蒔田彩珠&桜田ひより&箭内夢菜&宮世琉弥 高校生が監督・脚本を務めた作品は「歳が近いからこそ共感できる」
FODにて配信中/10月31日(土)20時~CS放送フジテレビTWO放送 第7回ドラマ甲子園大賞受賞作品『言の葉』
FODにて配信中の第7回「ドラマ甲子園」の大賞作品『言の葉』。
「ドラマ甲子園」とは、毎年全国の高校生を対象にドラマの脚本を募集し、大賞を受賞した高校生は、監督にもチャレンジしドラマを制作するというフジテレビの企画。今回は、神奈川県横浜市在住の高校2年生・平野水乙さんが受賞し、本作の脚本と監督を務めた。
物語は人付き合いが下手で友達ができない女子高生と、言葉が話せない少女との心温まる友情を描く。

つい人を傷つけるようなことを言ってしまう癖があり、学校でいじめられている伊藤香里役を蒔田彩珠(まきた・あじゅ)、言葉を話すことのできない謎めいた女の子・桜木咲役を桜田ひより、香里と同じクラスの学級委員長・佐藤歩美役を箭内夢菜(やない・ゆめな)、香里と同じ高校一年生で野球部の木村武史役を宮世琉弥(みやせ・りゅうび)が演じた。
フジテレビュー!!では、蒔田、桜田、箭内、宮世の4人にインタビューを実施。同世代の高校生による脚本・監督の印象や、現場でのエピソードの他、“甲子園に出られるくらい得意なこと”などそれぞれのパーソナルが見える質問にも答えてもらった。
「歳が近いからこそ共感できることがたくさんある」

――本作は現役高校生の平野さんが書いた脚本ですが、最初に読んだときの感想を聞かせてください。
蒔田:自分と歳が近いからこそ共感できることがたくさんあるな、と感じました。
桜田:去年の(平野さんと同じ年齢の)私がこれを書けるかと言われたら、絶対に書けないし、本当に才能と努力なんだな、と思いました。
箭内:最初に読んだとき、「本当に素敵!」と声に出してしまったくらい、すごくて。16歳が書いたとは思えない作品でした。
宮世:いい意味であっという間に読み終わってしまいました。僕、普段は涙を流さない方なんですけど、これは読んで素直に泣けました。そんな自分にびっくりしたくらいです(笑)。

――それぞれ演じた役柄の印象を教えてください。
蒔田:香里はつい人を傷つける言葉を言ってしまうんですけど、嫌な子ではなくて。本当はすごく優しい子なんです。なので、ドラマを見てくださる方にも「この人、嫌な人だな」と思ってほしくなかったので、そこは心がけて演じていました。
――嫌な態度を取りながら、嫌な人には見えないようにする、というのは難しそうですね。
蒔田:すごく難しかったです。酷い言葉を言ってしまうときに、本心ではないというのを見せるための演出を監督がしてくださいました。例えば、うつむいてとか拳を握るとか、そういう細かい部分で伝わるように工夫しました。
――桜田さんが演じた咲は言葉が発せないので、セリフが一切ない役でしたね。
桜田:セリフがない役を演じるのは初めてでした。演じているとつい勢いで話したくなっちゃうこともありました(笑)。泣いているときでさえ声が出せないとか、難しい部分もありましたけど、言葉を発せないことで、改めて言葉の大切さを知れたような気がしています。

箭内:私が演じた歩美ちゃんは真面目で頭も良くて、周りに対して自分を頼って、とハッキリ言える人です。私は自分から「頼って」と人に言えるタイプではないので、自分とは違う香里ちゃんという人をちゃんと知って、寄り添いたいと思ったので、すごく考えました。
普段どんなことを思って生活しているんだろう、とか、どうしてこんなに優しくできるんだろう、とか。歩美ちゃんの持つ優しい雰囲気や言い回しを表現するために、何回も練習しました。
――その辺りの表現について監督と話すことはありましたか?
箭内:監督の中にはこんな感じというイメージがあって、それをきちんと伝えてくださるので、「そういうことだったのか」と発見できたこともありましたし、逆に私が表現したものを監督から褒めていただいたときは、「これは大丈夫だったんだな」と安心できました。

宮世:僕が演じた武史が出てくる場面は、この物語の中では見る方にとっての休憩場所みたいなイメージがあって。普段の香里は人を傷つける言葉を言ってしまうので、重い雰囲気になってしまうんですけど、武史と歩美と一緒にいるときは純粋に楽しんでいる姿を見せられるので、僕は香里と全力で楽しむことが、自分の役目だと思っていました。
――武史の明るくて裏表のないキャラクターは、実際の宮世さんと近いところがあるのかな?と感じました。
宮世:それはありますね。野球部という設定も、僕も昔、野球をやっていたので、(演じていて)武史とは仲良くなれたと思います(笑)。気持ち的にも共感できるところが多かったので、武史の中には僕の要素も結構入っていたかもしれないです。
現役高校生監督の演出は?

――監督としての平野さんの演出はどうでしたか?
蒔田:歳が近いからということもあると思うんですけど、自分はこう演じてみたいとか、これはこう思います、というようなことが話しやすかったです。だから、いつも以上に一緒に作品を作っている、という感覚が強かったです。
桜田:最初の衣装合わせの段階から、「何かあったらすぐに言ってください」と声をかけてくださっていたので、現場でも一緒に話し合いながら作れた気がしています。私が、こういう風にしたい、と言うと、それをきちんと受け止めてくださいますし、なおかつそこにプラスして、こういう風にしてほしい、というのも言ってくださるので、いい意味でのぶつかり合いができて、すごく良かったです。

箭内:私は今、二十歳なんですけど、ちょっと歳の差を感じました(笑)。私が大人っていうわけでもないんですけど、4歳違うと、感覚的に違っていることも多くて。脚本を読んで、自分が高校生だった頃を思い出してイメージを作っていくと、現役高校生の監督の持つイメージとは違うこともありました。それで監督の話を聞くと、「確かにそうかも」と思うところばかりで。演出家としてもすごいな、と思いました。
宮世:いろんなことを聞きやすかったです。僕がこれまでご一緒した監督さんはもちろん年上の方しかいなかったので、例えば休憩中だったとして、今は休憩しているから話しかけたらいけないんだろうな、って、気を遣ってしまっていたんですけど、平野監督にはすぐに話しかけられて。これはこうですか?みたいな質問もすぐにできるし、同い年ということもあって、共通点も多くて、やりやすかったです。

――同世代の人が脚本・監督を務めているのを目の当たりにして、自分もやってみたい、という興味は沸きませんでしたか?
箭内:私がやったら絵本みたいになりそうだなって。こんな素敵なものは絶対にできない(苦笑)。
蒔田:この年齢で一から作品を作るってなかなかできることじゃないから、良い経験をされているなって思いました。
宮世:絶対にできない(笑)。

――宮世さんは年齢的に来年の「ドラマ甲子園」を狙えますけど(笑)。
宮世:来年、狙います?(笑)。
蒔田:書いてみてほしいな。
箭内:真剣にやってみて。
桜田:それで、受賞したら読ませてもらって。
宮世:じゃあ(またみんなで出られるように)「言の葉2」にします?
箭内:それは(平野さんと)相談して(笑)。
宮世琉弥の得意なことは、周りを白けさせること!?

――今回、撮影期間が短くて、4人でゆっくり話せる時間がなかったかと思うので、もしお互いに気になっていたことがあれば、この場で聞いてもらえますか?
宮世:僕、あります!現場で僕の顔を見てよくみんなが笑っていることがあったんですけど、それがなんでだったのかは聞きたい。顔が面白いのか、行動が面白いのか(笑)。
蒔田:行動とか発言が面白い。というか、何か面白いであろうことを言って、それなのにみんながあんまり笑わなかったときの「やっちゃった」みたいな、一人で後悔しているときの顔が(笑)。
宮世:馬鹿にされてるのかと思ってた(笑)。
蒔田:違うよ。可愛いなって思って。
箭内:あと、(宮世は)聞き間違いが多いんですよ。
蒔田:そうそうそう。
箭内:だから話していて「えっ?」みたいになるんですよ。そのときの空気が(笑)。
蒔田:それを誰も笑わなかったら、逆に傷ついてしまうので優しさの笑顔です。
宮世:そうだったんだ。ありがとうございます(笑)。

――箭内さんは何かありますか?
箭内:私はひよりちゃんと一緒のシーンがなかったので、そこが気になってました。言葉を発せないから全部表情で表現してるじゃないですか。その演技を現場で見たかったです。
宮世:撮影で話せないから、カットがかかった瞬間にすごい勢いでしゃべってそう(笑)。
桜田:「ヨーイ」の声がかかるまで、声を出してて、「スタート!」で堪えてました(笑)。今回はマイクを付けないでお芝居をしていて。そもそもしゃべるな!ってことですよね(笑)。それも初めての経験でした。さっきも少し言いましたけど、泣くときに声を出せないのは辛くて。息を吐き出す音すら出せないので、そこはすごく難しかったです。

――蒔田さんと桜田さんはお互いに聞きたいことは?
蒔田:(桜田に向かって)何かあった?
桜田:ないね。
一同:あははは(笑)。
――お2人は以前から仲が良いと聞きました。
桜田:(蒔田のことは)全部知っているんですよね。だからこの際聞くようなことも…その領域は超えてしまっている気がします。
蒔田:知らないことがない!
――では、この際だからお願いしたいことはありますか?
蒔田:ひよりがうちに泊まりに来ることは結構あるんですけど、私がひよりの家に泊まったことがないから、今度、泊まらせてほしい。お母さんに言っておいて(笑)。
桜田:わかった(笑)。私は、一度、お互いのお母さんを連れて食事に行ったことがあるんですけど、また行きたい。
蒔田:そうだね!もう親も公認の仲なので(笑)。

――今回、「ドラマ甲子園」の受賞作ということで、皆さんがこの甲子園があったら出場できる、というくらいに得意なことを教えてもらえますか。
蒔田:犬と戯れること。誰よりも長いこと犬と向き合っていられます。全然飽きないのでそれは私の強みです。
桜田:それで言ったら、私も犬にちょっかいを出すレベルは誰にも負けないと思います。犬がおどおどしている姿がすごくかわいくて。寝ている間にそっと近づいておいて、起きたときに目の前の私を見たときのびっくりした顔とか。ずっと犬にちょっかいを出しています(笑)。
箭内:私はポジティブさですかね。どんなこともポジティブ思考に変えられる自信はあります。嫌なことがあってもすぐに忘れるし、引きずらない。それはいい意味でも、悪い意味でもなんですけど(苦笑)。落ち込むこともありますけど、何日もその状態でいることはなくて、まあいいか、大丈夫でしょう!って、すぐに切り替えられます。
宮世:僕は…さっきも話に出ていたんですけど、周りを白けさせる。
3人:あははは(笑)。
宮世:それは日本一かな(笑)。
箭内:確かに今まで出会った人の中では一番かもしれない(笑)。
宮世:スタッフさんの笑い声さえ消せるという。
桜田:何回かそういうことあったね(笑)。
蒔田:言ってること自体は面白いんだけどね。
桜田:この話終わってるんだよな、みたいなタイミングで入ってくるから。
宮世:それで、シーンって。でもそれは僕の強みだと思います(笑)。

――最後に本作の見どころを教えてください。
蒔田:16歳の高校生の方が脚本・監督をされているのですが、すごくわかりやすく物語が進んでいくので、共感しながら、難しく考え過ぎずに見られるドラマだと思います。あとは、「ありがとう」という言葉がたくさん出てくるのですが、改めて「ありがとう」が大事だと感じられると思うので、ぜひご覧下さい。
撮影:小嶋文子
<ストーリー>
香里は昔から不意に相手を傷つける言葉を言ってしまう癖があり、これが原因でいじめられるようになってしまう。ある日、香里は教室を抜け出し、丘ノ上公園にあるベンチに座った。
「自分の気持ちを素直に伝えられるようにしてください」と神様に願うと、ベンチの真上にある桜の木から一枚の葉が落ちてきた。葉には『君の名前は?』という文字が書かれている。その文字を書いたのは、話すことができない咲という女の子だった。
香里と咲は毎日会うようになり、次第に仲良くなる。そして香里は、咲に友達ができない悩みを相談した。咲は友達を作る方法を香里に教え、その方法で香里は悩みを克服し友達ができると、咲とは会わなくなっていった。そして、久しぶりに咲に会った香里は、あの嫌な癖で咲を傷つけてしまう。しかし、その後知る咲の本当の正体に香里は…。
ドラマの詳細は「ドラマ甲子園」公式サイトまで。
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