ミハン解体の危機!テロ計画の真犯人が明らかに 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』第10話完全版
3月9日(月)放送
香坂(水野美紀)は、公安部の曽根崎(浜田学)と手を組み、大規模なテロを計画し、それを未然に防ぐことでミハンの必要性を訴えようとしていた。だが、その計画を奪った何者かが東京サミットを狙って本当にテロを起こそうとする事態が発生。
井沢(沢村一樹)たちミハンチームは、姿を消した香坂の行方を追う一方で、警視庁の特別捜査本部とともに仕掛けられた爆弾を捜索し、すべての爆弾の処理に成功する。ところがその最中、香坂は射殺されてしまう。
銃声を聞いて駆けつけたSATは、拳銃を持って香坂の遺体の前に佇む井沢を拘束しようした。だが、井沢は、SATや駆けつけた山内(横山裕)を倒し、立ち去ろうとする。そんな井沢に銃を向け、威嚇射撃する山内。そのとき、物陰から井沢に拳銃を向ける門田(粗品)の存在に気づいた山内は、彼の右腕を撃ち抜く。逃げようとした門田は吉岡(森永悠希)によって拘束されたが、その時すでに井沢の姿はなかった。

曽根崎は、証拠隠滅を図るためミハンルームを訪れると同時に、部下たちに井沢の射殺を命じた。そこにやってきた井沢は、怒りに任せて曽根崎に迫り、彼を殺しかける。必死の思いでそんな井沢を止めたのは後を追ってきた山内だった。
逮捕され、取り調べを受けた曽根崎は、テロへの関与を完全に否定した。一方、警視庁の上層部は、すべての責任を死亡した香坂に押し付ける形にして、ミハンも解体する方針を打ち出す。そこで山内は、テロの本当の首謀者を追うためにはミハンの力が必要だと主張し、犯人を逮捕するまでの猶予を得る。

ミハンルームにもガサが入り、小田切(本田翼)や吉岡らも事情聴取を受ける。そんな矢先、小田切の交際相手・篠田(高杉真宙)が何者かに拳銃で撃たれ瀕死の重傷を負う事件が起きる。
高杉は、撃たれた直後に小田切に連絡し、何かを伝えようとしていた。高杉の所持品の中に、彼が撮影した小田切の写真があった。それを見ていた小田切は、以前、高杉からもらった写真をバッグから取り出し、どの写真にも同じ人物が映り込んでいることに気づく。
それは、かつて加賀美(柄本明)が捕まえた凄腕のクラッカーのひとりで、今回のテロにも関わっていた諏訪樹生(松尾諭)だった。井沢たちは、香坂の死を無駄にしないためにも、自分たちの手で真犯人を捕まえよう決意する。

井沢は、加賀美から、彼が隠し続けていたこと――香坂の弟についての話を聞く。26年前、映画館で起きた神経ガステロの際、犯人の水島恵一が一緒に連れていた6歳の息子・歩を助けたのは加賀美だった。歩は、児童養護施設で暮らすことになったが、周囲からは酷い苛めを受けるようになっていた。

ソフトウェアの開発でアメリカに渡った加賀美は、帰国後、15歳になった歩に会いに行った。だが歩は、人の悪意にまみれ、心を閉ざしていた。加賀美は、そんな歩を少しでも励ますことができれば、と考え、当時研究を進めていたミハンのことを話した。が、それからしばらく後、加賀美の作業場からミハンのプログラミングデータが盗まれ、それ以来、歩は失踪してしまったのだという。
そしてその当時、歩がいた施設で施設長の大迫(矢嶋俊作)が不審な死を遂げていた。さらに、それ以外にも、プロトタイプのミハンが弾き出した危険人物が失踪していたのだという。
そこから加賀美は、危険人物だったネット荒らしから逆恨みされて命を狙われた小宮山栄一(菅裕輔)を割り出していた。小宮山は警察庁秘書課に所属し、殺害された元警察庁次長の町田(中村育三)の秘書を務めたこともある男だった。北見(上杉柊平)と同じように、小宮山も歩に命を救われ、歩の協力者になった可能性が高かった。

井沢は、吉岡、加賀美とともに小宮山を追い、彼が副島悟(諌山幸治)というクラッカーに接触していたことを掴む。副島は、諏訪と連絡を取る方法を知る男でもあった。同じころ、山内と小田切は、厚労省の職員に扮し、歩が暮らしていた児童養護施設で働いている影山雅史(吉田ウーロン太)に接触。
踏切事故で死んだ施設長の大迫が、子どもたちに性的虐待を繰り返していたことを知る。子どもたちは、大迫の死を喜んでおり、それを見ていた歩は、人に喜ばれたのは生まれて初めてだ、と涙を流していたという。
井沢たちは、この世から犯罪を無くしたいという思いに囚われた歩が、事件を起こすことで世の中を動かそうとして暴走したものと推測する。だが、金目当てで犯罪を繰り返す諏訪と共闘した理由はわからなかった。その際、諏訪がテロを利用して株の投資をしたのではないかと気づいた加賀美は、防衛関係の株を買いあさっていた者の中から、諏訪と思われる人物を特定する。

諏訪が赤羽周辺を歩いている映像を見つけた加賀美は、周辺の建物の中から偽造カードで借りられている部屋を特定した。ただちにその場所へと向かう井沢たち。するとその部屋にあったのは、諏訪の死体だった。死体の側には、ナイフと拳銃が転がっていた。
部屋の中を調べた井沢たちは、パソコンすらないことに不審を抱く。さらに調べると、サイレンサー付きの拳銃も発見される。そこで井沢は、この部屋が歩のアジトであることに気づく。
加賀美は子どものころの歩と、ある人物の顔を比べていた。そこに映し出されたのは篠田だった。井沢もまた、重大な見落としがあったことに気づく。歩と諏訪はネット上でしか繋がっておらず、お互いの顔を知らなかった。小田切の写真に写りこんでいた諏訪は、小田切ではなく、撮影者の篠田を探っていたのだ。それを知った小田切は、激しいショックを受けていた。

井沢は、篠田のことを調べるよう、加賀美に依頼した。しかし、返事はなかった。指揮車両で待機していた吉岡は、加賀美がスマートフォンの電源を切っていることを報告する。そのとき、危険人物のアラートがなった。モニターに映し出されたのは加賀美だった。加賀美は、自らの手で、殺人鬼となった歩――篠田を葬ろうとしていた。井沢は、小田切を山内に任せると、篠田が収容されている病院へと向かうが……。