阿部華也子『顔だけ先生』クランクアップで涙!「まったくそんなつもりじゃなかったのに、あふれ出てきてしまいました」
毎週(月)~(金)5時25分~8時『めざましテレビ』
フジテレビ『めざましテレビ』のお天気キャスターを務めている阿部華也子。わかりやすい情報読みと明るくさわやかな笑顔が人気で、公式YouTubeチャンネル「かやちゃんねる」も好評。さらに、現在は土ドラ『顔だけ先生』にも出演。その自然体な演技が評判となっている。
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<阿部華也子 インタビュー>

――土ドラ『顔だけ先生』の撮影がクランクアップを迎え、涙、涙だったそうですね?
そうなんです。(神尾)楓珠くんが花束を持ってきてくれて「お疲れさまでした」と言ってくれて。まったくそんなつもりじゃなかったんですけど、涙があふれ出てきてしまいました。貫地谷(しほり)さんも、八嶋(智人)さんもいたんですけど、私が泣き始めたら、みんな「お!」みたいな感じで(笑)。楓珠くんは「そういうタイプじゃないじゃん」って、「そうなんだけど、ホッとしちゃって」と。
これで終わりだという寂しさと、ホッとしたという意味での涙だったと思います。初めての女優のお仕事で、かなり緊張していましたし、プレッシャーもありましたから。私にできるのか、ずっと手探りの状態だったので、心がかなりふわっと軽くなった感じがありました。

——阿部さんのナチュラルな演技が評判になっていましたね。
どうなんでしょうか…私自身は、そういったものをなるべく見ないようにしていたので。本当にキャストの方、スタッフのみなさんに恵まれた現場だったなと思います。
次があるかどうかはわからないですけど、「初めての現場が、こんなに恵まれていて大丈夫なんだろうか?」というくらい、みなさん、温かくて面白い人ばかり。本当に恵まれていた、それに尽きると思います。

——撮影を振り返って一番の思い出は?
すべてですね。現場で経験したすべてのことが、いい思い出になりました。みなさんからの差し入れも毎回楽しみでしたし(笑)、キャストやスタッフのみなさんのやさしさ、温かさ、面白さ…。
面白さでいえば、八嶋さんはアドリブだらけの方。ト書きに何も書いてないのに、なぜかアンミカさんのモノマネでやって、それがオッケーになってしまう人。毎回、現場に行くと爆笑して、疲れて帰るんです(笑)。とにかく、よく笑ったなというのが思い出ですね。八嶋さんは、ドラマの中でもかなり喋ってますけど、オフのときはあれ以上です。ご本人も「俺、しゃべってないと死んじゃうんだよね」とおっしゃっていました(笑)。
——フジテレビュー!!が密着したときも、みなさんつきっきりで…。
<阿部華也子「めちゃくちゃ難しい」芝居で苦戦するも、八嶋智人&貫地谷しほりが全力サポート!>
みなさん、私が「困ってる」と言わなくても、私の様子を見て、あれくらい親身になってくださるんです。自分たちが休憩できる時間であっても、みんなで助けてくれる。
あの、アンケート用紙をまき散らしてしまうシーン(第5話)は、みなさんのおかげで本番できれいに決めることができました。本当に感謝しています。

――『顔だけ先生』の現場で学んだことは?
クランクイン前は、お芝居ってどうやってやるんだろうという感じでしたから。今回やらせていただいて、「キャッチボールなんだな」というのは強く感じました。
私は必死にセリフを覚えて、なんとなくこんなふうにセリフを言おうと決めて現場に行く。でも、それだけではダメで、相手がどういうふうにしゃべって、それを受けて、どういうふうに言葉が出てくるのか、ということなんだなって。
だから、本当に生ものだし、現場に行ってやってみないとわからないことが多いと知りました。貫地谷さんを見ていても、相手のお芝居によっては、「言葉が出てきにくい」ということで、監督と相談してその場でセリフが変わることも。そんなふうに、ひとつひとつ勉強になることばかりでした。
私のセリフは、そんなに難しいものはなかったですけど、それでも監督やキャストのみなさんとのやり取りの中でセリフが変わることもありました。

——ドラマの評価も高いようですね。
周囲の反応を見ていても、特に大人の方に響くドラマなのかもしれないですね。私も、ドラマを見ていて、もう高校生の考えることや気持ちが理解できなくなってしまっている部分があるなと。理由もないのに死にたくなるとか、「ああ、こういうふうに感じるんだな」というのが、私の考えの中にはないことだったりして。
確かに、子どもに対して、どう大人が対処していいかってわからないことってありますよね。大人になるにつれ、どんどん子どもの気持ちがわからなくなっていくんだなと。でも、それがちゃんとリアルに見えるし、ちょうどあれくらいの年代のお子さんがいる親御さんには、ぜひ見ていただきたいなと思います。
親がどう対処するが正解なのか悩んでいる方も多いと思うので、遠藤先生(神尾楓珠)みたいになれというのは難しいかもしれないですけど、理解への助けにはなるかもしれないですね。

――“顔だけ先生”こと遠藤先生を演じる神尾さんの印象は?
楓珠くんは、セリフがいつも完璧に入っているんです。私は、台本が手放せないですし、少ししかセリフがなくても、ほかのみなさんの足を引っ張らないようにと、直前まで確認したいタイプなんですけど。そういう姿は一切見ないので、すごいなと思います。「台本捨てたのかな?」と思うくらい(笑)。
——プロデューサーも、神尾さんのすごさを語っていました。
<プロデューサーが語る“顔だけじゃない”神尾楓珠 台本が渡らなかったハプニングにも「10分ください」とだけ言って…>
楓珠くんにだけ準備稿がいってしまっていて、当日、その場で決定稿を覚えたんですよね。あれは驚異的でした。10分であの長セリフを覚えるなんて…私くらいセリフが少なくても苦労するのに。
あの場面でもそうですけど、あの若さで、あらゆる場面で主演、座長としての責任感を見せ、ふるまい、現場を引っ張ってくれていました。何度も「やっぱり違うな」と思いましたし、本当にプロフェッショナルだと思います。

——前回も聞きましたが、クランクアップを迎えた今、もしまた女優のお仕事がきたら、やってみたいと思いますか?
「私でよければ、ぜひ」というのは、前回と変わらないんですけれど、やはりあれだけ素敵な現場を経験できたということが、またやってみたいという気持ちにつながっているような気がします。実際にオファーがあるかどうかは、また別の話ですが(笑)。
——最終回に向けて、阿部さん演じる、小畑友理佳(おばた・ゆりか)先生に変化はあるのでしょうか?
お菓子をお昼ごはんにしたり、舌打ちしたり、遠藤先生に感化されて、だいぶ自分を出すようになってきている小畑先生ですが、そうですね…言えるところと、言えないところがあります(笑)。
遠藤先生のセリフは本当に響くし、大人になって責任とかいろいろありますけど、あんなふうに生きてもいいんじゃないかって思いますよね。

――『めざましテレビ』と『顔だけ先生』の両立は大変だったと思いますが、これで一息つけそうですか?
そうですね。遅ればせながら、やっと衣替えもできまして、先日は今年初鍋をしました。鶏を使った白湯鍋を作って、おいしくいただいて、クランクアップ後、少し整った感じです。
この3ヵ月は本当に睡眠時間との戦いで、3日連続で寝られないということもありました。もう治ったんですけど、口内炎が6つもできたり。最終盤は、1週間で3話分撮らなければいけなかったので、どことどこがつながっているのかとか、自分が今どの回のどのシーンを撮っているのか、わからなくもなっていました。
でも、これ以上に忙しいことは、しばらくないでしょうし、自分でこれだけのものを抱えられるんだというのもわかりました。ハードなスケジュールの中、現場でピリッとする人もいませんでしたし、そういう現場だったからこそ乗り越えられたような気がします。
――それでは最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします!
おかげさまで、この秋は『めざましテレビ』と『顔だけ先生』で忙しくさせていただいて、なんとかドラマの撮影を終えることができました。
『顔だけ先生』の最終回となる第11話は、台本を読んだときに泣いてしまって、本当に感動できるエピソードになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
そして、いよいよ冬支度、体調管理も火の元も、注意してお過ごしください。

<今月のイラスト>
