あの考察の真相は?スピッツとの関連は?村瀬健Pが明かす『silent』の秘密
毎週木曜22時~『silent』
「湊斗」の名前の由来はスピッツ!随所に見られるスピッツ愛

――第3話で、戸川湊斗(鈴鹿央士)が、部屋で見つけたてんとう虫を逃がすシーンがありました。てんとう虫は「幸運のシンボル」とされることから、SNSではさまざまな考察がされています。
「てんとう虫は幸運のシンボル」という話は、監督も交えての打ち合わせで、すでに出ていましたが、みなさん、すごくじっくり見てくださっているなと思いました。
第1話でスピッツの楽曲「魔法のコトバ」を流しましたが、このCDジャケットにてんとう虫が描かれていることも、SNSで考察されていますよね。実はこれも、打ち合わせで軽く話していたんですが、放送後に話題になって、結構驚いています。
――主人公・青羽紬の名前から、スピッツの「若葉」「つぐみ」を連想するといった声も出ています。
詳しくは企業秘密ですが(笑)。脚本を手掛けた生方美久さんも僕も、スピッツが大好きなので、今回の作品にはいろいろ影響しています。僕は、高校時代にスピッツのコピーバンドをやっていたほど好きです。
スピッツの曲って、メロディがハ長調で、ピアノなら「ドレミファソラシド」の8鍵だけで弾ける簡単な構成が多いんです。歌詞も、みんながよく使う言葉が並んでいるのに、独特な雰囲気になっているのが特徴だと思っていて。
一方でMr.Childrenなんかは転調しまくるし、8鍵以外の音もいっぱい使うし、歌詞もすごく文学的な言葉が使われている。
それで言うと、生方さんの脚本は、すごくスピッツ的だと思うんです。いい意味で平易な言葉を使って、ハ長調のような耳障りの良さがあるのに、すごく深いことを言っている。「生方さんの脚本ってスピッツみたいだな」と思っていたら、生方さん本人が「(草野)マサムネさんの世界観が大好き」と言っていて。
「こういう設定でドラマを作ろう」と考えた時点で、僕の頭の中にスピッツの「楓」が流れたんですが、生方さんもやっぱり「楓」をイメージしていたみたいです。「楓」は第1話で少しだけ流した楽曲です。
ほかにも、生方さんが「みなと」という曲から「湊斗」の役名を考えたり…というように、スピッツはドラマのいろいろなところに散りばめられています。
――「魔法のコトバ」は映画「ハチミツとクローバー」(2006年/以下、ハチクロ)の主題歌です。さらに、同作に登場するセリフ「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」を湊斗が口にするなど、「ハチクロ」との関連も話題です。
「ハチクロ」はちょうど、生方さんやドラマの登場人物たちの世代で流行った作品なんですよね。「『ハチクロ』は彼らの世代にとって、ものすごく大きい存在だった」という話も聞いて。だから、狙っているとかではなく、ごく自然に出てきたのだと思います。
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