<試写室>マジで唐突に圧倒的なクオリティで見せるオープニングが後半活きてくる
1月7日(土)23時40分~スタート!土ドラ『三千円の使いかた』
“えぐみ”をオープニングで蹴散らし、さらに後半ひっくり返してくる巧みな展開
そんなこんなでついつい衝撃のオープニングで字数を費やしてしまいましたが、この『三千円の使いかた』、一体どんなドラマかといいますと…。
“今の自分”ばかりで、“未来の自分”をまったく見据えていない、超“イマドキ”女子の主人公・美帆(葵わかな)が、自分自身を“お金”を通して見直し始める…という物語。僕が想像していたお金に関する“How To”もあり、“今”もあり、“哲学”もある…。で、新卒2年目なのに手取り“25万”で、家賃は都内 “9万8千円”で、躊躇なく“650円”のドリンクをテイクアウトしちゃう主人公…という、生々しさ=リアルも描かれる、そんな作品。
なんだけど、その“お金”で人物を描こうとすると、どうしても出てきてしまう、“えぐみ”、みたいなもの、ありますよね。だけど、その“えぐみ”を、さっき言及した“衝撃”の“オープニング”によって蹴散らして、その蹴散らしたテンションを、さらに後半ひっくり返してくる…。そのオープニングがあったからこそ、後半の物語が活きてくる…そんな巧みな展開を見せるのです。


で、そんなこんな、“前半の衝撃”を語ったというのに、後半、それを忘れさせてしまうくらいの、強烈なキャラクターとして登場するのが、アン ミカさんが演じる謎のセミナー講師・黒船スーコ(なんちゅう名前)。これが凄(すさ)まじい好演で、「8×12は魔法の数字」という、キャッチー過ぎる講演タイトルを引っ提げて颯爽と現れるんだけど、その字面だけでは意味不明な(むしろ怪しい)はずなのに、黒船スーコ=アン ミカさんが演じることで、“説得力”しか生まれないという不思議!!それが何かはまったくわからないんだけど、圧倒的な、謎の、説得力!!あなたもきっと、ひれ伏します…。
始まる前、ドラマにアン ミカさん??だったもんで、“出オチ”でしかないと思ってたのに(失礼)、まさかこんなにもアン ミカさんがこのドラマにマッチするなんてね…。このアン ミカさんの黒船スーコに説得力がなかったら、ただの怪しいセミナードラマになるとこでしたよ…。いや、それもこれも、あの“衝撃”の“オープニング”があったからこそ、アン ミカさんを受け入れられたのだろうか…。

とはいえ、とにかく、あなたが想像してる『三千円の使いかた』を絶対超えて来る衝撃のオープニング!!ではあるんだけど、“今”をちゃんと描いたリアリティもたっぷりで、タイトルから想像できるタメになるお話でもあるし、なんだか最後はやる気まで出てきちゃう!!!そんな年はじめ、2023年の幕開け!!に見るからこそ!!のスタートダッシュにふさわしいドラマに仕上がっています!

今回の第1話の時点では、『三千円の使いかた』のとっかかりに過ぎないので、まだ全体のドラマ像は見えてきませんが、ついつい見てしまった30秒の予告によると、今後は主人公の姉(山崎紘菜)やお母さん(森尾由美)お父さん(利重剛)、おばあちゃん(中尾ミエ)にも何やらドラマが隠されていそうだし…1月クールも楽しく過ごせそうです!