「毎回、無で役を取り込む」富田望生の役作りに古市憲寿「疲れちゃわない?」
12月16日(木)放送『めざまし8』「エンタメ社会学」
「今やっている作品が遺作になってもいい」と語る女優・富田望生。21歳にしてバイプレーヤーとして活躍する富田の素顔に、社会学者の古市憲寿が迫った。
12月16日(木)放送のフジテレビ『めざまし8』の「古市憲寿のエンタメ社会学」では、どんな個性的な役でも全力で演じ切り、多くの作品に引っ張りだこの富田をゲストに招いて放送。古市が、“憑依型”と評される富田の役作りの秘訣や素顔を解き明かしていく。
「その役がしていそうな生活を、自分自身に投影しながら生きる」

現在21歳の富田は福島県いわき市出身。2011年の東日本大震災を機に母親と上京後、「離れた友達が見てくれるかな」という思いで自ら俳優オーディションに応募。デビュー作の映画「ソロモンの偽証」(2015年)では体重を15キロ増やし、ドラマ『教場』(2020年)では警察学校の生徒役を演じるために役柄に見合った運動量こなす生活をするなど、徹底した役作りをするという。
富田:もともと、演じている役を家庭にも持ち込みやすいタイプです。プライベートの時間で同級生と会うことによって、本来の自分自身に戻る時間を大事にできてるかなと思います。
古市:じゃあ、映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(2018年)で演じた感じの悪いコギャルの高校生役のときは、家で大変だったんですか?
富田:口が悪くなってしまうんですよね。話し方も早いし、声も大きいし。母親にも、「ちょっとなんか最近お口悪いですね」みたいなことを言われたりして…「もう許してよ!」みたいに言って(笑)。
古市:でも、役が終わると、もう「す~っ」と抜けちゃう?
富田:そうですね、1回ズンと落ちて、失恋したような気分になって。キャストやスタッフの皆さんと離れた寂しさみたいなのを、家で「う~っ」と大泣きしながらスッキリするみたいな。
古市:大泣きするんですか?毎回?役と別れる度に?
富田:はい…面倒くさいですよね(笑)。

全力で役と向き合う富田は、演じる役によって体型や運動量の調整、生活環境におよぶまで徹底的な役作りに挑むという。
古市:体型ってそんな簡単に変えられるんですか?
富田:意識的に難しいときはありました。特に「運動量がある役なのに、ポッチャリしていてほしい」という両極端な役だと大変だなと。
古市:(役によって増減を繰り返すから)むしろ痩せやすいですか?
富田:普通の生活に戻ると、ちょっとずつ、ちょっとずつ落ちてくることもあるので。ドラマ『教場』(2020年)では、警察学校の生徒役だったので運動量を増やしたり。その役がしていそうな生活を自分自身に投影しながら、生きているみたいな感じですね。
古市:その役を思い浮かべて、その人がしそうなことを日常でもする。
富田:なので、役の名前から大事にしてます。「どうしてこういう役名になったんだろう?」という、由来をまず調べ、親がどんな気持ちで彼女を産み、どんな気持ちで育ってほしいと願ったのか、果たして恋はしてきたのだろうかとか。
古市:脚本家はそこまで考えてないと思うんですけれど。そんなにいちいち考えているのかな?僕が小説を書くときは、名前はその時代に1番名付けられた名前ランキングとかから勝手に適当につけるだけなので。脚本家も意外と適当なんじゃないかなと思いますけれど。
富田:(笑)。
1 2