「ちいかわ」の魅力は“共感性と多様性”「長く愛されるように」障子直登Pが語る思い
アニメ「ちいかわ」『めざましテレビ』毎週金曜・7時40分ころ~放送中
「ちいかわ・ハチワレ・うさぎのトリオの関係性がすごく好き」

――障子さんは「ちいかわ」が初プロデュース作品になりますが、そこまでの経緯と、現在の仕事の内容を教えてください。
声優キャストのオーディションから、アフレコなどの制作周り、宣伝などいろいろなことを担当しています。どうやったら皆さんに楽しんでもらえるかをずっと考えている毎日です。
「ちいかわ」を担当する前は、報道番組や情報番組でディレクターとして、事件やニュースを取材したりVTRを作ったりしていましたが、入社7年目の昨年にアニメ制作部に異動となりました。
もともとアニメが大好きで、深夜枠の「ノイタミナ」を担当したくて入社しましたが、初プロデュース作品で「ちいかわ」を担当することになり、プレッシャーで押しつぶされそうになりました(笑)。
当初、「ちいかわ」は友達から送られてくるLINEスタンプなどで存在は知っていて、「こんな世界にいたらどんなに楽しいだろうな」と思っているくらいでした。でも、漫画を読むと、怖いキャラクターが出てきたり、草むしり検定に落ちてしまったり、大切にしているものを取られてしまったり…いろいろなお話が出てくる。すごくストーリー性があるなと思うようになりました。
――「ちいかわ」にハマっている人の中には、初めてアニメやキャラクターにハマった大人も多く見られます。老若男女を虜にする魅力は何だと思いますか?
「ちいかわ」はあらゆる世代が楽しめる作品だと思っていますが、実際にその魅力って何だろうと考えると、食べものを皆でおいしそうに食べている話は、子ども時代にみんなでお菓子やアイスを食べていた光景を思い出すし、欲しい物のために働く姿は学生がバイトをする経験と同じだし、検定に落ちたりというのは大人でも往々にしてあることで…。
怖いやつがやってきて戦わなければいけない状況では、あんなに怖いモンスターではなくても、怖い上司だったりに怖い思いをすることは誰にだってあるし(笑)。それがあの世界においてはすごく当たり前に起きている、そういうところがちいかわの世界を広げている理由だなと思っています。
そういう意味では、共感性がすごく高くて、どんな人でも楽しめる話が絶対にある。いろいろなキャラクターがいて、多様性があるところが幅広い世代の人に刺さる理由なのではないでしょうか。
――周囲の「ちいかわが好きでどうかしちゃった人たち」に聞くと、ちいかわたちががんばっている日常が心に沁みるという人が多いようです。そして、ファンとして恥ずかしくない行動をしたいと。
僕も、ちいかわ・ハチワレ・うさぎのトリオの関係性がすごく好きなんです。素直に自分の思っていることをちゃんと伝えて、その結果お互いを助け合っている話が多いと思うんですけれども、その純粋さがいいですよね。
ちいかわたちの世界にインターネットはありますが、必ず迎えに行ったりどこかで待ち合わせしたりしていますよね。「昔は、友達とこうやって会ってたよな」と、思い出して懐かしくなったりもします。
コメントでもよく「やさしい気持ちになれる」とか「元気が出た」と言ってもらえるのは、テレビで放送していて1番意味があることだと思っています。