中川大志、今年の冬は「“ジョゼ巡り”をしたい」聖地巡りを宣言
映画「ジョゼと虎と魚たち」は、12月25日(金)より全国公開
11月7日(土)、第33回東京国際映画祭で開催されたアニメーション映画「ジョゼと虎と魚たち」ジャパンプレミアに、中川大志とタムラコータロー監督が登壇した。
本作は、2003年に妻夫木聡、池脇千鶴主演で実写映画化されて高評価を得た、芥川賞作家・田辺聖子の代表作「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫刊)を、中川と清原果耶が声優としてW主演し、劇場アニメ化。
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きる車イスの少女・ジョゼと、彼女を助けた大学生の恒夫の心の距離が近づいていく様を描いていく。

第33回東京国際映画祭の特別招待部門正式出品作品として上映されているが、中川は「東京国際映画祭の場に立たせていただくのは初めてなので、すごく光栄でうれしいです」と感慨深い様子。
また、この日が日本での初上映になるが、「今日は朝から監督と取材を受けていたのですが、ずっとドキドキしています」と吐露しつつも、「楽しみです」と笑顔で会場を見渡した。

恒夫を演じた中川は、役作りについて聞かれ、「恒夫くんは自分と同じ年の設定。等身大で素の自分のトーンに近いしゃべり方、割とニュートラルに近いトーンでお芝居させていただきました」と回顧。

W主演を務める中川と清原は、ともに国内長編アニメーションの主演は初めて。清原とのアフレコブースでの共演を聞かれると、「お互い声優の仕事をしているわけではないので、不安や分からないことを共有してやりました」と振り返り、「清原さんが演じたジョゼが本当にかわいくて魅力的で。どんどん引き込まれていったので、僕も自然と気持ちをのせて演技することができました」と清原に感謝。
そんな中川と清原のコンビネーションを見ていたタムラ監督は、「清原さんが演じるジョゼはトリッキーな役柄。普段、清原さんが演じなさそうなキャラクターだったので、下駄を履かせたほうがいいという思いがあって。結構、こうしてほしいという話をたくさんさせていただいたのですが、ご本人も参ってしまっていたこともあったんです」と明かす。
続けて、「でも、中川くんが『次、これもやらせてほしいです』と前向きな姿勢を見せてくれたことで、清原さんも刺激になって、一緒に頑張ろうという空気がブースの中でできていて。それは端から見ていてよかったですね」と、中川を讃えた。

映像美やストーリーなど、さまざまな魅力のある本作だが、見どころを聞かれ、中川は「とにかく僕はこの映画の中の空気感、温かい世界観や色がすごく好きで。ジョゼは世界をカラフルに、普段見えないような視点から捉えている女の子。そのジョゼが想像する世界や夢がでてくるシーンがありますが、そこはすごくキレイな映像で感動したので、ぜひ大きなスクリーンで観てほしいですね」とアピール。
それを受けてタムラ監督は、「褒めてもらえてありがとうございます」と恐縮しつつ、「色は本当に気を遣って、2人の感情を上手く表情できたらと思いました。後半にかけて2人の距離感がコロコロを変わっていくので、それを表現するために、キャラクターの絵や背景、色彩、音楽など、あらゆる手段を使って2人の距離感を表現しました。前半と後半の違いを見てもたえたら」と語った。

劇中では、ジョゼと恒夫がさまざまな場所を訪れることから、この冬行きたい場所を問われる一幕も。中川は「大阪が舞台なんですが、この映画に出てくる2人が出かけるスポットには行ってみたくなると思います」と言い、「僕も大阪にお仕事で行くことはありますが、なかなかプライベートでゆっくりできることはないので、“ジョゼ巡り”をしてもいいなと思います」と聖地巡りを笑顔で宣言した。

最後には、中川が「監督とともにこだわって、本当に細かいところもまで収録しました。監督の指示が細かすぎて、前のテイクと何が違うか分からないくらい、本当に絶妙なお芝居をしました」と手応えを。
また、NHK連続テレビ小説『なつぞら』で気難しいアニメーション監督を演じたことについてふれ、「こうやってアニメーション映画の一部になれたこと、この作品に参加できたことが本当に幸せです」と笑顔で挨拶。

タムラ監督は「アニメーションは本当にすごい人数と時間がかかるんです。その作品の重みを中川くんが分かった上で演じてくれたのはうれしかったです。アニメーション監督役を演じることはあまりないですし、それが分かった上で声を吹き込んでくれて感謝ですね」と笑顔を見せていた。
最新情報は、アニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」公式サイトへ。