雨男・佐藤健 予定にない雨のシーンに監督も感謝「あれは僕のおかげ」
9月20日(月)、映画「護られなかった者たちへ」の公開直前トークイベントが行われ、佐藤健、阿部寛、林遣都、瀬々敬久監督が登壇した。

この作品は、東日本大震災から10年目の仙台で起きた殺人事件が発端となり、切なくも衝撃的な真実が明らかされていくヒューマン・ミステリー作品。佐藤は容疑者・利根を、利根を追う刑事・笘篠を阿部が演じる。
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イベントでは、一般の人から募集した質問に答える場面も。
10年前がキーワードとなる本作にかけて、「自身の10年前と変わったところ」を聞かれると、佐藤は「根本的なところは変わっていないと思いますけど、『余裕を持つことが出来るようになったかな』と思います。10年前は『今日生きること』に精一杯で、それ以外のことを考える余裕はなかったです。今は、もう少し俯瞰して見れるようになったかなと思います」と明かした。

阿部は「いろんな人との出会いや、生活環境が変わったりと変化しました。深みのある演技とかを要求されたりもして、年齢を重ねてきて、そういうものも自分の中に蓄積されてきました。また、10年前の40歳のころは『少し、仕事を絞ろうかな』と思っていたことが、『もっと果敢にやっていこう』という考えに変化してきました」とコメント。

林は「僕は両親に『ありがとう』と言えるようになりました。学生時代に反抗期が強く、上京も早くて、反抗期のまま家族と離れたようなところがあって、久々に地元に帰って、家族に会っても照れくさくて素直になれない20代が続いていたんです。でも、『大切にしなきゃな』と思うようになって。『ありがとう』と言えるようになりました」としみじみと語った。

また、映画のタイトルにかけて「共演者の中で、この人に護られたいと思う人」を質問されると、佐藤は登壇者を見渡しながら「いるかな…そんな人。護られたいと思う人か…」と困り気味に。
すかさず阿部が「吉岡秀隆さん」と答え、「僕なんかよりも、いろんなすごい作品に出演して、ずっと前からやっていて。『最初、どんな人なんだろう?』と用心していたんですが、オープンで優しくて、ソフトな方だったんです。『あっ、この人が親だったら、うれしいな』と思いました」と説明。
佐藤も「たしかに、今回初めてご一緒させていただいたんですけど、ものすごく優しかったです。先輩風を吹かしたりとか一切なくて、やわらかい印象の方でした」と同調し、林は「倍賞美津子さんですね。本作の佐藤さん演じる利根とのシーンが本当に感動でした」と振り返った。
次に、「雨男で名高い佐藤健さんですが、撮影中に雨で悩まされたことは?」と名指しで質問された佐藤。「まず、名高くない」と否定しつつ、「歩道橋を全力で走るシーンとかは、もともとは雨の予定ではなかったんです。でも、雨が降ってしまって、みんな困っていたんですが、時間がないからこのまま撮影しようということになり、撮ってみたら結果オーライ。『雨の方がよかった』という風になりました」とコメント。
瀬々監督も「まさにそうだった」と認めると、佐藤は「あれは僕のおかげなんです。雨男なんで」とニヤリ

「林遣都さんと、撮影現場では長く一緒にいたそうで、何か共通点や、似ているところはありましたか?」と阿部に質問が飛ぶと「顔が濃いところ」と答え、林も納得の表情。

林は、「おこがましいんですけど、昔から『顔が阿部寛さんに似ている』と言われたことが何度かあったので、今回初めてご一緒出来てすごくうれしかったです。待ち時間にたくさんお話をしてくださって、役者として理想みたいなところもあるので、阿部さんがどう歩んできたのか聞けたことは自分の財産です」と感謝した。

最後に、佐藤は「震災から10年が経ちましたが、世界にはまだ様々な問題があって、様々な困難に苦しまれている方がたくさんいます。この映画には、自分たちの大切な人を護りたい。護る社会であってほしいという願いが込められています。その思いを受け取っていただけたら幸いです」と締めくくった。

映画「護られなかった者たちへ」は、10月1日(金)より全国公開。
©2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
配給:松竹
最新情報は、映画「護られなかった者たちへ」の公式サイトまで。