back number に「めざましテレビ」が独占取材「ライブで“みんな”という言葉を使わない」理由
1月17日(火)放送『めざましテレビ』
「生みの苦しみを忘れるから続けられる」

――(三宅アナ)ずっとお話をお聞きしたかったんですよ!
清水:熱がすごい(笑)。
――(三宅アナ)今60歳だけど、大好き!
清水:うれしい(笑)。
――(鈴木唯フジテレビアナウンサー)三宅さんがback numberを好きすぎる説があって、今回もライブTシャツを着てくるんじゃないかという噂が…(笑)。
――(三宅アナ)ばらすなよ!
清水:それはすごい(笑)。
――(鈴木アナ)7枚目のアルバム「ユーモア」が発売されましたがお気持ちはいかがですか?
清水:心境は普通です。もちろんワクワクはしていますが、これまで楽曲やCDをリリースするにあたってソワソワしたし、いろんなことがありましたが、今は腹をくくってどんなふうに聴いてもらっても反響を受けとめられるように、どっしり構えられるようになりましたね。
――(三宅アナ)4年ぶりじゃないですか。けっこう空いたなと…。
清水:完全にファン目線じゃないですか(笑)。
栗原:意外と「そんなに空いていたんだ」って感覚ですね。
小島:ツアーをやっていたし、その後コロナもあったので。
清水:時が止まっていた感覚はありましたね。だから時間が短く感じたのかも。

――(鈴木アナ)アルバムのタイトル「ユーモア」に込めた思いとは?
清水:けっして「ユーモアがたっぷりの楽曲が」とか「俺らのユーモアがどう」とかではなくて、単純に(コロナの影響で)うまくいかない時期もあり、年齢的にも30代後半にさしかかっていろんな葛藤が増えてきて、その中で少しでも自分も含めて周りが明るくポジティブに生きていくには“ユーモア”という言葉なしにはダメなんじゃないかなと思いました。
個人的にも自分にユーモアが足りないなって思うことがたくさんあって。けっこう早い段階で2年前くらいにメンバーに「今回はユーモアでいかせてくれないか」という話をしていました。
栗原:ユーモアっていう言葉を主軸にいろいろなことを絡めて、面白いことができるんじゃないかという構想もあってのタイトルだったので、「いいね」という感じでしたね。
小島:タイトルがすぐに決まったので、「こうしたら面白くなるんじゃないか」とかいろいろな話し合いができたし、「自分の中でユーモアとは?」という問いかけをしながらライブもできましたし、楽曲制作に向き合う姿勢も考えられたので良かったなと思います。
――(鈴木アナ)12曲収録されていますが、制作する上で一番大変だった曲はなんですか?
清水:「ベルベットの詩」の歌詞ですかね。一番最初に書き始めた時は、物語を書くような感覚で10パターンくらい書いたけど納得できなくて。「水平線」が人生観というか、生きていく上で…みたいなテーマだったんで、かぶらせるのも嫌だったんです。素直にもう一回向き合って、淡々と言葉を書いていったらどうなるのかなあと思ったら、今の視点から見る「青い春」(2012年)とか青春ものの葛藤の曲になったので苦労してよかったなと思いました。
――(三宅アナ)「青い春」から10年近く経ちます。10年経って新たな捉え方というか、一つの形になるまでにかなり苦しまれたんですね。
清水:結局、長く続けてしまうと自分なりの道みたいなものを勝手に見つけてしまって、それを知らなかった頃には戻れないので、昔と同じ言葉が書けないって悩んだりもしたんですけど、今だからできてあの時にはできなかったことをやってみようと言葉を置いていったら「これはこれで今の俺たちも歌える歌なのかも」って思えたので。
学生へのアドバイスにはしたくなかった「水平線」
――(三宅アナ)「水平線」もかなり苦しまれた(※)と言うことを聞いたことがありますけど、そうだったんですか?
※2020年8月、北関東インターハイ(全国高等学校総合体育大会)が中止に。群馬県の高校生たちから悔しさや喪失感をつづった手紙を受け取ったボーカルの清水が「自分たちにできることは何か」と自問し「水平線」を制作。
清水:「水平線」は難しさが違いましたね。学生のみなさんからいただいたお手紙をそのまま読んで書いてしまうと、ただそこに対する答えとかそこに対するアドバイスみたいな感じになっちゃうので、それだけは絶対嫌でした。同時期にもやもやしていた自分、いろんなものが中止になってその曲を書いた俺たちも苦しかったはずなので、そこをすり合わせてフラットな気持ちに戻るのにちょっと苦労したような気がしますね。
――(三宅アナ)苦しいことを体験した人たちに寄せる思いっていうのが、根底にあってということですかね?
清水:ただ、(そういう方たちに)向けて書いてしまうと自分の中で濁るような気がするんですよ。その方々に向けてというよりは、きちんと自分がしんどい時に聞いても受け取れる言葉だけを書いていくというか、感覚的にそっちの方が近かったですね。
――(三宅アナ)栗原さんはいかがですか?おすすめの楽曲など。
栗原:今ぱっと浮かんだのは、「Silent Journey in Tokyo」ですね。リズムパターンが気持ち良いんですよね。ちょっとループしていて、主人公がさまよっている様を演奏していて楽しかったですね。メンバーだけじゃなくて、パーカッションなどで他の方をお招きして生で叩いていただくなど、今までのback numberにあるようでなかったパターンの楽曲なのかなと。

清水:首都高とかを車で走っているようなイメージで書いた曲なんですよね。海外の看板みたいなものを見て「このまま行っちゃいたいな」っていうか、でも「行ってしまったら失うものも多いだろうし」とか、そういう葛藤から始まるので。
小島:僕は「秘密のキス」っていう曲ですかね。ずっとバンドをやってきて、なんとなくこういう曲調だと『back numberはこういうふうにするだろう』って反射的にベースを弾いてしまう感覚があるんです。それをやったときに3人が「ちょっと面白くないね」ってなったんですよ。じゃあパターンを変えてみよう、と。同じ音でも弾き方を変えたりリズムパターンを変えたり、いろいろ工夫をした中でできあがったので、back numberを考えるきっかけになったと思いました。
――(三宅アナ)一つのパッケージとしてできあがった物に対しての思いというのはいかがですか?
清水:できあがった!っという感じですね(笑)。
小島:できあがる前の方がいろいろ考えていたので、今は考え終えた状態なんですよね、全員が。
清水:忘れちゃうんですよ。特に俺はすぐ忘れちゃうんですよね。いろんなアルバムや曲もすごく苦労して作ったはずなんですけど、後々「いや、すんなりやれたよね」みたいなことを言うんですけど(周りが)「どの口が!」ってなるんです(笑)。忘れちゃうんですよ、生みの苦しみを。だから続けられるんだと思うんですけどね。
小島:だから助かる部分もあるんですよ。切り替えられるんだと思います。

――(鈴木アナ)『めざましテレビ』は朝の番組なので、朝にぴったりな曲ってありますか?
栗原:「ヒーロースーツ」っていう曲があるんですけども、軽やかなホーンセクションが入ってたりするんで、朝っぽいアップテンポな感じもありますし、(一日が)始まる感じの曲になっていますね。
清水:今までやってこなかったポップというかコミカルなところもあるんですけど、楽曲の中でこだわったのは、ただふざけて終わるだけじゃ嫌なので、紆余曲折いろんなものになりたい、でもなれないとか言うんですけど、大事なのって結局、自分のまま戦わなきゃいけないんだって気づくことだと思うので、その辺がちゃんと入れられて最後はグッとくるものになったと思います。
――(三宅アナ)このアルバムの初回限定盤に(2022年9月に行われた)幕張メッセのライブ映像が入っています。このライブで清水さんが「こんなにアクセルを踏み込んだことは、人生でない」と言っていました。どんな思いであのライブをやっていたんですか?
清水:不思議な一日だったんですよね。ライブをできることがありがたいし嬉しいしというところからツアーが始まっていたんで。でも、それこそ「ライブに私行くんだ」「僕行くんだ」って大きい声で周りに言えなかった人もいるかもしれない中で、本当に素敵な笑顔で迎えてくれて「なんて愛しいんだろう」っていうところから始まったら、楽しもうねっていう感じだったんですね。
特に最終日は「ブレーキ踏んだ奴は負け」みたいな不思議な感じで、今までセーブしてちゃんとコントロールして、正しいものを届けようってやってきたのに、限界の向こう側って意外と疲れないんですよ。どんどん声も出てくるし。どこまでもいけそうな気がするみたいな。それがすごく新しい発見だし、「もっとできるじゃん、俺たち」って思えたのがファイナルでした。それをパッケージにできたので、見ていただくのはすごくいいなと思っています。
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