和田琢磨 “戦い続ける座組”として「『刀ステ』のよさを再認識していただけるよう演じたい」
科白劇をご覧になった方が観ても、より深みのある仕上がりに
――科白劇を経ての今回の上演にどのような意気込みで臨むのか聞かせてください。
本来やるはずだったものができなかったので、それを早くお客様にお見せしたいという気持ちがまずあります。
2年前、この「綺伝」が改めて上演できるころにはマスク生活もすっかりなくなって、稽古終わりにみんなで飲みに行けるのではないかなどと想像していたのですが、状況的にはあまり変わっていないですよね。それでも、同じ座組で再び作品に取り組めるのは当たり前のことではないので、そんな喜びを感じながらやっていきたいと思います。

出演する役者の数も増えますし、時間遡行軍に扮するアンサンブルの方も増えて、本来の『刀ステ』という形でお客様に観ていただけると思いますので、そういった意味では科白劇をご覧になった方にとっても、さらに深みのある仕上がりになるのではないでしょうか。
――約1年半ぶりに、歌仙兼定として舞台に立つ心境はいかがですか?
前回の公演はコロナというものが現れたばかりのころで、出演者もスタッフの方も右も左もわからず、どういう対策をとったらいいのかもわからない状況でしたので、マウスシールドを装着したり、共演者同士で距離をとったりした中での本番でした。

今、振り返ってみると、あれぐらいの規模で公演を行ったのは我々が最初に近かったと思うんですよ。それを最後までやり遂げられたことは一つの自信にもなりましたし、それを経ての今回ですので、初めから皆の結束力は高いと思います。
――『刀ステ』としては昨年の「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」、「无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-」に続いての上演ですが、そこを引き継ぐ心境はどのようなものですか?
三日月宗近役の鈴木拡樹さんが“戦い続ける座組”という指針を立ててくれたので、公演ごとに受け継いでいかなければという思いがあります。その中でも座長という立場をいただきましたし、さらに、2021年はIHIステージアラウンド東京のみの公演でしたので、「綺伝」では地方のお客様にも『刀ステ』のよさを再認識していただけるように頑張りたいと思います。
