back number に「めざましテレビ」が独占取材「ライブで“みんな”という言葉を使わない」理由
1月17日(火)放送『めざましテレビ』
「一番大事なのはこの3人で音を出すこと」
――(三宅アナ)back numberという名前の由来は、彼女に振られた自分は「型遅れ=back number」からきたとお聞きしました。
清水:もうだいぶ古(いにしえ)の記憶ですよね(笑)。でも、そこがなかったら今もないので。名前って面白いものでいろいろやっていくと、違った意味を持ってきたりするので、自分たちも十何年やって、若い人たちがたくさん出てくれば、「型遅れになっていくんだろう」って思うと、すごく音楽がやりやすいんですよね。いまだに追っていく立場だと思って音楽をやれているので。
だから、売れているとか誰よりも聴かれているっていう感覚なくやってこられたのは、僕らの楽曲を聴いてくれている人たちがどれだけ一曲一曲を大切にしてくれているかっていうものは、本当に自信があるというかそこに支えられてやってきたみたいなものがあるので、感謝しています。育てていただいた感じはすごくあると思います。
栗原:3人ともそこら辺の感覚が一緒だと思うんですよね。
小島:極めたって感じもしませんしね。
清水:極まんないですね(笑)。全然極まんないですね(笑)。

――(三宅アナ)皆さん、本当に仲がいいですが、どういう関係性なんですか?ボケツッコミみたいな役割分担はあるんですか?僕から見る小島さんは完全にボケなんですよ(笑)。
清水:(小島は)リベロ!
小島:リベロ?ボケかツッコミかって言っているのにリベロ(笑)。
清水:そこにいてくれるだけで面白いし、話しても面白い。半分以上何言ってるか分らないけど(笑)。
――(三宅アナ)ケンカはしないんですか?
栗原:ケンカっていうケンカはないですけど、やはり楽曲制作やバンドの何かを決めるときは、自分の意見はちゃんと出します。そこで言い合いになることはないですけど、思っていることはちゃんと言える仲ではありますね。
清水:以前は「納得いかねえ!」とかありましたけど、今はユーモアって言葉を掲げてやってきたこの何年間とか尊重…尊重っていう言葉がきれいすぎてかゆくなっちゃうんですけど、じゃあ一番大事なことってなんだって言ったら、この3人で音を出すことだと思うんですよ。
長く続けることは、結果論としていいなと思いますけど、3人の誰がいなくなっても、解散っていう話はしてるんで。誰かを入れてやるってことはまずありえないし、これがback numberなので。じゃあ僕がソロで何かやるって言っても、僕自身が僕に興味がないんで。だからいい加減な僕がいてふたりの誠実さというところがちゃんと軸にあって、back numberの人間像になり、そこから(歌詞の)登場人物一人一人ができてくるので、自分から出てくるものがそのまま魅力的ですよねっていうのは思ったことはないです。
――(鈴木アナ)曲を作る上で一番こだわっていることは何ですか?
栗原:大前提として3人が3人、その曲にワクワクできたりとか「この曲いいよね」って思えないと、back numberの曲じゃないのかなと思います。
――(三宅アナ)そういうことって言うんですか?「こっちの方がいいよね」とか?
栗原:(清水が)聞いてくるんですよ「どっちがいいかな?」とか。そういう時にちゃんと意見も出します。
清水:この曲やろうよって30分ぐらいやれば(気分が)乗っているか乗っていないかは分かります。
小島:いろいろな空気感で、それが今のback numberじゃないっていう感覚があると思います。
清水:違うとなったら取り下げちゃう。(楽曲制作には)いろんなやり方があって、歌詞から書いたりタイトルだけ決めてなんとなく3人で演奏して、「この言葉があるってことは、こっちなんじゃないの?」みたいなのを話し合って作っていって、そこにメロディをつけることもあります。それこそコロナ禍では、じっとしていられなかったんで、ずっと作ってものすごいペースで(曲のデータを)送っていましたね。
小島:それこそ「Silent Journey in Tokyo」は、その時に送られてきて「かっこいいから、やろうよ」って言って実現しました。
清水:一度、送りすぎて返信がない時があって。不安になるじゃないですか、「ダメだったのかな?」って。「ちゃんと聴いた?」みたいな感じになっちゃった(笑)。
栗原:我々は送られてきた曲を次に会った時、弾けて叩けるようにしなきゃいけないから、譜面に起こして練習しないといけないんです。
清水:そんなつもりじゃない!もっとフランクに聞いて楽しんで!(笑)
小島:「またきた!またきた!」ってなって、本当にすごかった。十何曲?20曲ぐらい送られてきたよね。
清水:俺は「あれ、いいね」みたいな感じでやればいいかなと思っていたので、申し訳ないですね(笑)。
――(三宅アナ)初期の恋愛ソングの恋愛観や物語というのは、ご自身の経験からくるものが多かったですか?
清水:そうですね。心の傷というか、恋愛でしんどい思いをしてから時間が浅かったので、歌いたいことの中心が、その子に言いたかったことや一年経ってそのことについてどう思うか、とか。でも、男女問わず魅力的な人に出会って、いろんな言葉遣いを覚えるじゃないですか。そうすると自分の中にある人格が増えていったんです。だから、歌の中の登場人物も少しずつ増えていく感覚ですね。だんだん年を重ねる中で歌いたい曲やテーマも増えていって。
でも当時は、人生観について歌うとは思ってなかったですけどね。でも、「今こういうバンドをやっているよ」って当時の自分に胸を張って言える感覚があるので、それが一番嬉しいですね。
――(三宅アナ)あるライブのMCで清水さんから「あなたに関する歌だけ歌っていきます」というコメントがありました。でも“あなた”っていっぱいいるじゃないですか。年代も性別も違う。そんな中で等しく感動を届けるってすごく難しいことだと思いますが、それを可能にしているのは何ですか?
清水:できているんですかね?これは“信じる”とか“腹をくくる”とか“覚悟を決める”という単語しかなくて、「多方面の人全員に響く言葉って何だろう?」と言っても見つからない。例えば“街”って言葉一つとってもみんな思い描く街は違いますよね。でも、そこに対して同じような思い出や記憶があると信じて、自分たちが「本当にそうだな」と思えることを歌っていくことで、結果的に“あなたがいる”と信じてやるしかないと思っています。
大きい会場でやると何千、何万という人がいて「みんなありがとう!」って伝わるのか?って。俺はそうじゃないと思うんです。自分がちゃんと向き合うっていうのは一人一人に物語があってどこかで僕らの曲に触れてくれて、さらにその後にいろんな人と出会って、いろんな思いをする。結果的に何千何万っていう人が集まって“あなた”ってなる。“みんな”っていう言葉をライブで使えないですよね。怖いっていうか違和感があるんですよ。どれだけ想像しても想像しきれないんですよ、人の人生は。でも、ちゃんと想像することが自分たちの義務という気がして、それはよく話します。
――(三宅アナ)ライブの最後に清水さんがファンに「つらいことはたくさんあって、それはチャラにはできないかもしれないけど、みんなの人生が特別だったと確信させる」と語っていて、60歳の男がそこで泣きました!
清水:うれしい!こんなに真っ直ぐ届くんもんなんだ(笑)。これは自信になりますね。
――(三宅アナ)こんな60歳にも届いています!
清水:ありがとうございます!今後の励みになります(笑)。

――(鈴木アナ)2023年も始まりました。今年どんな年にしたいかback numberではなくnew numberを教えてください。
栗原:この後ドームツアーを控えていて、その先もいろいろ面白いことをやろうという話は出ているので、まずは健康第一で2023年も最後まで駆け抜けられるように、お互いちょっと不摂生したら注意しあえるような…。
清水:いいチームだね。ただ、ロックバンドじゃない!(笑)
小島:実現させる年にしたいなっていうのはある。全世界が止まった時間があって自分たちもそうだったし、またこうやっていいアルバムができて、それをもってドームに行って「自分たちはこういうふうに過ごしてきたよ」って見せられる年にしたいです。そして“これからも”っていう約束ができるようなライブをしていきたい。
清水:去年の最後、すごくすがすがしい気持ちだったんですよね、年を越す時に。今年も楽しいだけじゃなくて、しんどい時や難しい判断などあると思うんですけど、ちゃんと逃げないで向き合うってことをきっちり一回一回やって、結果的に年を越すあたりで、「なんやかんやあったけど、すがすがしい気持ちだなあ」って思えるようにと思っています。
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