佐藤浩市と渡辺謙が福島を訪問!復興への切実な思いを語る
佐藤浩市が主演し、東日本大震災時の福島第一原発事故の様子を描く映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)。舞台となった福島でのキャンペーンとして、1月22日(水)に富岡町役場を表敬訪問し、1月23日(木)には郡山市内での舞台挨拶を開催した。

若松節朗監督とともに富岡町役場を表敬訪問した佐藤は、「(福島第一原発事故は)決して遠い過去ではなくて、ふと振り返ると昨日のことのように思い出される方もたくさんいらっしゃると思います」と、被災者の気持ちをおもんばかったコメントを。
続けて、「思い出されたくない方々もたくさんいるかと思いますが、この事故を風化させてはいけません。どうしても映像の力も必要であり、痛みを伴うけど、この事実を後世に伝えていくためにも、この映画は必要だと踏まえて見ていただけるとありがたいと思います」と、静かに、力強く映画制作の意義を語った。
宮本皓一町長は佐藤の言葉を受け、「(福島第一原発事故を)後世に伝えていくために、撮影許可を出すというよりはこちらからお願いしたいという気持ちでした。今まで富岡町をロケーションとして撮影したことはなかったと思うので、町としてもみんなに見ていただけるようにPRしていきたいと思います」と宣言。

翌日23日には、「まずは福島の方々に観てもらいたい」という思いから実現した試写会での舞台挨拶を開催。そこに渡辺謙も合流した。
渡辺は、「今現在、福島に帰れない方々、福島第一原発事故で人生を変えられてしまった人がたくさんいます。その思いを僕らがすべて背負うことはできないけど、『少しでもくみ取ってこの映画にぶつけていきましょう』と、作品がクランクインした際にお話させていただきました」と、作品への思いを吐露。
さらに、「そこから作品が完成し、この地を皮切りに発信できることを僕は誇りに思っています。この作品は必ず未来に繋がる何かを感じていただけるんじゃないかなと思っています」と、力強く語り、胸を張った。

福島の復興について聞かれた佐藤は、「去年撮影をしていましたが、『本当に復興は始まっているのか?』と思いました。この地の現状を他の方々はどれぐらい知っているのか。それをもう一度皆さんに感じてもらいたい」とし、「復興を始めるためには、人間の力が必要でそれを進めていかなければならないことを各都道府県の方に伝えていきたいと思います」と訴えた。
一方、渡辺は「復興というのは、それぞれ違う状況やバックグラウンドがあるので、一つの答えはないと思います。ただ、海も山も里も美味しい食べ物がたくさんあるステキな県なので、若い方たちが『福島出身なんだ!』と自信を持って言えるよう戻ってほしいなと思います」と切実に願った。

映画は3月6日(金)、全国公開。
配給:松竹、KADOKAWA
©2020『Fukushima 50』製作委員会