大泉洋 三谷幸喜作品の出演者として呼ばれるも、三谷に「まだ決めてない」と言われ…
「PARCO劇場お披露目＆オープニング・シリーズ記者会見」が1月15日（水）に同所で開催され、豪華キャスト＆演出家＆脚本家が顔をそろえた。
PARCO劇場は、渋谷PARCO建て替えのために2016年夏から休館。今月24日（金）よりこけら落とし公演「志の輔らくご～PARCO劇場こけら落とし～」、2月12日（水）から「ラヴ・レターズ～こけら落としスペシャル～」に続き、3月13日（金）～来年5月上旬まで、オープニング・シリーズとして全14作品を上演する。
3月13日（金）～4月20日（月）「ピサロ」からは渡辺謙＆宮沢氷魚が登壇。渡辺は「演劇の1も2もわからない時に、唐十郎作・蜷川幸雄演出の『下谷万年町物語』でこの劇場に立たせていただきました」と振り返り、「この劇場は僕にとっても、僕の演劇人生にとってもエポックになる。椅子の一つ一つに命を吹き込むため、とにかく僕たちは万全の準備をして初日を迎えたい」と気合たっぷりで意気込みを。
宮沢氷魚は「僕が初めてPARCOプロデュースの作品に出演したのが2018年の『豊饒の海』という作品で、東出昌大さんと共演し、昨年はドラマで杏さんと共演。2020年は本丸の謙さんとご一緒できるということでこんな光栄なことはありません」と“渡辺家”との縁を説明し、「プレッシャーはありますけど、それを楽しみつつ、他のキャストの皆さんと作品に体当たりで向き合いたい」と意欲を語った。
5月13日（水）～6月7日（日）「佐渡島他吉の生涯」からは演出の森新太郎氏と、キャストの石田明（NON STYLE）が登場。石田は「今日、登壇する出演者としてのスケールダウンがいかつい（甚だしい）と、皆さんは感じているでしょう」と笑わせ、「今日は僕のことを（主演の）佐々木蔵之介さんだと思って見ていただけるとありがたい。新生PARCOの顔に泥を塗らないように、頑張っていきたいと思います」と緊張気味にあいさつした。
大泉洋、三谷幸喜の公開オーディション戦々恐々！？
「三谷幸喜 三作品三ヶ月公演」の作・演出を手掛ける三谷幸喜氏は、「新しくできたPARCO劇場のシステムについてお伝えします」と前置きし、「まず皆さんが座っていらっしゃる椅子なんですが、すべての座席にミクロン線が張られ、本番中に携帯電話を鳴らした瞬間、8万ボルトの電流が流れます」と脅しを。
続けて「後方に3つレーザー銃がセットされており、これは招待されているにもかかわらず、本番中に寝てしまったマスコミ関係者を狙い撃ちするようにできています。緞帳は、必要のないカーテンコールが3回以上続いた場合、自動的に降りてくるシステムになっております」とブラックジョークをふんだんに織り交ぜて予告した。
さらに、「関係者の皆様にうれしいニュースがあります。もうホン（脚本）はできています、頭の中に。あとは書くだけです」と、遅筆で知られる三谷氏ならではのコメントで笑いを誘った。
そんな三谷氏が手がける6月20日（土）～8月8日（土）の「大地」からは3名のキャストが登壇。大泉洋は「二十歳の頃に北海道で演劇を始めた私にとってPARCO劇場に出るのは感慨深いものがあるんですが、今、舞台に立ちましても初めてなので昔と何が違うのかまったくわかりません」と複雑な表情。
続けて「脚本家の頭の中にはホンができているらしいんですけど、私はどんな話なのかも教えてもらってないし、先ほど脚本家と会ったところ『なんでいるんだ？』みたいな顔をされ、『まだ（出演を）決めてないのに』と言われました。今日が私の最終審査らしい」と三谷氏とのやりとりを明かし、大爆笑となった。
山本耕史は「20年以上ぶりにここに立ちます。皆様にいい形でエネルギーを届けられたら」とコメント。
竜星涼は「公演中は東京オリンピックで日本中が熱くなっていると思いますので、オリンピックに負けないぐらい熱い気持ちでPARCOに通えたら」と意気込んだ。
10月の「獣道一直線！！！」の脚本を担当する宮藤官九郎氏は「タイトルを聞いて、皆さん『フンッ』って思ったかもしれませんが、それが秋まで続きます。内容はこの後、打ち合わせをして決めます」とあいさつ。
生瀬勝久は「今、インターネットで調べると同タイトルのAVが出てきます。それを舞台化したものだとイメージしていただければ」とニヤリ。
池田成志は「僕が初めてここに来たのはずいぶん前、渡辺謙さんが出演していた『下谷万年町物語』という、でたらめで下品で素敵な作品だったんですけど、私たちの『獣道一直線！！！』がPARCOのふざけたほう（側面）を少しでも広げていければ」とコメント。
古田新太は「錚々たるメンバーの中に並ばせていただいてありがたいんですけど、どれだけ下品なことができるかと企んでいるので、下ネタ大好きな方は観に来てください」と呼びかけた。
2021年2～3月の「薮原検校」に出演する市川猿之助は「演劇の世界で一番客が入らない2月に、まだそんなに有名でない杉原邦生という演出家と貧乏くじのような芝居をやりますけど、せいぜい頑張って客席の半分ぐらいは招待者なしでうめたい」「できれば三谷さんの作品に出たかった」と演出家の前でぶっちゃけ、鼓舞した。
3～4月の「レディ・マクベス」に主演する天海祐希は「PARCO劇場には21年ぶりに出させていただくそうです。宝塚を辞めて初めての舞台がここでした。そして、またここに立たせていただけることはとても幸せで、きっと大きなターニングポイントになるんだろうなと今から期待しております」とワクワク顔で話した。
4～5月「月とシネマ」からは演出のG2氏が立ち、主演の中井貴一から託されたメッセージをiPadで公開。中井は「私の愛するPARCO劇場が完成したというニュースを聞いて、とてもうれしく思っています。ここからまた新しい歴史をつくっていくんだなという思いでいっぱい」と期待を込め、G2氏は「わかりやすく笑えて、どこか深いところにしみわたるような作品にしたい」とアピールした。
質疑応答に入り、報道陣から「登壇者同士で聞きたいことは？」と声が上がると、三谷氏が「宮藤さんに聞きたいんだけど、台本はいつ頃から書き始めるの？」と質問。これに宮藤氏は「3月ぐらいです」と答え、三谷氏が「僕は5月の頭から稽古なんですが、（まだホンが完成していないことは）これってそんなに大変なことじゃないですよね？」と同意を求めると、宮藤氏は「常識の範囲内だと思います」と脚本家トークを展開し、皆を笑わせていた。
