『アフリカの夜』は「人生を見つめ直すきっかけになるかも」<信子と庸平>の本音対談【春ドラマ編】
『プロポーズ大作戦』はSP版で恋が完結する稀有なラブコメ
――07年放送の『プロポーズ大作戦』は、山下智久さんと長澤まさみさんが共演のラブコメディ。こちらも庸平さんの推し作品ですね。

信子:ちょっと意外(笑)。山下さん演じる健が長澤さん演じる礼に恋をしていたんだけど、礼は別の男性との結婚が決まって…。健が、礼と結婚するためにタイムスリップを繰り返して、過去を変えようとするという物語でしたよね。庸平さんはどこにハマったの?
庸平:健が僕と年齢が同じくらいの設定で、脚本の金子茂樹さんも同年代なんです。だから、タイムスリップした先で流れる曲やそこで見える風景が、懐かしくて。MONGOL800が流行した時代に青春を送った記憶がある人に、特にオススメしたいんですが…設定は奇妙と言えば奇妙ですよね?
信子:タイムスリップするときに「ハレルヤチャンス!」っていうのよね。
庸平:そうそう。礼は藤木直人さん演じる多田と恋をして結婚しようとしているのに、過去が変わったくらいでその思いが変わるのかとか、設定は大味なんだけど。青春時代の描写がすごく丁寧で、惹き込まれました。
信子:山下さん演じる健が、タイムスリップしちゃうくらい礼のことが好きなのに、なかなか“あと一歩”が踏み出せない男なのが、ムズキュンだった!
庸平:「グズグズしてないで、いいから早くキスしちゃえ!」みたいなせっかちタイプの人は、見ていてイライラするのかもしれないけど(笑)。健の不器用さを「わかるわかる」って楽しむドラマというか、思いを伝えられない心の機微に共感できる人にオススメです。
信子:でも、最終回でも2人がくっつかないのは、ちょっとモヤモヤしすぎない?
庸平:そう!でも、これが、翌08年放送の『プロポーズ大作戦 スペシャル』で、キレイに終わるんですよ。恋愛ドラマでスペシャルが面白いっていうのはなかなかないので、見てほしいんですけど…。これ、本編はFODで配信されているのにスペシャルは未配信なので、なんとか配信してほしいです!
信子:あと、三上博史さんが健をタイムスリップさせる妖精の役を演じているのが、意外でした。
庸平:確かに意外な役柄ですよね。三上さんといえば、ちょっと時代をさかのぼりますけど『リップスティック』(99年)も4月クールに放送された名作ですね。
信子:少年鑑別所の話。池脇千鶴ちゃんが真白ちゃんっていう収容生だったのが、忘れられません。あと、窪塚洋介くんが美しかった!
庸平:「月9」で少年鑑別所の話の企画がよく通ったなと思ったら、これも野島伸司作品。麻生祐未さん演じる女性が、三上博史さん演じる主人公に恋をしているんですけど、彼を振り向かせるために自分から失明するんですよ。
信子:ああ…他に気を引く方法があったでしょうに…。
庸平:それと、広末涼子さん演じる女の子が突然裸になって、三上博史さん演じる主人公の前で「私を見て!」っていうシーンがあるんですけど。野島さんは、その後『GOLD』(10年)でも、高飛び込みの選手を演じた武井咲さんに同じような行動を取らせていて。野島さんの“わけのわからなさ”が凝縮された作品だな、と感じました。
信子:もしかして、野島さんの理想のシチュエーションなのかしら?庸平さん、機会があったら野島先生に聞いてみてください(笑)。