『ミステリと言う勿れ』ダジャレ好き担当者が語る番組グッズ制作の裏側!ポイントは「世界観をどれだけ出せるか」
商品のほとんどは、自分の“好き”から生まれる
──ドラマに関するグッズ制作の流れを教えてください。
それぞれの担当によって、やり方はあると思うのですが、私はまず台本を読んで、キーワードをいくつか見つけます。今回の『ミステリと言う勿れ』であれば、「カレー」がキーワード(※)の一つだと思ったので、カレーにまつわるグッズを作ろうと決めて、作ってくださるところを探すという制作パターンです。
※主人公・久能整(菅田将暉)はカレーをこよなく愛する大学生
作品によっては、「こんなものを作って欲しい」「こんなのあったらいいじゃん」という意見を番組側からもらうこともあります。その意見には極力応えられるように、作れるところを探したり、いつも商品化をお願いしているメーカーさんに「こういった作品なのですが…」と相談しています。
──ご自身のアイデアから生まれたグッズはありますか?
もちろんあります!基本的に私は「自分がほしいもの」を作っていますので(笑)。
あと、アイデアと言えば、ネーミングは得意なほうかもしれません。「劇場版 ルパンの娘」で制作したアルコールジェルは、主人公の華(深田恭子)ら“Lの一族”が泥棒ということで「Lの一族は“菌”を盗みます」という意味を込めて、「菌」と「金」をかけて作りました。ダジャレ好きなので、ダジャレから生まれた商品が結構あります(笑)。

ダジャレからだけではなく、例えば、レジ袋が有料化されたときにエコバッグを作ったり、今の時代はマスクケースに需要があるなと思って作ったり。クリアファイルなど定番のものを作りつつ、時代背景に合ったものを織り混ぜて、その時に「あったらいいな」と思うものを作るように心がけています。
──現在担当している『ミステリと言う勿れ』の中で、ご自身がほしいと思って作った商品はありますか?
「ミステリと言うなカレー」ですね(笑)。あとは、絶賛制作中の「ミステリと言う勿れ 台詞かるた」です。本作は、自身の見解を述べるだけで事件を解決してしまうドラマなのですが、菅田将暉さん演じる久能整の発するセリフが本当にステキで面白いので、「セリフかるた」を作りました。セリフに合わせて場面写真を使うことができるので、「これは作りたい!」と。
ただ、実は動き始めてから後悔していることもあって…。“ぬ”や“ん”から始まるセリフがなかなか見つからなかったんです。何度も台本を読んで、同僚のみんなにも探してもらって、“あ”から”ん”までなんとか絞り出しました(笑)。

──劇中に商品を入れ込む、ということもあるそうですね。
番組プロデューサーと連絡を取り合う中で、可能であれば商品を劇中で使ってもらうようにしています。本作では整が使うマグカップをドラマの撮影に入る前から、仕込むことができないかと相談していました。番組内で取り上げてもらうことで、視聴者の方により手にとってもらいやすいものになっているのではないかと思います。


整のカレーを忠実再現「ミステリというなカレーパイ」
──ミスタードーナツとのコラボも発表されましたね。
本作では、いろいろな会社とタイアップしたいと思っていたのですが、ミスタードーナツは菅田さんがCMに出演されているので、何かできないかと探っていたんです。
打ち合わせの際に、菅田さんがパッケージになっているテイクアウトボックスを見て、「ここに『ミステリと言う勿れ』のポスタービジュアルがプリントされたらいいよね」というアイデアが出たり、カレーのオリジナル商品が作れないかなどとご相談させていただきました。

ミスタードーナツの担当者の方が「どんなカレーなんですか?」と細かく聞いてくださり、台本を読み極力作品に寄せた商品になるように試行錯誤していただいて。劇中、整が作ったカレーに「コロッケを乗せようか」「メンチにしようか」という場面があるので、最終的に出来上がった商品は、カレーパイの中に丸ごとコロッケが入っているものと、丸ごとメンチが入っている「ミステリと言うなカレーパイ」になりました。
──お味はいかがでしたか?
パイがすごくサクサクで、おいしかったです!私はコロッケ派です。
──本作で、今後やってみたい展開はありますか?
今となっては、「あれもやりたかったな」「こういった展開もあったな」と思うこともありますが、今回は本当にたくさんやりたかったことが実現できたので、満足しています!