【ほぼ全文起こし】亀梨和也 5年ぶりの舞台主演にド緊張!?「迷いは…まだあります(笑)」
舞台「迷子の時間-語る室2020-」【東京公演】11月7日(土)~29日(日)PARCO劇場【大阪公演】12月8日(火)~13日(日)サンケイホールブリーゼ
11月6日(金)、舞台「迷子の時間-語る室2020-」の公開ゲネプロと取材会が行われ、主演の亀梨和也をはじめ、貫地谷しほり、浅利陽介、松岡広大、古屋隆太、生越千晴、忍成修吾と、演出を手掛ける前川知大が登壇した。
舞台「迷子の時間-語る室2020-」は、ある田舎町で5年前に起こった神隠し事件を軸にストーリーが展開していく、SF作品。亀梨は、蜷川幸雄演出の「靑い種子は太陽の中にある」以来の舞台出演で、ストレートプレイは初挑戦となる。
ここでは、取材会の模様を、ほぼ全文でお届けする。
取材会冒頭の意気込みから、ツッコミ、ツッコまれ、和気あいあいとするキャスト
亀梨:よろしくお願いします!ワン、ツー、ワン、ツー(マイクテストを始める)。
貫地谷:それ、終わってますよ(笑)。
──まずは、前川さんから、作品の見どころを聞かせてください。
前川:はい…見どころ…見どころ…。見どころを言うのがとても難しい芝居なんですけど。ミステリー的な、昔の子どもの失踪事件のことが明らかになっていって、この7人が絡み合いそうで、絡まなそうで、でも、深いところでとっても絡んでいるというのが、徐々に分かってくるというお話です。
ややこしい話ではあるんですが、難しく考えてもらうよりは、感覚で見てもらえるように作ったつもりです。ですので、この7人のつながりみたいなものが、見終わったあとに温かい形で残ればいいかなと思っております。

──キャストの皆さんには、ご自身の役どころと、初日を控えた今の心境をお聞かせください。
亀梨:僕自身は、PARCOさんとこうやってお仕事させていただけるのも初めてですし、PARCO劇場でのお芝居もそうですし、ストレートプレイもそうですし。そういった意味では、初めてのことだらけの中で…共演の皆さんも…。
浅利:(亀梨をじっと見つめる)
亀梨:浅利くんはね、ドラマでチラッとご一緒しましたけど、皆さんはじめましてというところから入って。でも、すごくステキな稽古場で、稽古時間を過ごさせていただいて。
とにかくこういった状況の中でステージに立たせていただけることは、しっかりと感謝しつつ、来てくださる方にもいい時間を過ごしていただけるように、尽くしたいなと思っております。
──警官姿は初めてではないですよね。
亀梨:初めてではないです。でもこの靴下の中にズボンを入れるスタイルっていうのは初めてです(笑)。
(会場爆笑)
亀梨:あ、裏話なので、あまり書かないようにしていただきたいんですけど(笑)。
貫地谷:靴下の中にズボンが入っていること、今初めて知りました(笑)。
私は、憧れの前川さんの作品に参加できるということでうれしかったのと、PARCO劇場は何度も足を運んでいたんですけれど、こうやって出演するのは初めてで。「PARCO劇場にいつか出てみたいな」と思っていたので、すごくうれしいなという。
そして、本当に、本当に素敵な人たちばかりで、稽古場もすごく楽しいというか…毎日ここにいる人たちのことを、どんどん好きになった現場というか。ま、もしかしたら、これから嫌いになるかもしれないですけど。
(ザワつくキャスト)
浅利:もしかしたらね!
貫地谷:もしかしたら嫌いになるかもしれないけど、今はとっても大好き。本当に幸せな現場です。
懐かしい感じもするのに、前川さんの時空を自在に操るといいますか…懐かしいとはまた違う部分も融合した、本当に面白い…面白いって自分で言っちゃった(笑)。本当に素敵な舞台になっていますので、このような状況ですが、多くの方に見ていただけたらなと思っております。

──役柄は…?
貫地谷:あ、(亀梨と)同い年なんですけど、姉です(笑)。
亀梨:そこはちゃんとね(笑)。靴下は…。
貫地谷:靴下(にズボン)は入ってないです!
──浅利さんお願いします。
浅利:PARCOさんには以前、新しくなる前に(舞台で)立たせていただいて。いやぁ、もう、見ていただいて分かるように、間口(ステージの空間)が広がりました!
(会場爆笑)
亀梨:あれ?PARCOさんですか!?
松岡:PARCOの回し者みたい(笑)。
浅利:こけら落とし(オープニング作品)ですので、このメンバーはもはやスタメンのような、そういう意味合いもあるんじゃないかという。ここに僕らがいるということは、今後もPARCOのスタメンのような感じで出てくるという。前川さんの作品があれば、今後ももしかしたら誰かしらが出ているかもしれないという期待を膨らませています。
本当に、稽古場の段階から楽しく。昨日、今日で舞台稽古もやっていますが、僕はヒッチハイカーという役なので、ゆるく出て、ゆるく去っていくという(笑)。
亀梨:ゆるくないですよ(笑)。
浅利:ヒッチハイカーですから、風のごとく流れていくような、橋爪功さんのような、ちょっと出たら笑えて、存在感のあるようなものを目指しております。頑張っております!
──逆に存在感を出すのが大変そうですね。
浅利:えぇ、とっても!
亀梨:十分出てますよ(笑)。

──続いて、松岡さんお願いします。
松岡:前川さんは、俳優をやっていたら絶対にご一緒したい演出家さんなので、その作品の中に入れてすごくうれしいですし、何より、このキャストの皆さん、諸先輩方に囲まれて、芝居ができるのも最上の喜びだなと思っております。
浅利:(じっと松岡を見つめる)
松岡:なんでそんな見るんですか!
浅利:いや、うれしいなと思って。
松岡:本当に稽古場から、いろいろなものを学んで、いよいよ初日なんですけど、しっかりとぶつけられそうな気がしますし、演劇ってやっぱり楽しいなと思いましたし、日常には不可欠だなと感じたので、皆さんの生活圏に演劇が入っていけばいいなと思います。
──役どころは?
松岡:えっと…帰ることのできない未来人でやっています。
亀梨:役どころを説明するの難しいよな(笑)。
松岡:そうなんですよ!未来人なので、楽しみます!

──古屋さんお願いします。
古屋:私の役どころから申しますと、霊媒師の役で。ご想像の通り、ちょっと…目に見えないものとのアクセスというか、そことのコネクションを人一倍大切にする感じで。
この作品自体も、目に見えないけれどきっと確実にあるもの、人の人生にとってとても大切なものが深く描かれていると思っていまして。早くより多くの方にこの作品をお届けできたらと、静かに闘志が膨らんでいる状態でございます。

生越:私の役どころはヒッチハイカーの妹です。
浅利:僕の妹です!
生越:舞台って、稽古期間があって、そこがすごく特別だと思うんですけど…お話の中で、7人がすごく深いところでつながっていて、そこを作り上げる稽古での皆さんが本当に素敵で。温かい人たちで。言葉じゃ伝えきれないくらい、本当に素敵で。
その7人がつながっている空気感を、稽古でみんなで作り上げられたんじゃないかなと感じていて。それをお客様に届けられるのがすごく楽しみで。千秋楽までまだまだあるので、もっと発見をしていけたらなと思っています。

忍成:僕は、初めての舞台がPARCOさんだったのですごく感慨深いんですけど。また、何年も工事していたPARCOが出来上がって、新しいPARCO劇場でやらせていただくことをとてもうれしく思っています。僕も2年ぶりくらいの舞台で、はじめは緊張していたんですけど…。
貫地谷:してたんだ…。
忍成:してたんよ(笑)。本読みくらいまでは。
浅利:ほぼ、しゃべってなかったよね(笑)。

忍成:うん。そうなんですけど、前川さんの作品もいくつか見させていただいていて、今回ご一緒できるのをうれしく思っていて。どんな稽古をされるんだろうと思っていたんですけど、皆さんが「仲が良い」と口をそろえて言っているように、本当にチームワークが良くて。
どんどん1人ひとりの個性が出てくるような稽古場だったなと思っていて。そこがチームワークにつながっているなと思っていて。それが本番で役に立つというか、底力になるんじゃないかなと思います。…で、役どころですよね?ネタバレを隠すと…。
貫地谷:そのままじゃない?
忍成:バーベキューが大好きな農協のおじさん。
(会場爆笑)
忍成:(亀梨演じる警官が)バーベキュー仲間で、とにかくいろんな人をバーベキューに巻き込んでいきたいなと思っています(笑)。
亀梨:確かに、日に日に闘争心がかなり出てきてましたね(笑)。
忍成:僕の最終目標は、これ(バーベキュー)を祭りにすることなので(笑)。

チームワークの秘訣は、毎日1時間の“シアターゲーム”
──亀梨さんは今回、舞台が5年ぶりになると思うんですが、苦労していることはありますか?
亀梨:苦労?前川さんとご一緒させていただく中で、日々…苦労というよりは、挑戦であり、発見であり、気づきを本当にたくさん与えてくださって。本番ね…明日からですけど…おうちに帰ってからの「大丈夫かな?」と思いながらもう1回台本を見てみたりとか、「あそこはこうかな?」と振り返ってみたり…。
浅利:やめてよ?明日、全力で睡眠不足で来るの。
亀梨:ははは(笑)。クマだらけで(笑)。大丈夫!でも、きっと振り返ったときに、それさえもいい時間として…。
貫地谷:だってさ、(亀梨は)1週間前からもうドキドキしてるんですよ(笑)。
亀梨:うん…だから、苦労というよりも、気を静めるように。家で気持ちを落ち着かせる作業をしなければいけないくらいですかね。
──何をして気を静めているんですか?
亀梨:お風呂にゆっくり入ったり、あと、新喜劇さんの映像を見たり(笑)。ちょっと楽しませてもらって。でも、すぐ(緊張が)戻っちゃうんですけど。

──本当に稽古のお話がすごく出てきますが、前川さんの稽古って、他の方とは違うんですか?
亀梨:どうなんですか?僕はそんなに経験がないので…。
忍成:こんなに…楽しみながら味が出たりして、作品をやるのが楽しくなっていくから、自然と集中できるというか。すごい面白いアプローチだなと思います。
貫地谷:毎日、稽古がゲームから始まるんです。
亀梨:毎日、1時間ゲームをやります!
貫地谷:何ゲームって言うんですか?
前川:シアターゲーム。
貫地谷:イス取りゲームとかね。
亀梨:「マンション、マンション」って言ったりとか(笑)。ジェスチャーゲームとか、いろいろあるんです。コミュニケーションをとりつつ、声も出しつつ、体を動かしつつ。あの時間がやっぱり非常に有意義というか…。
──何時間の稽古のうちの1時間なんですか?
亀梨:日によりますけど。
──前川さんが演出されるときは、毎回そうなんですか?
前川:やらないときもありますけど、だいたいやります。特に今回は、皆さん初めてなので。まずは役者とコミュニケーションをとりたいというのもあったので、しっかりやりました。
──そのゲームで亀梨さんの初めて知った一面などはありますか?
浅利:彼は、しゃべり始めると、本当に止まらなくなりますね(笑)。
亀梨:ははは(笑)。「ワードウルフ」という、しゃべりながら少数派のワードを持っている人を探っていくゲームがあるんですが、そういう時は先陣切ってしゃべり始めるんですけど。ガンッてツッコまれると、キャンッと子犬感が出てしまうという。
(威嚇する犬ように)ワンワンワンワン!って向かっていくのに、(ドスの効いた声で)ワァン!と反撃されると、(弱々し気に)キャン~ってなるという。その辺は、自分の新たな気づきでした(笑)。
バーベキュー稽古では、座長・亀梨が大盤振る舞い!?

──なんの話が一番盛り上がりましたか?
亀梨:ワードウルフだよね…。
貫地谷:カズ…あ、今回、みんなあだ名を決めたんです。
亀梨:そうそう。
貫地谷:それで呼び合っているんです。
亀梨:バーベキュー稽古があってね。
浅利:あれ楽しかった~。
松岡:楽しかった~。
貫地谷:稽古でバーベキューに行ったんですよ。
亀梨:(劇中でバーベキューをするので)実際に経験しようということで。
浅利:1人1品持ってきてね!
松岡:そう!
亀梨:パンフレット撮影も兼ねてだったんですけど。ちゃんと1回、火を起こしたりしてみようと。
浅利:あいにくの雨でしたよ(笑)。ザーザー降り!
松岡:めっちゃ寒かった(笑)。
貫地谷:前日に、みんなで「何を持ち寄るか、いっせいのせで言おう」と言って。そうしたら、なんと、お肉がなかったんです。
浅利:そうだ、そうだ!
貫地谷:「ないね」なんて言っていたら、(亀梨が)「朝から(お肉を買いに)行ってきました」と大量に買って持ってきてくれました!
亀梨:一応ね。

浅利:あと、ハマグリも最高においしかった!
一同:おいしかった~!
貫地谷:最高だったね。
亀梨:いい思い出をね。
浅利:だって、木の箱に入ってるんですよ。ハマグリが。
亀梨:座長としてね(笑)。気持ちを込めて、いい時間になってくれたらいいなと思って。ハマグリは、事前に手配して。お肉は「ないぞ」ってなって、「これは事件だ」と思って(急きょ用意しました)。
貫地谷:お肉は、当日までみんな知らなかったんです。
亀梨:ちょっとだけ早起きしてね(用意した)。
──先ほどチラッと言っていた、あだ名を聞いてもいいですか?
亀梨:どうも、カズです(笑)。カズと申します。
貫地谷:カズからみんなを紹介して!
亀梨:いいですか?あちゃりん(浅利)。るっち(古屋)。まっこ(松岡)。
浅利:これ、由来は聞かないでくださいね!
亀梨:かんじー(貫地谷)。おごち、時に、ふぁごち(生越)。おしゅさま(忍成)。ゲームのとき、前川さんは、さく。
貫地谷:作・演出のね。

──そのように呼べていますか?
亀梨:これが定着しているから…逆に、定着しすぎて、もし別の現場でお会いした時にどうしようかっていう話も。
貫地谷:「なんかあったんじゃない?この人たち」と思われないように…。
浅利:だいぶ怪しいから(笑)。
忍成:僕は変な目で見られる(笑)。
亀梨:「おしゅさま~」って言われたらね(笑)。
(会場爆笑)
──最後に、改めてこの舞台への思いを聞かせてください。
亀梨:本当に前川さんとご一緒させていただき、キャスト皆さんと素敵な時間を過ごす中で、この場に立たせていただけるということをしっかり噛みしめながら、来てくださる皆さんに…今回、“時間”が一つキーになるので、“時間”というものを良い形で(作って)、良い思いの中で劇場をあとにしていただけるように、過ごしていけたらいいなと思います。
──迷いはないですね。
亀梨:(少しニヤつきながら)迷いは…ないです(笑)。いや、まだ若干…さっき、ノートでご指導いただいたばかりなので、今現在、まだちょっと迷いがあります(笑)。
(会場爆笑)

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