悲劇のヒロインか殺人犯か!?最恐悪女VSミハン!『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』第7話完全版
2月17日(月)放送『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
ミハンルームで作業をしていた香坂(水野美紀)は、やってきた井沢(沢村一樹)に声をかける。香坂は、家族を持ってはいけないと思って生きてきた自分には井沢が抱えている悲しみを共有できないかもしれないが、犯罪を未然に防ぎたいという思いは一緒だと言うと、あなたとならミハンの法制化を実現できると思っている、と続けた。
香坂は、間もなく開催される東京サミットと、その後に控えるオリンピックがミハンの重要性をアピールする良い機会だと捉えていた。
そんな中で、ミハンが新たな危険人物として割り出したのは、大手フィットネスクラブ『シャイニー』の社長・仁科紗耶香(佐藤江梨子)だ。紗耶香は、5年前に起きた未解決の強盗殺人事件で社長だった夫・輝幸(青戸昭憲)を殺され、自身も瀕死の重傷を負った被害者でもあった。
輝幸の死後、会社を引き継いだ紗耶香は、着実に業績を伸ばして経営者としての才能を発揮していたが、密かに短時間で毒性が消えてしまうため検出されない危険な毒物を入手していた。
井沢は、新任のスポーツインストラクターとして紗耶香に接触。山内(横山裕)と小田切(本田翼)も、ジムの会員となって潜入捜査を始める。最初に捜査線上に浮んだのは、紗耶香の会社が所有するウインタースポーツの実業団チームでコーチを務める辰巳勇吾(阿部亮平)だった。
辰巳は、紗耶香を脅迫し、金銭を要求していたのだ。一方、山内たちは、紗耶香の秘書・江波元治(本宮泰風)が格闘技経験者であることを見抜く。加賀美(柄本明)によれば、江波はかつて興信所で働いていた人間なのだという。
山内は、紗耶香のスポーツジムに、篠田(高杉真宙)が撮影した写真が飾ってあることに気づく。篠田を訪ね、辰巳に関する情報を得る小田切。辰巳にとって、前社長の輝幸は恩人なのだという。
井沢たちが辰巳の調査を続けている最中、新たな人物が紗耶香に接触する。科学捜査研究所の主任研究員で、山内とも旧知の間柄の真鍋哲郎(宮川一朗太)だ。真鍋は、どんな手間も惜しまず被害者のために真実を追究する人物で、これまで、数々の難事件を解決に導いていた。そして彼は、輝幸と紗耶香が襲われた5年前の事件も担当していた。
井沢は、捜査一課の早川(マギー)に会い、仁科夫妻が襲われた5年前の事件について話を聞く。事件は、ふたりが外出先から自宅に戻ったときに起きていた。背中を刺された輝幸は絶命し、腹部を刺された紗耶香はスマートフォンで警察に電話をしたが意識を失っていた。その際、真鍋は飛沫血痕の状況が気になると主張し、紗耶香の治療にあたった医師から話を聞きたいと言っていたが、検証の結果、問題ないという結論を出したらしい。
紗耶香はもともと『シャイニー』の会員で、その縁で輝幸と知り合っていた。作家に扮装した加賀美は、吉岡(森永悠希)を伴って、取材と称して紗耶香と同時期に会員になった長崎芳子(今藤洋子)と渋谷恵子(結城さなえ)から話を聞く。
そこでわかったことは、輝幸には紗耶香と知り合う前に結婚する予定だった恋人がいたということだった。だがその女性・安斎貴美子(環みほ)は、食物アレルギーが原因で死んでしまったのだという。紗耶香は、婚約者を亡くして落ち込んでいた輝幸を慰めたことがきっかけで彼と交際を始め、やがて妊娠したが、婚約した直後に流産したらしい。
だが、事情を知る者の中には、本当に妊娠していたのか、と陰口を叩く者もいたのだという。
貴美子を調べた香坂は、彼女がナッツアレルギーで突然死んだこと、そして紗耶香とは小学校から高校まで同級生だったことを報告する。貴美子は裕福な家庭で育っていたが、紗耶香は父親が経営する工場が倒産後、相次いで両親を病気で亡くし、親戚の家で育ったこともわかっていた。
一方、山内は、真鍋の息子が拡張型心筋症で心臓移植手術を受けていたことを掴む。その手術が行われたのも、仁科夫妻が襲われたのと同じ5年前のことだった。
小田切は、篠田に協力を頼み、保険外交員に扮して辰巳に会いに行く。そこで辰巳は、紗耶香を疑っていた輝幸が彼女のことを調べ、経歴が全て嘘だったことを知ったこと、そして貴美子が亡くなった日、彼女は久しぶりに同級生に会いに行くと言っていたことを小田切に話す。
輝幸は、直接、紗耶香から話を聞こうとしていたが、その矢先に強盗殺人事件に巻き込まれたていた。輝幸の死にも紗耶香が関係しているのではないかと疑っていた辰巳が、最近になって動いたのにも理由があった。
実は1ヵ月ほど前、輝幸の墓参りに行った辰巳は、そこで真鍋に会っていた。そこで辰巳は、紗耶香の周囲で不審な死を遂げているのは輝幸だけではない、と真鍋に告げると、彼はひどく驚いていたのだという。辰巳は、真鍋に真実を話してほしいと何度も頼み込んでいた。すると、今晩会えないかと連絡があったというのだ。
同じころ、スポーツクラブで紗耶香の動向をマークしていた山内は、彼女が姿を消したことに気づく。紗耶香は山内たちの動きに気づいていたのだ。小田切は辰巳の部屋に盗聴器が仕掛けられていたことを井沢に報告した。
そこで井沢は、紗耶香がターゲットを辰巳から真鍋に変えたことに気づく。加賀美は、即座に真鍋の居場所を追い始めた。
そのころ真鍋は、廃工場で紗耶香と会っていた。そこで紗耶香は、毒物を仕込んだタバコを真鍋に手渡すと、真実が明らかになれば息子はどう思うか、と問いかけた。自分の体にある心臓は、父親が殺人犯をかばって得た金で買ったものだと知ったら、耐えられずに自殺するかもしれない、と告げる紗耶香。
そこに、井沢たちが到着した。山内と小田切は、立ちはだかる江波を激しい格闘の末、倒した。だが真鍋は、井沢の説得にも応じず、タバコに火を点け、絶命してしまう。紗耶香は、輝幸の婚約者・貴美子にナッツ入りの菓子を食べさせて見殺しにし、その死を疑い始めた輝幸を刺し殺すと、自ら腹を刺して警察に通報していた。そしていま、真鍋を死に追いやったが、毒物を入手したルートもわからず、法によって裁くことはできなかった。
その夜、山内は、井沢のもとに、彼の妻と娘を殺害した凶器が送られてきたことを香坂から打ち明けられる。
井沢のもとへと向かう山内。そこで井沢は、元警察庁次長・町田(中村育二)が失踪する直前に彼から聞いた話を打ち明ける。実は、井沢の妻と娘を殺害した罪で服役している宇佐美(奥野瑛太)が、井沢の家を訪れたとき、そこに『先客』がいたというのだ。「一体、そいつは誰なんだろうね」。そうつぶやく井沢。山内は、井沢には自分も、ミハンのみんなもいるのだからひとりではない、と告げるが……。
あくる日、香坂は、曽根崎に会いに行く。そこには門田(粗品)の姿もあった。そこで曽根崎は、井沢はすでに一線を超えている、と言って、いままでミハンが探知したものの、捜査しなかった3件の事件の資料を差し出す。
その夜、取引先の人間と別れて帰宅しようとしていた紗耶香は、何者かに頭を銃で撃たれ……。