案内すると、「コースタル・モーターズ」訴訟の資料が入った段ボールを示し、この中に偽造メモを忍ばせたのは上杉なのかと問いかけた。答えない上杉に平手打ちする玉井。
上杉は、そんな玉井に、あのメモを処分しなければ事態は変わっていた、と返す。さらに、甲斐を守りたかった、という玉井に、上杉は「本当に甲斐先生のことを愛しているんだな」と告げる。玉井は、もう一度上杉の頬を平手打ちする。

上杉は、万智子を解雇した件で、チカに対するヒアリングを行った。そこで上杉は、離婚して以来、仕事が恋人だったチカが、他の女性にも同じ姿勢を求めていた、として、チカよりも若くて美しい万智子が他の男性と愛を育むのが許せずに解雇したのではないか、と言い出す。甲斐は、ファイルを叩きつけ、上杉を黙らせると、ヒアリングを中止にした。
真琴が藤嶋(上白石萌音)から押し付けられたコピーを取っていると、蟹江(小手伸也)がやってきた。そこで、真琴が東大ロースクールの試験に落ちたことを知った蟹江は、この件は自分に任せておけ、と言って去っていく。
蟹江は、東大ロースクールの採用担当である麻子(MEGUMI)を呼び出した。蟹江は、以前、麻子が推薦した人材を採用せず、彼女の顔に泥を塗ったことが原因で真琴が落とされたと思ったのだ。すると麻子は、真琴の優秀さを認めつつ、合格した受験生はもっと優秀だった、と蟹江に告げる。蟹江に対する個人的な感情で落とすようなことはない、というのだ。

そんな中、万智子に訴えられたことで、チカを非難する記事がいくつもの出版社から出る。万智子の件がこじれれば、「フォルサム食品」訴訟にも影響が出るのは明らかだった。しかも、「フォルサム食品」の蓮見会長は、人事評価には関与していないという理由でヒアリングを拒否し、全国196の部署・関連会社の人事担当者と個別に話すよう通達してきたのだ。
甲斐は、外部の弁護士をヘルプで雇うべきだとチカに進言。するとチカは、引き払う予定の20階のフロアを見せ、メインバンクからも格付けを下げられたことを甲斐に打ち明ける。

あくる日、「幸村・上杉法律事務所」に万智子と上杉がやってくる。大輔は、自らヒアリングの進行役を買って出て、万智子たちと対峙した。大輔は、万智子の口から上杉のことを明かすよう仕向けようとしていた。
だが万智子は、解雇されたのは蟹江からセクハラを受けていたことをチカに訴えたことが原因だと主張する。しかもチカは、万智子に解雇を言い渡した後、蟹江に辞表を提出するよう命じたというのだ。
ヒアリングの後、甲斐は上杉に和解金額の提示を求めた。しかし上杉は、この件で勝とうが負けようがどうでもいい、大事なのは君たちがもだえ苦しむことだと返す。


チカを非難する記事の影響で、原告団の井口たちにも動揺が広がっていた。大輔は、記事が事実ではないと主張し、自分たちを信じてほしいと伝えるしかなかった。
蟹江は、甲斐から、万智子がセクハラ受けたと訴えていることを教えられる。蟹江から、万智子がファームにいたころのボイスレコーダーを預かった甲斐は、この件は君がケリをつけろ、と告げた。
大輔は、他のアソシエイトらとともに、ボイスレコーダーの情報を元に、当時の万智子の行動を徹底的に追い始めた。と同時に、「フォルサム食品」訴訟の原告団の女性たちに、甲斐が説明会を開くことを伝えた。同じころ蟹江も、藤嶋が調査した万智子と上杉に関する情報を入手していた。

上杉へのヒアリングの日、大輔は、万智子が毎週火曜日の午前から昼にかけて業務をしていなかったこと、ホテルスタッフの証言からその時間に不倫関係らしい男と会っていたこと、ホテル近くのカフェのマスターがふたりの名前まで覚えていたことなどを記した資料を上杉に突きつけた。それは、あくまでも訴訟への対応の一環として関係者の証言を聞き取った記録だった。
すると上杉は開き直り、カメラに向かって万智子と不倫関係だったことを認めると、横領については簡単にはいかない、と主張する。さらに上杉は、チカたちが万智子の件で右往左往している間に、「フォルサム食品」訴訟への準備を終えることができたと言い出す。それに対して甲斐は、上杉のおかげでファームの団結力が強まった、と告げ、こう続けた。「次は完全に、あなたの息の根を止める」と――。

上杉は、エレベーターに乗って「幸村・上杉法律事務所」を去ろうしていた。そのドアを止め、強引にエレベーターに乗り込んだ蟹江は、万智子を金で動かしていた証拠を突きつけた。藤嶋から得た情報だった。蟹江は、事実を捻じ曲げてでっち上げた上杉に怒りをぶつけ、次にまた何かをしたらストロガノフにしてやると言い放つ。
大輔は、再び万智子に会いに行き、ブティックを始める予定の彼女に、新しいスタートを切りたいのなら誰かに利用され、振り回される人生を止めるべきだと忠告すると、「フォルサム食品」訴訟の原告126人分の資料を手渡す。大輔の熱意が届いたのか、万智子は訴訟を取り下げる決意をして……。
その夜、蟹江は、真琴に会い、東大ロースクールの試験に落ちたのは自分のせいだと告げる。蟹江は、採用担当の麻子とトラブルを起こしたことが原因だと説明する。
あくる日、甲斐は大輔と共に、「フォルサム食品」訴訟の原告団への説明会会場へと向かう。ところが、会場にはひとりの姿もなかった。するとそこに、チカから電話が入る。
