探偵×医師の最強バディ再び 終わらぬ最期の事件!『シャーロック特別編』完全版
12月23日(月)21時放送『シャーロック特別編』
誉獅子雄(ディーン・フジオカ)が守谷壬三(大西信満)と海中へと没してから一週間が経過した。警察は二人の捜索を続けているが、まだ遺体は発見出来ない。
若宮潤一(岩田剛典)は獅子雄の死を受け入れられず、この場所を一人で訪ねている。そんな若宮に、声をかける女性がいた。ジャーナリストの門司かれん(木南晴香)だ。若宮は獅子雄の功績を後世に遺すために話を聞かせて欲しいとかれんに頼まれる。しかし、若宮は話す事はないと断った。

翌日、若宮は玄関の鍵が開く音で目を覚ます。もしや獅子雄ではと期待するが、入って来たのは管理人の波藤園美(かたせ梨乃)。園美は訪ねて来たかれんまで部屋に入れてしまう。かれんは報酬を支払うので、獅子雄の話を聞かせて欲しいともう一度若宮に頼む。
断ろうとする若宮に、かれんは報酬は家賃として園美に払ったと言う。若宮は獅子雄の功績を遺すと言われても、まだ死んだと決まったわけではないと告げるとかれんも同意。かれんは獅子雄に関わった人間の思いを一緒に調べようと誘う。
獅子雄を見つける手掛かりになるかもしれないとも言う。結局、若宮は獅子雄に助けられた人たち、かれんは裁かれた人たちに話を聞きに行く事になった。

まず、かれんが会いに行ったのは、医師である夫を強請っていた男を殺害した罪で拘置所に収監されている赤羽汀子(松本まりか)。汀子は夫をも自殺へと追いやっているが、反省はしていない。かれんが獅子雄が死んだかもしれないと話すと、汀子は殺されても不思議ではないだろうと鼻にもかけなかった。
若宮は河本美沙(岸井ゆきの)と再会。美沙は殺人容疑で連行された青木藍子(菅野美穂)の事務所で働いていた女性だ。美沙は藍子が逮捕された時に、獅子雄とともに笑っていたことの意味がわからなかったと言う。そして、美沙は獅子雄よりも若宮に助けてもらったと礼を述べた。

かれんが次に訪ねたのは、やはり殺人罪で収監中の石橋卓也(金子ノブアキ)だ。ボクシングジムの会長だった石橋は自分が育てた世界チャンピオンの梶山裕太(矢野聖人)に殺人の罪を着せようとした愚かさを獅子雄に気づかせてもらえたと感謝している。
その頃、若宮は梶山の息子だと判明した細谷潤(小林喜日)の元へ。潤はあの事件以来、獅子雄にも梶山にも会っていないと言う。その夜、若宮が部屋に帰ると木暮クミコ(山田真歩)が来た。クミコはかれんが自分の元へ取材に来たと話し、若宮の一味かもしれないと若宮に警告する。

自分が疑われてるとは知らないかれんは、息子の死体損壊及び遺棄罪で収監されている乾千沙子(若宮麻由美)を取材する。千沙子は獅子雄を自分が会った人物の中で、一番頭が良くて一番人の気持ちがわからない男だったと評した。するとかれんは、獅子雄には気持ちを完璧に理解されたのではないかと千沙子に尋ねる。
かれんが大切な息子と二人きりの世界を獅子雄に邪魔されるので許せなかったのではないかと続けると、千沙子は目を潤ませた。一方、若宮は千沙子の夫、貴久(古市慢太郎)と会っていた。貴久はパワハラで息子を自殺に追い込んだ者たちは許せないが、子離れ出来なかった千沙子もやりすぎたと語る。
かれんは医療法違反並びに死体遺棄で収監中の宇井宗司(和田正人)に獅子雄のことを聞く。だが、宇井は高遠母娘への恨みを訴え続け、獅子雄については答えようとしない。一方で、若宮は宇井の記憶操作にかかったフリをしていた高遠綾香(吉川愛)に会う。
家族からの愛を感じられずにいた綾香は、最初から自分のウソを見抜いてくれた獅子雄に助けられたと言う。だが、前を向いて歩いて行こうと思えたのは若宮のおかげだと感謝した。

若宮の部屋にかれんが来た。かれんは藍子に面会拒否されたと語り、今まで自分が会った人たちは全く反省をしていなかったと言う。最も獅子雄の目的は反省させることではなく真実の追求だとかれんが続けると、若宮はやけに詳しいと疑念の目を向けた。
若宮が守谷の一味ではないかと突きつけると、かれんは笑い出す。そして、かれんは自分と獅子雄の関係を若宮に語る。かつて、かれんは夫のDVに悩まされていた。警察に相談したが動いてくれず、別れようにも別れられない。
唯一、理解を示したのは夫の母だった。かれんは義母と自分の偽装殺人を計画。義母が殺害したことにして夫から逃れようとした。だが、警察は息子のかれんへのDVを訴える義母を信用せず、ただ殺人の罪だけで追いかけ始める。
そんな窮地を救ってくれたのが獅子雄だったのだ。かれんは獅子雄の功績を残したいのは本当で、生きている獅子雄に会ったら礼を言いたいと告げた。
その後、かれんは営利目的等略取及び誘拐罪で拘置中の長嶺加奈子(黒沢あすか)と面会。加奈子は獅子雄より、羽佐間虎夫(山城琉飛)の芝居にやられたと話す。加奈子に獅子雄への感謝の思いなどなく、金ももらったものだと罪への反省はかけらもない。
若宮は虎夫と会っていた。バイオリンを習い始めた虎夫は、若宮に手が足りない時は呼ぶよう獅子雄に伝えて欲しいと頼む。

続いてかれんは元ソムリエ、加藤茂(田邊和也)と面会する。加藤は最後の晩餐は何が食べたいかとかれんに聞く。かれんがいつも通りの質素な食事がしたいと答えると、加藤は事件の日もいつも通りに作ろうとしていたと言う。
しかし、身勝手に突然辞めると言い出した新井伸吾(郭智博)が許せずに殺してしまったと続けた。加藤は客たちの食事が終わるまで穏便に済ませようとしてくれたと獅子雄に感謝している。おかげで、自分も最後の晩餐を楽しめたと話す加藤だが、罪を償ったあとは料理の世界には戻れないと言う。
若宮は加藤が事件を起こした店のシェフ、古賀智志(大友康平)の話を聞いていた。奇しくも古賀も事件の日が最後の晩餐だったと話す。古賀は事件の日に料理の道をリタイヤするつもりだったのだ。だが、獅子雄のおかげで料理の世界で生きていこうと決意。
病気などで食事が摂れない人のために、食品サンプルを作る道に進もうとしていた。サンプルを見ながらゆっくりとワインを飲んでもらいたい。そう語る古賀は、大事なワインを供することが出来るソムリエを知っていると若宮に話した。

若宮が部屋にいると、かれんが来て疲労で倒れてしまう。かれんは殺人罪と地方公務員法違反で拘置されている市川利枝子(伊藤歩)と会って来たと若宮に話しだす。
かれんは利枝子に、獅子雄と守谷の現状をライオンとボス猿に例えて伝えた。かれんがボス猿、つまり守谷の行きそうなところを聞くと、利枝子は舌を出して揶揄しそのまま噛んだのだ。
そんな時、若宮に江藤礼二(佐々木蔵之介)から良いニュースと悪いニュースがあると電話が入る。

若宮はかれんとともに江藤に呼び出された遺体安置室へ。江藤は良いニュースとして、獅子雄と守谷の捜索が打ち切りになったことを若宮に教える。若宮は憤るのが、いつまでも期待してはいられないだろうと江藤は慰めた。
そして、悪いニュースとは…。獅子雄のコートが発見されたことだった。コートの中には、獅子雄から若宮へのメッセージカードが発見される。カードには、獅子雄が自分と守谷の死を予言した若宮への別れの言葉が綴られていた。


それから3年後…。若宮はコンサート会場で発生した事件現場にいた。若宮はまるで獅子雄のような格好で、蕩々と事件の謎を江藤とクミコに説いてゆく。
すると、傍で現場検証をしていた鑑識官が突然、若宮の言葉を遮って、事件の真相を語り始めた。なんと、獅子雄ではないか。自信に溢れる獅子雄の推理は、3年前と全く変わることはなかった。