北村匠海 自身と近しい役どころに「人生を覗かれていたんじゃないか」
11月14日(日)、映画「明け方の若者たち」のプレミア上映会舞台挨拶に、北村匠海、井上祐貴、原作のカツセマサヒコ、松本花奈監督が登壇した。

本作で、主人公の“僕”を演じた北村は、「カツセさんに、『自分の人生を覗かれていたんじゃないか』と思うくらいに、出てくる場所や音楽が自分の過去の思い出に寄り添っていた」とコメント。
具体的には、「下北沢や主題歌を担当してくれた、マカえん(マカロニえんぴつ)の皆さんだったり、個人的にもつながりのある人たちや若者が関わってできた映画なので、不思議でした」と説明。
続けて、「当時を思い出すと、雨のパレードの『東京』という曲とか、My Hair is Badの『真赤』なんて曲には、僕も行ってた下北沢のライブハウスの名前が出てきたり。映画に出てくる音楽や自分が過去に聞いていた音楽に(思い出があり)、あのとき味わった、社会に出て絶望する感じや、それでもなんとか毎日キラキラ生きてやろうと模索してた、あの時代を思い出しました」としみじみ語った。

北村自身とも重なったという“僕”という役について、「僕に近しいところもあったので、監督とは、(台本を読んで)『これ、僕もう芝居しないですから』と伝えるところから始まりました。今を生きる若者の皆さんに届かせるためには、芝居という枠ではなく、ドキュメンタリーに近い感じで、描かれてる心情を、リアルに体感して感じたものを言葉にしてみようと思い取り組みました」と、北村から提案したことを明かした。
“僕”を支える友人・尚人を演じた井上は、「『とにかくカッコ良くいよう』としました。(生きていく中で)上手くいかないこともあると思うんですが、弱さを人に見せたくない人間なのかなと思って。強がってカッコ良くみせたりする部分を意識しました」と語った。

“僕”を演じた北村について松本監督は、「“僕”は自然体でいこうという話だったので、撮影しながら『芝居なのか?素なのか?』と分からなくなる瞬間がたくさんありました」と振り返った。
また井上については「細かい努力をたくさんされる方だなと思って。歌うシーンもたくさん練習なさってました」と称賛すると、北村は「バッティングセンターのシーンもあるんですけど、1ヵ月くらい練習してた」と微笑みながらぽつり。

井上は「本当に打てなくて(笑)。台本見たときに『自分のせいで撮影が止まったらどうしよう』と寒気がして(一生懸命練習した)」と当時を振り返ると、カツセは「すごくスイングがキレイで。(野球を)やってたのかと思った」と褒めていた。
<ストーリー>
東京・明大前で開かれた学生最後の退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。
下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり…。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生″に打ちのめされていく。息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現実。夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。でも僕は最初からわかっていた。
いつか、この時間に終わりがくることを…。
映画「明け方の若者たち」は、12月31日(金)より全国で公開。
配給:パルコ
©️カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会
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最新情報は、映画「明け方の若者たち」公式サイトまで。