<コラム>『silent』紬は“想の今の声”を知らない…最終回へ向けてのドラマチックにどう影響するの!?
毎週木曜22時~木曜劇場『silent』
『silent』は今クール、世間で最も“語り”のあるドラマでしょう。
例えば、有名どころでは“てんとう虫”についての “語り”。第3話の終盤に登場した、主人公・紬(川口春奈)の彼氏(当時…涙)である湊斗(鈴鹿央士)の手にとまった“てんとう虫”は、“しあわせの象徴”と言われているんだけど、そこから飛び立った“てんとう虫”のその向こうに、紬が今も思いを残す元カレの(現、彼氏…複雑)想(目黒蓮)が現れる…。つまり、自らの手に留まっていたはずの“しあわせ”が、飛び立った…。その先には、紬が今も思っている想がいる…。という、とてつもない“語り”が詰まったシーン。

で、その“てんとう虫”は、紬と想の思い出の曲、スピッツ「魔法のコトバ」のジャケットにも登場しているし(これはかつての“しあわせの象徴”ともとれるわけでしょう)、その第3話を経て、前回の第7話にて、想が図書館で偶然出会った少年に手渡した図鑑の表紙が“てんとう虫”で、かつ、想が“しあわせの象徴”を掴んだその向こうには、想に思いを寄せながらも叶わなかった奈々(夏帆)がいる…。

という、もう何から“語り”始めればいいのかわからないほどの詰まりに詰まった“語り”の連続。でもって、もっかい、第3話を振り返ってみると、湊斗は手にとまった“てんとう虫”に息を吹きかけていて、それはまるで、自ら“しあわせ”=“紬”を手放しているようにも見える…。うんうん、湊斗って、そういうヤツだもんな…うんうん、とか思ったりやんやで…。
と、ここまで。冒頭長々と“語り”ましたが、全部、誰かの受け売りです。自分で発見したものは一つもありません。“てんとう虫”が“しあわせの象徴”だってことも、もちろん「魔法のコトバ」のジャケットだってことも知らなかったし、なんなら第3話で湊斗の手に“てんとう虫”がとまってたことすら見逃してたし(ひどい)、第7話で想が手にした図鑑の表紙が“てんとう虫”だったってことも、当然、全部、あとから知りました。そうです。僕、真面目にドラマを見ていたつもり、だったんだけど…もちろん『silent』最高じゃん!って熱心に見ていたつもり…なのですが、もっともっと熱く『silent』を見ている方たちと比べれば、それ系の“語り”については、到底足元にも及ばないレベル…なのです。
うん、とはいったって、僕だって『silent』を“語り”たい!!“てんとう虫”関連にちっとも気づかなくても、僕なりに『silent』を“語り”たい!!
っというわけで、このコラムは、僕が最も得意とする、ドラマの“外側の視点”から、“語り”たいと思います。独断と偏見と妄想で長いです。ご了承ください。
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