水木しげるの脳内に迫る!「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」に行ってみた
「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~」7月8日(金)~9月4日(日)/東京シティビュー
“寄せ集めて作る”妖怪誕生の工程を知る

「水木しげるの妖怪工房」コーナーでは、晩年までに千点近くの日本の妖怪を描いた水木さんの創作方法に迫ります。
水木さんの妖怪画を「絵師たちから継承」「様々な資料から創作」「文字情報から創作」の3つのパターンに分けて紹介。資料や素材を寄せ集めて、何のどの部分を使用して形作っていったのかを妖怪ごとに解説していきます。


資料だけでなく、水木さんが収集した人形やお面など、アイディアのヒントになった実物も展示されています。
「ブリコラージュ」(寄せ集めたもので試行錯誤し、新しい物を作る手法)を用いて“水木妖怪”を生み出していった水木さん。妖怪と資料が合わせて展示されているので、「この妖怪は、この資料のこの部分と、この部分を集めて作ったのか」と、こちらも水木さんの創作過程と想像力を追体験する楽しみが生まれます。
緻密な妖怪画の原画が100点以上

そして、水木しげるの妖怪画を存分に味わえるコーナー「水木しげるの百鬼夜行」では、「山」「水」「里」「家」それぞれに棲む妖怪画を展示しています。
原画を間近で見ると妖怪の精緻な描き込みに驚くとともに、妖怪だけでなくその背景の描き方の緻密さと密度にも思わずため息がこぼれます。
ただ、黒く塗りつぶした部分にすら、何かが潜んでいるような空気や闇を描き出す実在感、1枚の絵だけで物語が伝えられる圧倒的な画力。水木さんのすごさを体感できる貴重な空間です。
1枚ずつじっくり見たいけれど、時間が無限に過ぎていくので、涙をのんで次のコーナーへ。