<試写室>「なんだか今回、最終回の雰囲気…」って安心しかけたところに、とてつもないブッコミが待ち受けている
1月4日(土)23時40分~『悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~』第5話
このドラマ、全然、安心できない!
前回、希望の光が射し込み、今回も終了する間際、48分55秒までは、癒しのエンドソングに乗せて「ああ、御子柴先生もこうやって徐々に救われていくんだ…」なんて、ほんのちょっと、見ているこっち側も浄化されていく…そんな心境になりかけてたのに、48分56秒から、全てをひっくり返すトラウマ映像がフラッシュバックします。
“元少年A”で“死体配達人”の過去を持つ主人公が、物語の面白さや演出、勢いに乗っかって浄化できるわけがないですよね…。だからみなさんは、最後の最後「なんだか今回、最終回の雰囲気…」って安心しかけたところに、とてつもないブッコミが待ち受けているので、チャンネルを変えるなんてもっての外、ラスト1秒までしっかりちゃんと御子柴先生を見届けてあげて下さい。

このラストのインパクトのせいで、ついつい今回の第5話“稲見元教官(勝野洋)の介護士殺害事件”が吹っ飛んじゃいましたが、これは『悪魔の弁護人』がとてつもない破壊力を持っているドラマだからであり、普通だったら今回の内容は、忘れるはずがない、濃密な法廷劇が繰り広げられているんですよ。
前回に明かされた“ブルーオーシャン号沈没事件”、稲見元教官の息子の死、そして老人ホーム「伯楽園」の入居者たちと、それぞれ無関係に思える点と点が繋がり決着を迎える展開は見事です。
ネタバレしないように、少しヒントをお伝えすると、稲見元教官の元妻を演じる赤座美代子さんをはじめ、個性豊かな伯楽園の入居者など、なぜご年配キャストをあんなにも味のある役者さんたちで揃えたのか?です。それはそれぞれにドラマが用意されているから…なのですが、そのドラマは本編を乞うご期待。また、御子柴先生は果たして“無罪”を勝ち取れるのか?そこにも普通の弁護士ドラマにはない含みを持たせた結末が待ち受けています。

そして、ネタバレ関係なく、前回から映像で普通に見せているのでこれは言っちゃっていいと思うんですが、殺害された介護士はとんでもない鬼畜です。第1章で視聴者全員が“死ねばいいのに”と思った“義父”レベルの鬼畜です。もうホントに殺されて当然だと思う奴なのに、このドラマを通じてだと、楽しんで終わり!と、エンターテインメントだけで昇華させてくれないんですよね。
終盤、御子柴先生と泉晶子さん演じる「伯楽園」の入居者が交わす会話と、稲見元教官が御子柴先生に向けて最後に一言投げかけるシーン、この一連の流れは今作のサブタイトルにある“贖罪”というテーマを改めて突き付けてきます。
とか言っときながら、ラストに全部が吹っ飛ぶんですから、このドラマ、全然安心できないんですよ。

そして、その後の次回予告も見逃せません。なんと御子柴先生の母親役で、あの女優さんが登場します。おそらくこのレビューが掲載される頃には、誰が演じるか?リリースされていることだと思いますが、最後の予告までドラマを楽しみたい!という筋金入りの『悪魔の弁護人』ファンの方は、関連のニュースは薄目でチェックして、誰が演じるか?を想像しながら次回予告を見た方が俄然楽しめます。
過去に少女を殺めてしまった少年の母は誰が演じると適役なのか…。こんなことをいうとその女優さんに対して大変失礼なのですが、すっごいベストキャスティング!!だってその女優さんしか考えられないんだもん!ヒントは僕が大好きな女優さんです!!それは知らんがな、ですが、往年のフジテレビドラマを支えた、あの女優さんです!!
来週も絶対見逃せない!!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)