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2022年11月20日 |

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三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」_site_large

三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」

めざましmedia編集部

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同期のアナウンサー二人が、『めざましテレビ』で“出会う”までを語りました。

1994年4月にスタートし、放送29年目に突入した朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ)に出演中の軽部真一フジテレビアナウンサーと三宅正治フジテレビアナウンサー。

軽部アナがエンタメキャスター、三宅アナはメインキャスターとして番組を支えていますが、三宅アナが2012年に『めざましテレビ』に参加するまでは、「会社で会うこともほとんどなかった」(三宅アナ)という二人。

かたやエンタメキャスターの草分け、かたや実力ナンバーワンの実況アナウンサーが、50代になりともに『めざましテレビ』で仕事をすることになったとき、何を感じ、どんな話をしたのでしょうか。

対談後編でたっぷりと語っています。

三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」_bodies

アテネオリンピックの実況を担当することになった経緯

【対談前編】軽部真一×三宅正治 同期アナが初対談「ライバル意識?まったくないですよ」

――三宅アナの40代というと、『すぽると!』(2001年~2016年)になるでしょうか。

三宅:そうですね。2001年に『すぽると!』のキャスターになった当初は、まだ自分が実況アナウンサーであることにこだわっていましたが、キャスターとして前に出ることで、みなさんが顔を知ってくださり、おかげで非常に取材がしやすくなりました。

結果的にいろいろなスポーツの担当者に話を聞く機会が増え、それが実況にフィードバックされていったんです。

――アナウンサーとして大きな転機であったと。

三宅:もちろんそれもありますが、僕の中で一番大きかったのは、2004年のアテネオリンピックですね。オリンピックの実況をどうしてもしたいとずっと言っていて、もともとは2000年のシドニーオリンピックが僕の順番だったんです。

でも、その年は『プロ野球ニュース2000』のキャスターをしていて、「メインキャスターがいなくなるのは困る」と言われて、ほかのアナウンサーが担当になりました。

――そんな経緯があったとは。

三宅:でも、結果としてそれが良かったんです。実は2000年のシドニーで、女子バレーが出場権を逃したので、どのみち僕は実況できなかった。

その後、2003年の柔道世界選手権の実況を僕が担当し、その経験を買われてオリンピックでも実況することになるんです。

翌年のアテネで日本勢が大活躍して、男女合わせて金メダルを8個取って日本中が大騒ぎになったと思いますが、僕はそのうち金メダル4個、銀メダル2個を取った試合の実況をさせていただきました。

加えてフジテレビが開会式の放映権を取れたので、その実況も担当することができました。

――柔道では、どの選手の実況をされたのですか?

三宅:金メダルだと野村忠宏選手(男子60kg級)、谷本歩実選手(女子63kg級)、阿武教子選手(女子78kg級)、塚田真希選手(女子78kg超級)です。

軽部:その中で一番印象に残っているのは、やっぱり野村選手の試合なの?

三宅: いや、女子の52kg級で銀メダルを取った横澤由貴選手です。彼女は準決勝でほぼ負けていたんですが、残り1秒で相手の袖を取って袖釣り込みで逆転の一本勝ちをしたんですよ。これは震えましたね。立ち上がって「奇跡の逆転一本勝ちぃぃぃぃ!」って叫びました(笑)。

アテネオリンピックは一生忘れられない、アナウンサー人生の中でもトップクラスに大きなできごとです。

実況アナウンサーの40代って一番脂が乗っている時期でもありますからね。20代、30代で積み重ねてきたものをすべて出せる。

僕の場合、それがたまたまアテネオリンピックという大舞台であり、種目に重なったんです。

三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」_bodies

ロケ企画でブレイクした軽部アナ「俺のピークはきっとあのころ」

――軽部さんの40代はいかがでしたか。

軽部:仕事でいうと、僕の40代は『めざましテレビ』の「カル調」というコーナーに尽きるでしょうね。

――軽部アナにとって、どういうコーナーだったのでしょうか?

軽部:それまでインタビューをメインにしていた僕を外に出して、一般の人たちと触れ合わせることによって新しいものを生み出そうという企画で、毎週のように土日は休日出勤してました。

長渕剛さんや氷川きよしさんのコンサート会場に行ってファンの人に話を聞いたり、キッザニアに行って子どもたちに将来の夢を尋ねたり、鉄道博みたいなところに行ってマニアの人の話を聞いたり。

おかげさまで名物コーナーになって、これ自慢じゃないですけど、渋谷とか原宿にロケに行くと…ものすごい人が集まったんです。

三宅:自慢ですね(笑)。

軽部:そうやって勘違いが始まるのも、その時期でした(笑)。オリコンの「好きなアナウンサーランキング」で、2010年に2位になりましたが、それ以降1位にはなれなかったので、俺のピークはきっとあのころなんでしょう(笑)。

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――忙しくも、楽しかった時代でしょうか?

軽部:楽しかったですよ。認知度が上がって「あ、軽部さんだ」となると、みんな嫌がらずにちゃんと答えてくれる。面白がって話してくれるから、自ずと「撮れ高」が良くなるんですよ。

ただ一度、秋田犬のわさおの取材に青森に行ったのですが、青森ってフジテレビ系列の放送局がない。つまりフジテレビが映らないんですよ。

なので、青森駅で「僕を知ってますか?」と尋ねても、見事にみんな知らなかった。あれは衝撃的でしたね。

三宅:青森出身の小山内(鈴奈)アナが入社面接のとき、軽部が「僕のこと知ってますか?」って聞いたら「わかりません」と言ったんだよね(笑)。

軽部:そうそう。彼女はきっとそのとき、「何だろう、このおっさんは?」って思っただろうね(笑)。

三宅:でも、その小山内アナが今、『めざましテレビ』でエンタメコーナーを一緒にやってるわけだから、わからないものですよね。

交わることのなかった二つの線が突如として交わることに

――50代になって仕事、プライベートでの変化は?

三宅:僕はもう『めざましテレビ』ですよ。2012年、50歳になる年にキャスターに就任したので。今までとは生活が全然違いますし、そもそも「俺が情報番組のキャスターをやっていいのか?」というところから始まって、軽部に初めて相談をしたんです。

ほとんど口を聞いたことのなかった30代、40代を経て。

軽部:ホント、ホント(笑)。

三宅:それまでまったく交わることのなかった二つの線が、突如として交わることになったという。

――それはまさに歴史的な出来事ですね。

三宅:でも、自分としては悪くないタイミングだなと思いましたし、会社がそうやって新しい道を示してくれたことは、すごくうれしかったです。ただ、ネックは軽部ですよ。

軽部:ふふふ(笑)。

――と、いいますと?

三宅:だって、放送1年目からずっと番組を支えてきた彼がいるところに、今までずっとスポーツをやってきた、何の関わりもなかった人間、それも同期がひょこっと入ってきてメインキャスターをやる…これはどうなんだろうと。軽部の気持ち的にね。

なので、いったん返事を待ってもらい、「軽部と一回話をさせてほしい」と言って、二人だけで話をしたんです。

軽部:そうだったね。

三宅:さすがに迂闊(うかつ)に会議室なんかでは話せないから、人がいないところを探していたら、22階(※フジテレビ本社22階にある催事やイベントなどを行えるスペース)にまで行ったんだよね。

軽部:そう。階段のところだったよね。座ってしゃべったのよ。

三宅:50前のおっさんが二人して(笑)。実は、その前に電話をかけて、用件は話していたんです。そしたら軽部は、「それ(キャスター就任)は、俺はまったく想定していなかった」と。

軽部:それまで17年間、司会を務められていた大塚(範一)さんがご病気で休養され、伊藤(利尋)アナが代行していたけど、彼がそのままやるわけではなさそうだと。

それで、「誰が来る?」となって、三宅だと聞いたときはびっくりしたし、正直、戸惑いもあったわけですよ。「三宅!?」みたいな(笑)。

三宅:そりゃ、あるよな。

軽部:だけど、そのときどういう話をしたのかは、正直あまり覚えてないんですよ。

三宅:俺が「やってもいいかな?」って聞いたら、軽部が「やろうよ」って言ってくれたんです。

軽部:そりゃ「ダメだ」とは言えないよ(笑)。

三宅:でも、軽部が「それはちょっと…」と言ったら、俺はきっと話を戻したと思う。

三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」_bodies

新人時代の“お泊りエピソード”

――二人の関係が伝わるいいエピソードですね。

軽部:この数年、いや、この数ヵ月で改めて振り返って思うのは、俺は三宅で良かった。

三宅:お、いいねぇ(笑)。

軽部:もちろん、彼は彼で僕に気を使っていたところはあったと思う。でも、入社して30年近く別々に仕事していても、やっぱり同期ということで、どこか相通ずるものはあったわけですよ。

それが今、こうやって同じ番組に一緒に出ているというのは、もう何かの“縁”でしかないですから。

――確かにそうですね。

軽部:そういえば、お互い新人だったころ、親睦会のあと、当時、三宅が住んでいた小さなアパートに同じく同期のきくち伸(※元フジテレビ編成制作局プロデューサー、現ビジネスセンター事業部勤務)と泊まったんですよ。

三宅:六畳一間のね。

軽部:当時、大流行していたファミコンの「スーパーマリオブラザーズ」を三宅が持っていて。僕は初めてやったもんだから、すごいハマって、寝ている二人そっちのけで一晩中ずっとマリオをやってたんですよ。いい思い出だけど、逆にいうと、それしか覚えてない(笑)。

三宅:俺も、軽部の実家に泊まったことあるよ。

軽部:あったね、あったね!

三宅:強烈に覚えてるのが、軽部の部屋の壁に、鉛筆か何かでぐしゃぐしゃに書き殴られた真っ黒な紙が貼ってあったこと。あれは何だったの?

軽部:あれは俺が高校受験のときに使っていた、ホワイトボードの代わりのポスターだかカレンダーの裏紙。先生になったつもりでしゃべりながら書くと覚える、という勉強法を実践していたのよ。そうやってどんどん上から書いていったら真っ黒になったという。

三宅:俺はあれを見たとき、「こいつ病んでるんじゃないか?」と思ったよね(笑)。何か話を聞いてあげないといけないのかなって。

――ほかにも二人だけの思い出はありますか?

軽部:「みや・かる ミラクル」(※『めざましテレビ』内で放送された二人がロケ旅をする企画)で能登に二人で行ったんだけど、休日企画ということもあってか、瞬間視聴率を15%くらい取ったんですよ。

三宅:途中までは良かったんだよ。

軽部:でも、俺たち二人が裸で温泉に浸かったシーンで「続きはCMのあとで」ってやったら、CM明けの視聴率がドドーンって3%くらい一気に下がったという(笑)。

三宅:よっぽど見たくなかったんだね(笑)。あれから二人が温泉に入るロケはなくなったよね。

軽部:最初で最後だった(笑)。

三宅:同じく「みや・かる ミラクル」でハワイに行ったときはじっくり話したよね。

軽部:一泊三日の弾丸スケジュールだったけど(笑)。撮影がほぼ終わってカメラも回してない、サンセットが美しいビーチで二人きりで。あのときは語ったねー。

三宅:「フリーだったら、どうなるんだろう」とか。

軽部:まだ定年前ということもあって「俺たちどうするかなぁ」とか。

三宅: 僕は『めざましテレビ』が会社に対する最後のご奉公だと思っているから、「やってほしいと言われているうちは、やめないよ」という話を軽部にした気がする。

軽部:あのサンセットを見ながらの語りは、今までで一番長く、しみじみ語ったね。

三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」_bodies

――では、最後に、かけがえのない同期にそれぞれ言葉をかけて下さい。

三宅:まず、これほどツッコミどころのある人はいないですよね(笑)。それはともかく、軽部は若い子たちとのコミュニケーション能力というか、そこがすごいと思う。

自分の若いころに置き換えたら、定年前の上司と談笑するなんて考えられないわけですよ。露木さんとか怖かったもの。

軽部:怖かったよねー(笑)。

三宅: 彼はそこのハードルが低いんじゃなくて、ハードルがない(笑)。だけど、そのおかげで若い子たちがいつも楽しそうに仕事をしている。彼らがやりやすい環境を軽部が作っているんだと思いますね。

軽部:三宅は、トータルで見てレベルが高いですよね。ずっと実況をしてきたから、何かあったときの対応力はさすがですし。あと、アナウンサーにとって「声」ってやっぱり重要なんですよ。

彼には、それこそF1やバレーボールで鍛えてきた声の存在感や伝える力が前提にあるので、それが安定感につながっているんだと思います。

三宅:まぁ、軽部もまだまだ子どもが小さいから、せめて大学卒業するまで稼がないと(笑)。体に気をつけて頑張って、お父さん。

軽部:60歳になって、僕も三宅もこうして会社から求められ、仕事を続けられていることは本当にありがたいことだと思う。(三宅アナの方を向いて)もうここまできたんだから、どこまでも一緒だよ♡

三宅:気持ち悪いわ(笑)!

軽部:あっはっはっは(笑)。

『めざましテレビ』公式HP:https://www.fujitv.co.jp/meza/

取材・文:中村裕一

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