水木しげるの脳内に迫る!「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」に行ってみた
「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~」7月8日(金)~9月4日(日)/東京シティビュー
水木しげるの人生・背景を立体的に知る

エントランスから続く「水木しげるの妖怪人生」では、水木さんの人生を分かりやすくパネルで紹介しています。水木さんの人生を時代背景と合わせて知ることは、水木妖怪の誕生を知るうえで欠かせないポイント。
水木さんが生まれて幼少期を過ごした境港時代、幼少の水木さんに「六道絵」を見せて地獄というものへの強烈なインパクトを与え、妖怪の話を語り聞かせた“のんのんばあ”との出会い。
南方の妖怪たちとの出会いを経験することになる、生死をさまよった従軍時代。そして、貧困の貸本漫画家から一躍人気漫画家へ。水木さんの人生と歴史が絡み合って立体的に迫ってきます。

水木さんの歴史を頭に入れたらいよいよ、水木さんの妖怪がどのように誕生したのかを知る旅へ。
続くコーナーの入り口には水木妖怪でおなじみの「塗壁(ぬりかべ)」がお出迎え。その巨大さとリアルな質感を、ぜひ間近で感じてみてください。(たまに、まばたきするのでお見逃しなく)
江戸時代の貴重本も!水木しげる所蔵の資料

「古書店妖怪探訪」コーナーでは、水木さんが古書店を頻繁に訪れて集めた、民俗学や妖怪に関する書籍が展示されています。江戸時代の鳥山石燕(とりやま・せきえん、江戸中期の画家、浮世絵師)の「図画百鬼夜行」や、民俗学者の柳田國男の「妖怪談義」をはじめ、江戸時代の妖怪怪談本など、水木さんが妖怪を描く際に実際に用いた貴重な資料がずらり。
これまで水木さんの展覧会は多く開催されてきましたが、本展はこれまでにない「水木妖怪の誕生に迫る」展覧会ということで、公開されてこなかった貴重な水木さんのコレクションがたくさん展示されています。
中には水木さんによる書き込みのある資料まで!すでに描いた妖怪名には「×」印がついていたりと、見どころ満載であっという間に時間が過ぎていきます。まだまだ展示は序の口なのに…。

水木さんは妖怪を描く際に、「図画百鬼夜行」や「妖怪図」といった図画集を参考にしたそうですが、一方で柳田國男さんのような文章のみの民間伝承といった「姿形のないもの」も参考にして妖怪を描きました。
では、その「姿形のないもの」はどのように“水木妖怪”となって生まれたのでしょうか?その秘密が次のコーナーで明らかにされていきます。