西田敏行が証言「広瀬すずが吉永小百合を食いにかかってる」

公開中「いのちの停車場」

フジテレビュー!!編集部

2021年6月30日

ドラマ・映画／ピープル

6月30日（水）、公開中の映画「いのちの停車場」チーム“まほろば”サンクスデーイベントが東京・新宿バルト9で行われ、主演の吉永小百合、共演の松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、原作者の南杏子さん、成島出監督が出席した。

在宅医療に携わる医師、患者、その家族を通して、“いのち”に正面から向き合うヒューマン医療大作「いのちの停車場」は、映画出演122本目にして初の医師役に挑んだ吉永や、松坂、広瀬ら豪華キャストの熱演で、ロングヒットを記録中。

そんなヒットを受け、「まほろば診療所」で働くチームまほろばのメンバーを演じた吉永らが再集結。ファンへ感謝を伝えた。

イベントに先立ち、まずは西田が映画応援歌「いのちの停車場」を披露。やさしく力強い歌声に、満員の観客が酔いしれた。

歌唱を終えた西田は「レコーディングのとき以来、今日初めて人様の前で歌わせていただきました。緊張のあまり呼吸が困難になっちゃって、ちょっとドキドキしましたけど、マスク越しに皆さんの輝く目が見えたのでうれしく思いました」と感謝した。

そんな西田へ吉永は、「どうしてもこの歌を皆様の前で西田さんに歌っていただきたいという思いで、今日のイベントは開催されました。ありがとうございます」と満面の笑みで労った。

本作が公開された5月21日当時、舞台あいさつの客席には報道陣のみ。ファンは生配信された全国の劇場でその様子を見守るという異例の初日となった。

マイクを持った吉永は「緊急事態宣言で映画館が閉ざされてしまって、いったいいつ皆様に作品を観ていただけるのかという不安な日々を過ごしました。6月1日からは東京でも観ていただくことができましたが、まだ映画館へ行くのは不安だという方もいらしたと思います」。

続けて「つい最近、私と同世代の方からお手紙をいただきまして『ワクチンを2回接種して2週間おいて、すぐ映画館に駆けつけました』という内容でした。とてもうれしかったです」と、やっと観客の前に立てた喜びをにじませた。

松坂は「今までは座席を一つ空けるなど人数制限がある中でしたが、今日こうして、間隔が空いていない状態で皆様とお会いできることを本当にうれしく思う」と感激。

広瀬は「ギュウギュウの客席を見るのは本当に久しぶりなので、すごく幸せな景色です。公開してから今日まで観てくださったお客様には感謝していますし、ここからまたどんどんこの映画が一人でも多くの方に届いたらうれしい」と感慨深げに満員の客席を見渡した。

そして、西田は「吉永小百合さんの映画文化にかける情熱、映画俳優としての矜持をもって、堂々と皆さんの前でこの作品をお披露目できることの喜びを感じます。日本の映画を支えてこられた吉永さんにこの場を借りて敬意と感謝を申し上げます」と、謝意を示した。

印象に残っているシーンを問われた西田は、「まほろば診療時に吉永さん演じる咲和子を訪ねてきたときのすずちゃんの対応ですね。僕が若いころにスクリーンの吉永さんを観て感じた感動と同じような感動を、すずちゃんに感じました。実に堂々とした演技で、『吉永小百合を食いにかかってるな、すごい女優だな』と思いました」と発言。

吉永も「シャキッとしていて、本当に素敵でした」と西田同様に広瀬の芝居を絶賛した。

また、この日はSNSで事前に募集した質問にキャストが答えるコーナーも。

「壁にぶつかった時はどんなふうに乗り越えている？」と聞かれた松坂は、「僕の場合、悩みに悩んで、地に着くぐらいまで落ちる。ちょっとした開き直りみたいな気持ちのところまで到達したら見えてくるものがあって、それを引っかかりとして壁をよじ登るか、ぐるっと迂回するかの選択肢をとる」と回答。

広瀬は「一旦寝て、考えたり、想像したり、自分なりに努力して、あとは時間が解決してくれる」。

西田は「僕もどちらかというと楽観主義者なので、壁というものがあったのかなかったのかわからずに通り過ぎてきた」といい、「若い時に静岡の三島で時代劇の旅公演に出たんだけど、出番直前にトイレに入ったので三島公会堂と書かれた青いスリッパのまま舞台に出て、セリフが全部飛んでしまった。それが僕の壁でした」と、今となっては笑える“壁”を申し訳なさそうな表情で振り返った。