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2023年02月09日 |

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橋爪駿輝「小説を書くことがはけ口だった」フジテレビ時代に執筆した「スクロール」映画化_site_large

橋爪駿輝「小説を書くことがはけ口だった」フジテレビ時代に執筆した「スクロール」映画化

めざましmedia編集部

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橋爪駿輝さんが、デビュー作を執筆した当時の思いを明かしました。

北村匠海さんと中川大志さんがW主演していることで話題の映画「スクロール」が、現在公開中です。

映画「スクロール」は、何者にもなれないとある若者4人が、一つの死をきっかけに、自分自身と必死に向き合い、明日への一歩を踏み出す姿を描く物語。

YOASOBIの大ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋爪駿輝さんが、フジテレビに勤務していた2017年に発表した同名小説の実写化作品です。

<北村匠海&中川大志「同じ役を取り合っていた仲」「W主演での共演は運命」>
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フジテレビュー!!は橋爪さんにインタビュー。デビュー作が映像化されることへの思い、映画を見た感想、そして、小説家になるためにフジテレビを辞めた当時の思いなどを聞きました。

「スクロール」は、若者に向けてというより自分に向けて書いた

<橋爪駿輝 インタビュー>

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──「スクロール」はデビュー作ですが、映像化された今の気持ちを聞かせてください。

デビュー作の映像化はすごくうれしいですけど、ちょっとまだ現実味がないというか…もしかしたらずっと現実味はないのかもしれません。

小説自体、脱稿した瞬間から自分の頭や身体から離れたものという意識があり、それを「自分の子ども」と表現するのは格好つけ過ぎかもしれませんが、そういうことと似た感覚があります。

ですから、映画化された今も「自分が書いたものが映像化された」というよりは、「いい映画ができたなぁ」という意識なのかもしれません(笑)。

映画の公開前に映画館に「ケイコ 目を澄ませて」を見に行ったのですが、そこで「スクロール」の予告編が流れていて。急に流れたこともありますし、映画化されたことにも現実味がなかったので、ビクッとしてしまいました(笑)。

──原作は、若い世代から圧倒的な共感を得ていると話題ですが、元から若者に向けて書いた作品だったのでしょうか?

原作を書いた当時は26歳で、そのとき「書けるものは、自分と同じくらいの年代や、自分が経験したことがある年代の話だな」と思っていました。

でも、「こんな人たちに読んでほしい」というところまで、明確に計算はできていなかったと思います。日々の、自分のリアルな人生にそんな余裕はなかったですから。

無意識のうちに、若者に向けて書いていたのかもしれませんが、「自分に向けて書いた」というところがありますね。

──原作発売時の反響は覚えていますか?

読者の方から直接、話を聞くことはあまりないので、知り合いからの反響になりますが、いろいろと感想を聞けたときはうれしかったですね。

今は「いい会社」という表現はしないと思いますが…傍目から見たら、慶應義塾大学卒で、いい会社に勤めていて、順風満帆な人生を送っているような友人から「(小説を読んで)ちょっとグッときた」と言われたことがあって。

そのときに初めて「あぁ、お前も何か抱えているんだね」と、気づかされたというか。僕の知らなかったその人の内面に気づけるということは、「面白いな」と思いました。

編集担当から言われた褒め言葉「恥が欠落している」

──すべての作品のキャラクターにご自身の要素を少し入れるそうですが、「スクロール」では、どの役のどの部分に組み込まれていますか?

原作で言うと、ユウスケは、テレビ局で働いていたときの自分の要素が少し投影されています。表面の部分を取り繕うことで、自分が本来大事にすべき家族や友だちを置き去りにして、日々とにかくただ過ごしているという。

その一方で、小さい頃から「自分ってなんだっけ?」ということを思い続けているのですが、そういった部分は結果的に(映画で北村さんが演じている)<僕>を作り出した気がしています。

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──そういった作品が、他の人の手によって映像化されるということは、ともすれば恥ずかしさもあるのではと思うのですが、いかがですか?

僕を小説家としてデビューさせてくれた編集さんに唯一褒められたことは「恥が欠落している」ということでした(笑)。

「表に出すことへの恥じらいがないから、今後いいものを書ける可能性があるかも」というニュアンスだったのですが、あまり褒められたことがなかったので、すごく覚えているんです。だから、恥ずかしさはないですね。

──「スクロール」を映像化するにあたって、何かリクエストはしましたか?

清水(康彦)監督も、カメラマンの川上(智之)さんも、以前ご一緒したことのある方々なんです。チームとして信頼をしていたので、特にオーダーはしておらず、お任せしました。

ただ、清水さんが脚本に入っていない段階でいただいた第一稿が、いい意味でも悪い意味でも、原作そのままで。そのときに、「そのままでもいいですし、変えたい部分があれば気を使わずに変えてください」という話をしました。

本当にそれくらいで、映像に関しては何も言っていません。

──完成した脚本を読んだときの感想を聞かせてください。

ト書き(セリフ以外の心情や動きの指示)がすごく細かく書かれていて、撮りたいものが見える脚本になっていました。それはすごく頼もしかったですし、安心しましたね。

「ちらっと、○○を見る」というト書きは、他の作品ではあまりないんです。でも、そこまで書かれていて、これをキャストがどう演じるんだろう、どんな映像になるんだろうと楽しみになりました。

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──映画には北村匠海さん、中川大志さん、松岡茉優さん、古川琴音さんがメインキャストとして出演していますが、キャスティングに関して「イメージ通り」「意外だった」など、どんな印象を持ちましたか?

意外というか…「よく揃ったな」と思いました(笑)。こんなに豪華で、ただ豪華なだけではなく実力のある、今一番勢いがある方々ですし。

すごく素敵な役者さんたちが集まってくださったことに驚くと同時にありがたいなと思いました。

映画冒頭の10分以上あるワンカットのシーンに「びっくりした」

──撮影現場に見学に行っていましたら、感想を聞かせてください。

冒頭のシーンとバーのシーンの撮影を見に行きました。

10分以上ある冒頭のシーンはワンカットで撮影しているのですが、僕の終電までに本番が始まらなくて(笑)。コロナ禍での撮影で、リモートで見られるようになっていたので、それを家で見ていました。

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──ワンカットで撮影するための下準備に時間がかかっていたのでしょうか?

そうですね。照明にもこだわっていましたし、どういうタイミングで動くか、カメラワークなど、すべてを合わせるために時間がかかっていたのだと思います。

あのシーンに出ていない古川さんも現場にいらしていて。そういうことも含めて、良いものを撮ろうとしてくださっているなと感じましたね。

──本作はキレイな映像が印象的ですが、完成した作品を見て、好きなシーンはありますか?

北村さんが演じる<僕>と、古川さん演じる<私>が走るシーンはすごく好きです。

先に明るい未来があるのかは分からないけど、もがきながら走っている感じが、映像的に捉えられていて。

<僕>が途中で一段ギアを上げて走るところがあるのですが、その北村さんの表現もステキだなと思いましたし、ただ走っているだけではありますが、胸に迫る映像になっているので好きですね。

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──「こんな演出をするんだ」というような、驚いたシーンはありますか?

やはり冒頭のワンカットで撮影したシーンですね。冒頭は、脚本のなかで一番どうやって撮るかが分からなかったんです。

実際に映像としても幻想的で、現実ではない世界…おそらく登場人物たちの心情を表現していると思うのですが、「こういうことを狙っていたのか」と気づいたときにびっくりしました。

ワンカットの映像から始めるというのは、監督としてもたぶん勇気が必要だったと思います。ごまかしがきかないので、一歩間違えると「なんじゃこりゃ」というシーンになってしまいますし。そういうことを踏まえたうえでチャレンジしてくださったのがうれしかったです。

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──改めて、映画を見た感想とこれから映画を見る方へメッセージをお願いします。

清水さんが脚本を推敲する際に電話をくださって、2時間ほど話した記憶があります。清水さんから、物語がどうとか、どういう意図で「スクロール」という小説を書いたのかというよりも、書いていたときの僕の心境やどういう精神状態だったのかということを聞かれました。

映画には、人生に迷ったり、うじうじしたり、満たされないものがあったり、小説を書いていた当時の僕の思いを汲みとって、映像として焼き付けてくださっていて。とても素敵なものに仕上げていただきました。

清水さんは映画化が決定した際に「何回でも見てほしい。できれば誰かと話してほしい」というコメントを出していましたが、本当にそういう映画になったと思います。

フジテレビ退社時は「1年以上、悩んだ」決断のきっかけは?

──フジテレビにいるときから小説を書いていたかと思いますが、両立は大変ではなかったですか?

抱えている番組もいろいろとあったので、あの頃は忙しかったですね。まぁ、みんな忙しかったと思いますが。

ただ、両立が大変だったかというと、そうではなくて。僕にとっては、小説を書くことがはけ口になっていたんですよね。休みの日は飲みに行ったり、友達と遊んだりすると思うのですが、僕はずっと小説を書いていましたから。

1作目、2作目の頃は特に、書くことで何かを発散していたんだと思います。

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──そういった時期を経て、フジテレビを退社した際は悩みましたか?

1年以上、悩んで辞めました。YOASOBIの楽曲「ハルジオン」の原作小説「それでも、ハッピーエンド」を書いてから、テレビ以外の仕事のオファーをいただくようになったのですが、やはりテレビ局の仕事をしながらでは受けられなくて。

そういう状況が続き、28歳くらいに悩み始めたんです。いろいろと考えるなかで、「20代じゃないとチャレンジできないかも」「30歳になったら、ちょっと怖いかも」と思い、「最悪、ダメだったら再就職しよう」というノリにもなれたタイミングだったので、29歳で辞める決断をしました。

──辞めた今、フジテレビのこと、テレビのことはどう見ていますか?

実は、会社を辞めてから一番飲んでいるのは、フジテレビの人たち。その方たちとも話しますが、辞めたからこそ「テレビってすごいな」と思っています。

番組を作る予算が少なくなったとは言われていますが、日本において最強のメディアであることは間違いない。それを有機的に動かせる能力を全キー局は持っているはずなんです。だから、生かせていないことが少しもったいないなと感じていますね。

──最後に、橋爪さんが仕事のオファーを受けるときの基準を教えてください。

やりたいかどうかですね。仕事を選べるということは、会社員以外の人に唯一許されている権利。だから、やりたくないことは、やらないです。自分のことを求めてくださっているとか、シンプルにワクワクすることならやる、ということですね。

これは向き、不向きがあるとは思います。定期的に収入があるほうがストレスを感じない人もいれば、やりたいことをやるほうがストレスなく生きられる人もいて。

僕はたぶん後者だったんだなと思うので、29歳のときにチャレンジをしてよかったなと思っています。…って言いながら、来年再就職していたらすみません(笑)。

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映画「スクロール」は、現在公開中。
©橋⽖駿輝/講談社
©2023映画『スクロール』製作委員会

最新情報は、映画「スクロール」公式サイトまで。

<「スクロール」原作文庫情報>

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『スクロール』橋爪駿輝・著
講談社文庫より発売中
定価:660円(税込)

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