あの考察の真相は?スピッツとの関連は?村瀬健Pが明かす『silent』の秘密
毎週木曜22時~『silent』
SNSでも話題!紬×想「窓越しの会話シーン」は予定外だった
――第3話では、紬(川口春奈)と湊斗がファミレスの窓越しに会話をしようとするも、意思疎通できないシーンがありました。その後、紬と想(目黒蓮)がカフェの窓越しに手話でスムーズに話すシーンが登場。SNS上では「あえて対比させたのでは」という見方も出ていますが、実際どうなのでしょう?
あれは、先に紬と湊斗のシーンを撮っていて、紬と想のシーンは本当は渋谷の路上で撮る予定だったんです。ただ、おかげさまでドラマの反響がすごくて、川口さんと目黒さんが昼間に渋谷に現れると大変なことになるだろうと考え…カフェで待ち合わせ、という設定に変えました。
生方さんと、第3話を担当した髙野舞監督と僕で話しているときに「(第2話で紬と想が会った)あのカフェなら窓がすぐ横にあるから、湊斗と同じように窓越しに話すことで対比にできる」と、思いついたんですよね。
その場で生方さんに脚本を書き直してもらい、髙野監督が演出を考えました。だから“偶然の産物”とまでは言わないけれど、チームのフレキシブルさから生まれたもので、結果的にすごくいいシーンになりました。

――ナインティナインの岡村隆史さんや、パンサーの向井慧さんが、ラジオやTwitterで話題にするなど、芸能界でも大きな反響があります。
「ナインティナインのオールナイトニッポン」は僕も聞かせていただきましたが、びっくりすると同時に、うれしかったです。あの岡村さんが「泣きそう」とお話しされていたので、本当に泣いてもらえたら素敵だなって。岡村さんに泣いてもらう、という目標ができました(笑)。
向井さんは、これまでにも『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年/フジテレビ)のことを話してくださっていて。ドラマ好きですよね。
芸能界に限らず、ドラマ好きの方はもちろん、そうでない方も、こんなに多くの方が『silent』について語りたいと思ってくれていることが、作り手として本当にうれしいです。こんなに幸せなことはありません。
おかげさまで、見逃し配信でリピートしてくださる方も多くて。僕自身もTwitterでつぶやきましたが、登場人物の気持ちが分かった上で第1話から見直すと、物語の見方が大きく変わると思うんです。連続ドラマの面白さって、こういうところにもあるんじゃないでしょうか。
今は見逃し配信があるおかげで、何度でも見直せます。さらに、SNSでドラマについて語り合える。なんて素敵なんだろうと思います。『silent』は、見逃し配信という“新しいメディア”に、すごく合っているのかもしれません。
視聴率もさることながら、再生回数が話題になることが、テレビドラマの新しい物差しになっていくだろうという手応えを感じています。
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