吉岡里帆「そばに誰かいてくれるだけで、明日を生きる希望になる」人との関わりの大切さを痛感
6月6日(日)14時~『ザ・ノンフィクション』
6月6日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 後編」』が放送され、語りを吉岡里帆が担当する。
『ザ・ノンフィクション「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 前編」』の記事はこちら!
茨城県・日立市。チェーン店が並ぶ国道沿いに、まるで終戦直後にタイムスリップしたような佇まいの不思議な一軒角がある。トタン張りの小さな飲み屋さん13軒が並ぶ「塙山(はなやま)キャバレー」だ。
ここで生きるママたちは、自分たちのつらい経験すら武器にして、人生に疲れた客の心をそっとすくい上げてくれる。
17歳の時に母親から置き屋に売り飛ばされたという「めぐみ」のママ。「開き直らないと何もできない」と、壮絶な過去も笑い飛ばし、採算度外視で客たちをもてなす。そんなママが気にかけるのは、幼なじみの男性客、のぼるちゃんだ。
のぼるちゃんは、塙山キャバレーでラーメン店を営んでいたが、火事で5軒を延焼させてしまった。一度は自殺も考え、今は生活保護を受ける身となった失意の彼をめぐみママは励ます。
一方、かつて別れた娘と20年ぶりの再会を果たした「ラブ」のママ。最初は和やかな二人だったが、次第に娘から厳しい言葉を投げられる。さらに息子二人もやってきて“捨てた”我が子のつらい過去を聞くことに。
一度は壊れてしまった家族の修復は、やはり一筋縄ではいかなかった。


そんな折、のぼるちゃんは、「めぐみ」のなじみ客と花見へ。桜の余韻に浸りながら、2人は今までの人生を静かに語り合った。
そして、コロナ禍での苦境に耐えるママたちのもとへ明るい知らせが届く。
先週に続いて、語りを吉岡里帆が務める。ママたちの言葉に「元気をわけてもらえそう」「包容力に驚いた」と収録後に話した吉岡に、印象的だったエピソードなどを聞いた。
<吉岡里帆 インタビュー>

――ママさん、その家族、お客さんと、さまざまな方が出てきましたが、印象的だった人、エピソードはありますか?
のぼるちゃんと(なじみ客の)高野さんが2人でお花見に行くシーンがとても印象に残っています。たくさんのものを失ってしまっても、ああやってそばに誰かいてくれるだけで、明日を生きる希望になる、本当に人と人との関わりの重要性を感じました。
のぼるちゃんが「(布団の上で)気づいたら死んでたというのがいい」と口にしたとき、高野さんが「そういう話は聞きたくないな」「今日もいい1日にしちまえ」っておっしゃったのが、本当に名言だなって。ひとりの友人として、すっごくあったかい、優しい返しですよね。高野さんがのぼるちゃんのそばにいてくれてよかった、と思いました。
それと、私は京子ママが好きで。京子ママのあの笑顔と、酸いも甘いも知り尽くし、来たお客さんを全部包み込むような懐の深さは、見ていても心穏やかにさせてもらえる、そんな包容力に驚きました。
京子ママはどんなに暗い話、悲しい話をしたとしても、全部笑い飛ばしてくれるんです。お客さんたちは、そんなママだから、ふと話したくなったり、聞いてほしくなったりするんだろうなと思います。

――お客さんにとっての塙山キャバレーのように、吉岡さんが心のよりどころにしている場所はありますか?
私はやっぱり、マネージャーさんですかね。ずーっと一緒にしますし、この手の質問をされると、一番に思いついちゃいます。そのくらい一緒に大変な現場を乗り越えてきていますし、ひとりでは乗り越えられないものもたくさんあるので、本当にありがたいな、と思います。
やっぱり、何気ない話ができる人がそばにいてくれるというのは、本当に大事で。誰かにちょっとした話ができるってことが、何でも前向きにとらえられる秘訣だな、と思いました。
