甲斐がファームを去る?有力ファームと「幸村・上杉法律事務所」合併話が進む中、最後の戦いが始まる!
10月19日(月)放送『SUITS/スーツ2』最終話
『SUITS/スーツ2』最終話完全版
甲斐(織田裕二)は、大輔(中島裕翔)とともに「フォルサム食品」訴訟の女性原告団126人を集めた説明会の会場へと向かった。だが、会場には何故か誰も来ていなかった。
ファームに戻った甲斐に、チカ(鈴木保奈美)は、ロンドンを拠点とする世界3大ファームのひとつ「ダービー総合法律事務所」の力を借りるつもりであることを告げる。人材の流出と資金不足に苦しむ「幸村・上杉法律事務所」にとって、訴訟を継続するためには圧倒的な資金力を誇る彼らの力が必要だったのだ。
ほどなく、「ダービー総合法律事務所」から担当者がやってくる。それは、代表のエドワード・ダービーではなく、甲斐のハーバードロースクールの後輩で、元恋人でもある綿貫紗江(観月ありさ)だった。甲斐の秘書を名乗り、原告の女性たちに説明会の延期を伝えたのは彼女だった。
甲斐は、「ダービー」側が合併も視野に入れて協力を申し入れてきたことを見抜き、彼らの力を借りることに反対する。だが、その間も「フォルサム食品」側はメディアをコントロールし、世論を味方につけていた。そこで甲斐は、一緒にやるのは「フォルサム食品」訴訟のみ、という条件で、紗江と手を組むことにする。
一方、真琴(新木優子)は、蟹江(小手伸也)のトラブルが原因で東大ロースクールの試験に落ちたことを大輔に打ち明ける。蟹江のもとを訪れた大輔は、直接その経緯を尋ねた。そこで大輔は、真琴が落ちたのは蟹江のせいなどではなく、実力不足だったことを知る。
甲斐は、「フォルサム食品」の全国335部署の女性幹部数と昇進率を調査する。その中から甲斐が敢えて戦いに選んだのは、女性の昇進率が最も高く、勝ち目の少ない日本橋支局だった。だが、敵の裏をかこうとしたその狙いは、「フォルサム食品」の代理人弁護士・上杉(吉田鋼太郎)に読まれていた。
甲斐は、大輔、綿貫とともに、日本橋支局の女性社員へのヒアリングを行う。その女性社員は、昇進試験に二度落ちたときは差別だと感じたが、努力が足りていないことを棚に上げていたことに気づき、三度目で昇進した証言した。
そこで甲斐たちは、彼女が離婚し、親権も元夫へ渡した際に、今後は仕事に専念すると同僚たちに宣言していたこと、それを耳にした上司が蓮見会長(伊東四朗)にメールで昇進を直訴したという証言を提示し、蓮見が人事に口を出していることを示唆していると指摘する。
あくる日、大輔のもとへやってきた真琴は、東大ロースクール宛の手紙を託す。合否判定の見直しを要求するものだった。大輔は、すぐに蟹江に相談するが…。
その夜、甲斐は、改めて「ダービー」との合併には反対するとチカに告げる。しかしチカは、ファームの未来のために合併を進める気だった。すると甲斐は、どうしても合併するというのならファームを辞めると言い出す。
そんな甲斐に、チカは、合併が合意に至るまでに「フォルサム食品」を叩きのめすことが唯一の解決策だと告げる。タイムリミットは、エドワード・ダービーが来日する5日後。綿貫は、この訴訟に勝てば、甲斐も自分も代表に名前を連ねられる、といって甲斐を説得した。しかし甲斐は、「デートは一度きり、結婚はしない」と応じなかった。
そんな折、甲斐は、秘書の玉井(中村アン)から、ダービーが予定を早めて明日来日することになったと聞かされる。追い詰められた甲斐は、時間稼ぎのために、過去に自分が証拠隠滅や犯人隠避などの不正行為を行ったかのようなファイルを作成して大輔に渡し、告発するよう指示した。それが綿貫の手に渡れば、「ダービー」側が真偽を確かめるまでの間、合併を延期することができるというのだ。
あくる日、大輔は、甲斐から託されたファイルを持って綿貫が滞在しているホテルへと向かった。だが、そこで大輔を待っていたのはチカだった。チカにファイルを手渡すしかない大輔。報告を受けた甲斐は、ファイルのすべてを記憶している大輔にその再現を命じた。しかし大輔は、結局それを綿貫に渡すことはできなかった。
その間に、来日したエドワード・ダービーと会ったチカは、お互いのファームの財務帳簿を交換していた。甲斐は、大輔や藤嶋(上白石萌音)のことをチカに頼み、ファームから去っていく。
蟹江は、藤嶋から託された財務データをもとに、「フォルサム食品」が不正経理をしていた痕跡を見つけ出す。その際、蟹江がまだ真琴に真実を伝えていないことを知った藤嶋は、お詫びするときのコツを教える、と告げた。
蟹江から真相を聞かされた真琴は、知っていたのなら隠さずに言ってほしかった、と大輔に怒りをぶつけた。いつも嘘と秘密ばかりで自分と向き合おうとしない、と言い放つ真琴。そこで大輔は、弁護士資格がないことを真琴に告白し、自分は君に相応しい男ではない、と告げた。真琴は、そんな大輔を平手打ちし、話してほしかっただけだと訴えた。その真剣な眼差しを受け止めた大輔は、彼女を抱きしめて、これまでのすべてを話すと約束した。
甲斐が「幸村・上杉法律事務所」を去ったという情報は、上杉の耳にも届いていた。蓮見にそれを報告した上杉は、経協連理事長の再任パーティーを開き、事実上の勝利宣言をするよう提案する。
一方、藤嶋とともに「フォルサム食品」を訪れた大輔は、警備員を買収し、社長室へ侵入していた。狙いは、蓮見が人事に介入していたことを示すメールだった。
蓮見の再任パーティーが行われる日、大輔と蟹江は、勝手にパーティーの開始時刻を遅らせてもらい、やってきた蓮見たちと対峙する。そこで大輔は、蓮見が日本橋支局の人事担当者に送った、昇進を許可するメールを読み上げる。その他にも、明確な証拠となるメールを手に入れたと伝える大輔。怒った蓮見は、大輔の手元にあるメールが不正侵入の動かぬ証拠だとして、彼らを警察に突き出すよう上杉に指示した。
すると大輔は、かつての甲斐のように、「あなたは今、こうおっしゃったのも同然です。『このメールは本物だ』と」といって笑って見せた。大輔が持っていたメールのファイルは、すべて白紙だった。続けて蟹江は、いまのやり取りを録音していたボイスレコーダーを取り出して見せ、これ以上シラを切るのなら、粉飾決算について話をしようと告げる。
蓮見は、部下たちに、ボイスレコーダーを奪うよう指示した。そのとき、別に入り口から現れたのは甲斐だった。昇進差別原告団の井口(安達祐実)と本田(野村麻純)、綿貫も一緒だった。
蓮見に謝罪を要求する井口。綿貫は、上杉が「幸村・上杉法律事務所」の代表だったときに6000万円もの横領をしていたことを指摘する。「ダービー」側は、「幸村・上杉法律事務所」の財務帳簿を見て、不正な金の流れに気づいたのだ。
甲斐は、合併がご破算になったことでエドワード・ダービーは上杉のことを許さないだろう、と告げた。困惑した蓮見は、「始めから私は、こんなくだらん騒ぎは金で解決しろと言っていたんだ」とこぼした。が、集まっていた記者たちにそれを聞かれてしまい…。
甲斐は、綿貫に別れを告げる。甲斐と会ったチカは、合併を白紙に戻したダービーに怒っていた。だが、もう辞める必要がなくなった甲斐が以前、何があっても守る、と約束したことを持ち出し、「これからも私を守って」と告げる。
大輔は、お互いに隠し事はしない、という条件で、真琴から交際OKの返事をもらった。
甲斐は、上杉の名前が外されたファームのプレートを見つめていた。その表情は、野心に溢れていて…。