<試写室>遠藤先生の過去を知っても、底知れなさは失われなくて、むしろ増大、逆に恐怖を覚える…っていう新感覚。
11月6日(土)23時40分~土ドラ『顔だけ先生』第5話
ああ、今回も、なんて素晴らしい物語!!!
…だったもんで、だからこそ?ドラマとさして関係のない僕の思い出話、させてください…。
今回第5話の脚本を担当した秋山(竜平)先生…、いや秋山くん…、いいや、アッキーとの出会いは、今から20年前…、20年前!!!??(自分で振り返っといてびっくりしている)僕が18歳、大学1年生、入学したての頃でした…。テレビドラマの何かしらに携わりたいという、具体的なんだか無計画なんだか、夢あるんだかないんだか、よくわからない目標を胸に、芸術学部の映像学科がある大学へ入学した僕…。大学デビューの手始めに“シナリオ研究会”なるところへ体験入会したのですが、テレビドラマはいっぱい見てきた!という謎の自負はあったものの、シナリオ自体は読んだことがない、ましてや書いたことなんてなかった僕は、“シナリオを研究する”ってことがどういうことなのか?全く意味がわからず、それ以降、出席することはありませんでした…。が、ある日、その後も“シナ研”へ通っていた友人からこんな報告が…「とんでもない脚本を書くやつらがいた」「うちの“シナ研”で研究するレベルじゃない脚本書いてた」「謎解きみたいな、すっごく入り組んだミステリー書いてた」「だけど、俺たちすげぇ脚本書くだろ?みたいな、いけ好かないやつらだった」…。最後の“いけ好かない”くだりは完全に妬み…、むしろここで書く必要のない情報ではありますが、しょーがないよね、そう思わせちゃったんだもの…。うん、まあ、そんな“とんでもない脚本を書くやつら”、の中に、後の“秋山先生”はいたのです…。で、その“とんでもない脚本を書くやつら”という情報を人づてに聞き、僕は、脚本家になるのだけはやめよう…と、心に誓ったのでした…。って、え、なんで?って?そりゃあ、すでにそんなスタートラインにいる“やつら”に勝てるわけがないと思ったんすよね…(意識低すぎただけ)。とはいっても、そのいけ好かない“やつら”の張本人がアッキーなのか、こまっしゃくれた脚本を書いたのはアッキーなのか、その辺、もう昔過ぎて定かではないのですが、だけど、ひとつだけ、確実に言えることは、大学入ったばかりの、18歳という若造で、何を研究してんだか全くわからん謎研究会に、いきなり自前のシナリオ持ち込んで、それが脚本家志望にありがちな“心象風景”とか“私小説”とかの代物ではなく、入り組んだミステリー書いて提出してくる…。そんな“やつ”は、いけ好かないとか言われても仕方がないよね!!!…じゃなかった、つい、アッキーだけじゃなく、触るものみな傷つけちゃったわ…。つまり、アッキーは僕にとって、最初っから脚本家エリート集団の一味として認識していた…っていう、そういうこと…、そういうことなんです(どういうこと)。だからね、僕なんぞが、ドラマをただただ楽しく、何の気なしに見てるだけの僕なんぞがね、脚本家エリート集団のアッキーと、お友達になれるだなんて、その時は思ってもみなかったって、そういう話…なんすよ…。
っとそんなこんなで、3年の時が経ち…(思いのほか前段が長くなったのでこっからぶっ飛ばします)。大学の卒業制作プレゼン(こんな映像作品を作りたいとかそういうプレゼン)で、ただただ僕の好みで『アフリカの夜』(1999年/フジテレビ。FODにあるよ)と『すいか』(2003年/日本テレビ)の関連性(群像劇とか、登場人物に指名手配犯がいるとか)を熱弁したところ、思いのほか何かしらの説得力がもたらされ、その企画が採用され(どの企画だよ)、僕は卒業制作のプロデューサーという立場に、アッキーは脚本を担当することになり、二人は交流を深めていきましたとさ…。(思い出話・完)
って、最後の方、思い出語るの、めんどくさくなってきちゃって、何が何だがよくわからなくなりましたが、とどのつまり、僕が言いたかったのは、秋山先生と、僕、お友達だお♡ってことです(結果5文字で終わる話)。で、“テレビドラマの何かしらに携わりたい”とかふんわりとした夢を持った18歳の青年が20年後、まさか、こんな“携わり方”をする大人になり、こまっしゃくれた脚本書いてた(かは定かじゃないけど)アッキーが、今では立派なプロの脚本家となり、その作品を僕が担当することになり、ただただ褒めまくる…っていう…奇跡…。え?なんだかそれって、いい感じの話そうだけど、相当気持ち悪くない?マッチポンプか!!っていう、うん、そういうことなわけです(どういうこと)。
っというわけで(急に舵切ります)、『顔だけ先生』第5話、今回も素晴らしい完成度でしたよ!!秋山先生!ブラボッ!!!っていうか、むしろ、アッキーが書いてなかったら、もっと感情移入して、心に沁みてたくらいだったわ…。だって、いちいち、これ…アッキーが書いてるんだわ…、いいセリフじゃん、素敵展開やん…あぁ、うまくまとめたわーなんつって、邪念、なきにしもあらずだったもの…。いや、だけどね、物語に没頭できなかったとか、そういうんじゃないんよ?物語に没頭してても、やっぱ、アッキーは、僕の頭の中にどうしてもチラついちゃう…。そんぐらい、アッキーとの友情は、深め、ってそういう…ことやん?♡(気持ち悪い)

で、気を取り直して今回のあらすじ…。遠藤先生(神尾楓珠)の“銃撃動画”が拡散し学園中の噂となり、“●にたい(●=塗りつぶされてる)”…“死にたい”!?というSOSメッセージが発見され、その筆跡で浮かび上がった3人の生徒…、そこへ遠藤先生の知られざる過去が明らかとなる…という物語。…なんだけど、これらの要素、前回の予告で見た時、嫌な予感したんすよね…。だって、そもそも、遠藤先生の“銃撃動画”=「え?人殺しだったの!?」ってのがさ、そんなわきゃないしさ、“動画”が“拡散する”ってのがもうね、辟易だもんね。そんなわきゃないものが、拡散されて、大騒動ってさ、茶番じゃん。で、そういう大げさな演出、見飽きてるじゃん。でもって、“●にたい”っていうSOSメッセージもさ、キャッチーではあるけどさ、きっと“●=死”ではない、くだらないオチ待ってんだろ?って想像しちゃうじゃん?、で、“浮かび上がる3人の生徒”ってさ、このドラマ、犯人捜しとか、そういうドラマじゃないやん?で、トドメが “遠藤先生の過去”だよ?ミステリアスな主人公のドラマにおいて、主人公の過去ってのは最もいらない描写じゃん。ご法度じゃん。ミステリアスの内訳教えてどうすんの?ってことじゃん。視聴者に想像の余地、残せやってのがミステリアス主人公の鉄則じゃん。でもってしかも、その“主人公の過去”エピソードを、1話から担当してるわけじゃない、第5話初登場の、ポッと出のアッキーが書くわけじゃん?もうね、取って付けてる感、出るやん?絶対出るやん!?アッキーがぶち壊すやん!?…って、そう、思ってたわけですよ…。(『顔だけ先生』スタッフにも、アッキーにも失礼すぎる)いやー、だけど、まあ、それを、見事、全て、ひっくり返していただきました!!秋山先生!ブラボッ!!!(2回目)

ポッと出のアッキーが書いたとは思えない(ポっと出、言いたい)、いつもの『顔だけ先生』の視聴後感ですよ!!奇想天外な展開で、ドラマを楽しく見ていたはずなのに、最後ちゃーんと考えさせてくれる…んだけど、そこに押し付けがない…だから、視聴後感が、めっちゃくちゃ爽やかなの。今回は“生死の問題”…“死ぬという言葉を簡単に使うなよ(by金八)”的なストーリーだってのに、こうも説教くさくない話にできるかっていうくらい、爽やかで素敵なお話に仕上がっています。

またさっき挙げた心配要素、全て、もれなく、見事にひっくり返してくれるんだけど、特に、心配だった“遠藤先生の過去”よね。それに関しては、過去をはぐらかすでもなく、ちゃんと真正面から描いてはいるんだけど、これまでの遠藤先生像を全く壊すことなく、ミステリアスな主人公には不必要な“生々しさ”もある…はあるんだけど、その過去、生々しさに触れても、遠藤先生のミステリアスや、底知れなさは失われなくって、むしろ増大して、逆に恐怖を覚える…っていう、新感覚。そこが凄い。

そいでまた、これまで、第4話まで、見てきたお話を、さりげなーく、今回のお話に散りばめてあって、連続ドラマとしての面白さが今回は特に加味されてるのです…。って、え?それを見越して?!今ならなんと!11月13日まで、第1話から一挙無料放送ですってよ!!見てない人は必ず、第1話から通して、第5話を見て!!
アッキー!!僕、やったよ!!アッキーのおかげで、いい感じに、一挙無料放送の告知まで入れられたよ!!僕、成長したね!!!
っというわけで内輪過ぎて、褒めすぎて、気持ち悪くなっちゃったので、気になったとこ2個挙げとく。冒頭の亀高先生(貫地谷しほり)と早坂先生(三浦涼介)の“ラチャ様”のくだり…あれはちょっと説明セリフだったよね…。地味にセリフも長いから、早坂先生、言い難そうだったしね…。そこ、まず、マイナスな!!あと、終盤の遠藤先生の屋上の“紅茶”だけど、今回、謎解き要素も入れたから、『相棒』オマージュの、右京さんの“紅茶”っていう、そういうこと、の、“紅茶”、だよね?(多分違う)ちょっと、それは、わかりにくいんでないかなー??うん、ま、だから、その2個だけ、マイナス、挙げとくわ!!(最終的に偉そう)
