
<試写室>メインで描かれていない生徒たち…という誰も触れてこなかった領域に果敢に挑戦し、見事に描ききっている!!
12月18日(土)23時40分~『顔だけ先生』最終話
最終回、最後の最後、オチまで含めて、とんでもなく素晴らしいドラマでした!!
っというわけで、毎回毎回、この<試写室>では「素晴らしい!」しか言ってなかった気がするので、せっかくの最終回、最後くらい、まじめに(今まで何だったの)、『顔だけ先生』の、何が、一体、素晴らしかったのか?を、きちんと、まとめておきたいと思います。
“これまでになかった学園ドラマ”だから素晴らしい!
まずこの『顔だけ先生』、あらすじをざっくり説明すると…、主人公である常識はずれな教師が、生徒たちの抱える問題を次々解決していく…という学園ドラマ…。うん、ざっくりまとめすぎだけど、間違ってはないはず。で、このあらすじ、“常識はずれな教師”って、「学園ドラマ」と言えばこれ!っていう、もう散々、長年に渡り、こすり倒してきた、お馴染みの設定ですよね。だけど、まあ、それが、“常識はずれ”ではあるんだけど、これまでとは全然違う…ってのが『顔だけ先生』なんです。熱血でもなければ、冷酷でもなく、常識はずれなふりしてるだけで実は生徒を導く常識人…とかそういうカモフラージュ的な“常識はずれ”でもない。マジで、ホントの、常識はずれ、なんです。だって、突然びしょ濡れで職員室に現れるし、理科準備室に住んでるし(まだそうですよね?)、極めつけ、歌舞伎の隈取メイクで授業始めるんですからね?…つまり、自由に、好きに、自分が楽しく生きることをモットーにしているのが、主人公の“顔だけ先生”=遠藤先生(神尾楓珠)なのです。

そして、だからこそ、今を生きる生徒たち…偽物をすぐに嘘と見抜いてしまう生徒たちだからこそ、支持され、感化され、彼らの問題がいつの間にか解決されている…そんなドラマ…なのです。ね?なんだか新しい教師像、新しい学園ドラマって気がしませんか?
で、この『顔だけ先生』、何より素晴らしいのは、その、主人公の“常識はずれ”ってのが、決して“特別な人間”として描かれているわけではない…ってこと。ちゃんと、その“常識はずれ”になった理由も中盤のストーリーで描かれているから素晴らしいのです。通常そういった、“常識はずれ”、特異なキャラって、その“理由”を描いちゃうと、さめちゃう…っていうか、想像の余地を残してほしいから、視聴者はあまり知りたくない…、蛇足(だそく)なことが多いですよね。だけどね、その“理由”があることで、より主人公が自分と近い存在に思える…。遠藤先生の“人間らしさ”になる…。だから、さらにドラマへ没入できる…のです。

“奇想天外なストーリー展開”が素晴らしい!
このドラマ、とにかく、お話の展開が奇想天外で見逃せません。例えば、特に奇想天外だったのは、さっきも言及した、前回の第10話…突然、主人公が、隈取メイクで現れる!という奇想天外。これ、マジで、わけがわからなさすぎるんだけど、そっから、ちゃーんと、隈取とは?という説明あり、主人公が隈取メイクをした理由あり、それに影響を受けてしまった生徒あり、だけどその裏には…って、そんなとこまで、“奇想天外”をきっかけに、どんどん、ドラマが転がっていくのです。“奇想天外”な導入部は、決して視聴者の目を引くためだけではなく、しっかり物語の肝になってる…、どころか、それこそがドラマ全体の核心をつくものにまでなってる…っていう。そんなとてつない壮大さ、奥深さが、このドラマにはあるのです。
“連続ドラマ”として素晴らしい!
このドラマの素晴らしさは、すべての回を通して見ないと…語れるものではありません。通常、学園ドラマって1話完結で、一度メインで登場したキャラクターはそれ以降物語に絡むことは少ない…ですよね。で、この『顔だけ先生』も、基本、そうではあるんだけど。メインを務めた生徒が再び登場してキーマンとなったり、毎話エッセンス程度だった生徒が終盤メインエピソードを担い、それまでの変遷を知るからこそ、より深みが出たり…と、とにかく、全体を通して、生徒たちを描いていく、尚且つ、良い部分も悪い部分も丁寧に丁寧に描いていく…だから、どの回も見逃せない作りになっているんです。そしてそれは生徒だけではなく、先生たちもそうで、学園ドラマにおける主人公以外の先生は、飾りだったり、画一的なキャラとして、“ただいる”だけじゃないですか。だけど、先生たちも各話ごとに成長し、成功もすれば失敗もする…このドラマは、“そこでちゃんと生きている”人物しか、登場しない、まさに“連続ドラマ”、になっているんです。
演じる“役者さんが”素晴らしい!
もうこれ、いわずもがな、当たり前…ではあるんだけれど、ホントに、演じている役者さん、全員が、素晴らしいの!!生徒も先生も、誰一人無駄なキャラ、合ってないキャラってのがいないのです。
まずは、バディとなる亀高先生演じる貫地谷しほりさん。常識はずれな主人公とバディになる、つまり視聴者目線を担うキャラって、正論しか言わないし、ツッコミ役でもあるから、単調でつまらない…もしくは、流れを止めかねない鬱陶しいキャラになりがち…。だけど、亀高先生、主人公の“非常識”を頭ごなしに否定しないし、良識もあるし、ツッコミが抜群にうまいし、何より、誰より、ちゃんと生徒と真剣に向き合っている…だから、主人公のバディとして、先生として、人として、愛おしくなるのです。で、この亀高先生、主人公とのラブ…?…あるかも…?って、やや匂わせるんだけど、これも、普通、“いらない”じゃないですか?だって、学園ドラマなんだもの。だけどね、主人公と亀高先生のやりとりは、ラブコメのそれに匹敵する軽妙さ、おかしさで、そして、回を追うごとに、主人公に足りないもの…、亀高先生に足りないもの…それらをお互いに埋められる存在…になってくもんだから、どうにか結ばれてほしい!と、心から思っちゃうんです。で、これこそ、キャラ造形の成功、役者さんが素晴らしいからこそ!!…ですよね…。


で、これは、個人的好みが相当入ってんだけど、ドラマ初出演だってのに、『めざましテレビ』のお天気キャスター、かやちゃん(阿部華也子)も素晴らしいの!!初々しさがありつつ、だけどすっごく器用で、個性豊かな役者陣の中に混じっていても軽妙な掛け合いができている…かやちゃんの、女優としての、ポテンシャル…半端じゃない!!!僕の心のメモに、かやちゃんは、きっといい女優さんになる…ってこと、書き留めておきます…。
うん、なんだか気持ち悪い感じになっちゃったけど、そんなことよりも、このドラマの主人公、遠藤先生を演じた神尾楓珠さんが、何より、本当に、素晴らしいんですよ。あんな、ダントツ、顔面かっこいい!!でもって若い…から、ちっとも先生に見えない…ってのを、見事、逆手にとっていて、新しい教師像をしっかり作り上げているし、尚且つ、ひょうひょうとしていて、軽い…ような気がするんだけど、神尾さんから感じられる“影”が、遠藤先生というキャラにちゃんと紛れていて、そのことで、軽やかなセリフが軽くなりすぎない…説教臭いセリフも重苦しく感じさせない…どれだけ“常識はずれ”でも“人間らしさ”を失わない…そんな、難しすぎる遠藤先生というキャラクターを、どこまでも自然に演じているのです…。凄い…。
そして“最終回が”素晴らしい!
もうこの最終回、取り上げるテーマが、今まで以上に、とてつもなくエッジが効いてて、素晴らしい!!!のです。これまでの学園ドラマにあった、メインで描かれていない生徒たちの人格は…という、誰も触れてこなかったタブーとも言える領域に果敢に挑戦し、そして、それを見事に描ききっています。メインで描かれない生徒…それは、つまり、光の当たらない、僕ら視聴者でもあるわけで、そんな生徒=僕らにだって、誰だって、見方を変えれば、人生はドラマティックになる!!ってことを、この最終回で、教えてくれる…のです…。

とにかく、全11話、最後の最後まで、全部、欠かさず見てきてよかった!!って思える最終回!お楽しみに!!

って、散々、これまで『顔だけ先生』を見たことない方向けの、<試写室>になっちゃいましたが、うん、そうです!このドラマ、できれば、いや、絶対、ちゃーんと、1話から最後まで通して見てください!!そうじゃないと、この『顔だけ先生』の面白さ、驚き、感動、余すことなく感じられないから!!こんな素晴らしいドラマ体験、そうそう、出来ないから!!だから、どうか、まだ見たことないって、みなさん!ぜひ、リアルタイムに間に合うように!!最初っから、ご覧ください!!FODに集合な!!(FODの回し者じゃねーか)

そして最後の最後、急ですが、業務連絡です。
このドラマの後藤(勝利)プロデューサー!!うちの、秋山(竜平)、いい本書くんで!!(※脚本家である秋山竜平先生は、5話と9話を担当。そして僕の友人)これからも、ぜひ、「土ドラ」に呼んでください!!!よろしくお願いします!!!(最終的に、秋山先生の回し者)