<試写室>あんなにくだらない伏線は初めて!あまりの衝撃で鼻鳴るくらい笑っちゃいました
3月14日(土)23時40分~オトナの土ドラ『パパがも一度恋をした』第7話
これまで触れたら負けだと思って一切触れてこなかったんですけど、塚本高史さん演じるトカちゃんって、なんでトカレフ?
役名は加藤英太(かとうえいた)だから、カトちゃん的なとこから派生してトカちゃん…っていうんならわかるんだけど、トカになんでレフ付ける!?トカレフ=拳銃=安全装置がない=危険、つまり危険な男ってこと?うん、そういうことなら理解できないことも…ない?…って、いくらなんでも加藤英太からトカレフまでの道のりが謎すぎる!
しかも、エンドロールにも公式ホームページのキャスト欄にもちゃんと「加藤英太(トカレフ)」って丁寧に書いてあるんですよ。それに毎回ちょっとイラっとするとともに、ちょっと笑っちゃうから悔しいんだよね…。『パパ恋』ファンのみなさんは、是非一度公式ホームページのキャスト欄を見に行ってみてください、謎に丁寧に「加藤英太(トカレフ)」って書いてあって、それを見ると、真面目なんだかふざけてんだか、笑わせたいのか、だとしたらどう笑って欲しいのか、一体何を表現したいのか…と、得も言われぬ可笑しさがこみあげてきて、つまり『パパ恋』ってそういうドラマだよねと不思議に納得してしまうこと間違いなしです。
っというわけで、今回は最終回前だというのに、まさかのトカちゃん主役の回!
だからといって、トカレフの謎は明かされない、そしてきっと今後も明かす気はない、いや寧(むし)ろここまで思いを巡らせてるから答えなんて必要ないわけですが、毎回とてつもないインパクトを残してきたトカちゃんが主役の回だったので、当然最高に笑える回に仕上がってました。

もちろん、最終回前だし、前々回から引っ張っている“おっさん多恵子の謎”に時間をもっと割くべきで、なぜトカちゃんが主役で、しかも新キャラが登場して恋愛エピソードを描くとか、「今、それどころじゃねーよ」と誰もがお思いでしょう。だけど、ご安心あれ。まさか、あのいつも的確なはずがないパパ(小澤征悦)が美しくツッコんでくれるので痛快です。

そして個人的に最高だったポイントが「ウィンナー」。
トカちゃんが今回の冒頭、いきなり、突然に「みんなで一緒にウィンナー食べない?」とウィンナーを爆買いして山下家に持って来るんですが、またトカちゃん初っ端からぶっ飛ばしてんなー、「ウィンナー爆買いしちゃった」ってセリフどういう状況で思いつくんだろ、脚本家の方クレイジーすぎる、でも最高、あ、そうか、いつもの下ネタ繋がりでウィンナーなんだ、山下家は微笑ましいなぁ、ウィンナーで食卓囲んでるよ、画がシュールすぎる、『パパ恋』今回もすげーなー、なんつって、クレイジーな描写に慣れきってたせいで、その「ウィンナー」のナゼを完全に受け流そうとしてたんだけど、まさか、それがトカちゃんの恋のエピソードの伏線になっているとは!
「ウィンナー」の謎は中盤に解き明かされるんですが、あまりの衝撃で、鼻鳴るくらい笑っちゃいました。あんなにくだらない伏線を見たの、僕初めてです。しかも、その「ウィンナー」でもっかいネタをぶっこんでくる『パパ恋』クリエイター陣の周到さには頭が下がります。そんな誰しも受け流す「ウィンナー」にはドラマを作るのに、肝心の役名「トカレフ」には一切触れようとしないんだから、匙加減が謎過ぎる。
そして、やっぱりここまで引っ張って来たトカちゃんのエピソードとあって、笑いとヒドさと、くだらなさと、最後のトカちゃんのオチと、どれも最低で最高なんだけど、それがパパと多恵子(本上まなみ)とおっさん多恵子(塚地武雅)のこれまでをリンクさせて最終回につなぐという美しい流れ。トカちゃんの恋愛話が最終回前に来るって、どう考えても蛇足でしかないのに、ちゃんと最終回前らしいステキなお話になってるんですよね。

またもう一個伏線があって、それは今回、おっさん多恵子の“おっさんの謎”が解き明かされるんですが、それを描いた前半パートでおっさんのシチュエーションにカッケー!って笑いで処理していいところ…それがまさか最後の最後で、最終回への引っ張りエピソードとしてつながるんです。なにをどこまで考えてるのか全く予想できない!
最終回の予告も、数秒間なのに悲喜こもごも詰まりまくりで、絶対見逃せなくなります!予告ですでにそれなんだから、最終回、絶対おもしろいに決まってんじゃん。あー、楽しみ。
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)