【眼福♡男子】Vol.19塩野瑛久「純粋な恋愛モノをやってみたい。高校生役は今年が最後のチャンスかも」
公開中の映画「貴族降臨₋PRINCE OF LEGEND-」や「HiGH&LOW THE WORST」で魅力的なキャラクターをつくり上げ、話題になった塩野瑛久(しおの・あきひさ)。某誌の表紙で“顔よろし”のキャッチコピーがつけられたように、端正なビジュアルにも注目が集まっている。
演じることにどのように臨み、現場でどのように過ごしているのか、役者・塩野の裏側に迫ったほか、彼の人となりをひも解くプライベートな話題も。今回の写真ももちろん“顔よろし”です。
濃厚キャラ集結の「貴族降臨」は、ツッコみながら観てほしい
――公開中の「貴族降臨」で演じた役柄について教えてください。
僕が演じた久遠誠一郎は、ドラマ『貴族誕生₋PRINCE OF LEGEND₋』(日本テレビ系)では王子側に属し、朱雀奏(片寄涼太)の第一側近として常にそばにいる役柄でしたが、今回の映画版「貴族降臨」では、なぜか白濱亜嵐さん扮するドリー率いる貴族側にいるという設定からスタートします。メガネ王子改め、寝返り貴族となりました(笑)。
――誠一郎は「歩くWikipedia」とも呼ばれているんですよね?
とてもキャッチーなフレーズですよね。でも、よくよく意味を考えると、ただ常にタブレットを持ち歩いているだけで、持ってりゃそりゃ調べるよなと(笑)。
――前作では黒髪だった誠一郎がいきなり金髪になり、メガネからサングラスとビジュアルにも大きな変化がありましたね。
見た目は変わりましたが、誠一郎としての心構えみたいなものは変わらずだったので、ニュートラルな気持ちで現場にいました。でも、まわりからは「ガラッと変わったね」ってよく言われましたね。
――金髪がとてもお似合いでした。
ありがとうございます。中学生の時にも金髪にしたことがあるんですが、当時は全然似合わなかったんです(笑)。
――誠一郎を演じるうえで意識したのはどんなことでしたか?
前作で誠一郎を演じた時は、スマホの待ち受けに“姿勢”という文字を書いて、たびたび見るようにしていました。普段の僕は首が下がりがちなんですけど、その二文字を待ち受けにした瞬間、シュッとできるようになったんです。ただ、これにはデメリットがあって、姿勢を正してスマホを見ていると、写真を撮ってると思われてしまうんです。確かにその姿勢は怪しいですもんね(苦笑)。
――特に印象に残っているシーンは?
冒頭の貴族たちと王子たちが対面するシーンは、そこでクランクインするキャストも多かったので、いつもと違う感覚でした。そして、いつも隣にいた奏(片寄涼太)と対峙しているのもまったく違う心境で、かなり心苦しかったです。奏に対して忠誠心しかありませんでしたから。
――“王子と貴族が大渋滞”というキャッチコピーが話題になっていますが、大渋滞の様子を目の当たりにしていかがでしたか?
とにかく皆さんのキャラが濃いし、ツッコみどころ満載で楽しかったです。空中から紙がパラパラと降ってくるシーンも、ヘリコプターからばら撒いてるのかなと思ったら、実は人間が頭の上にプロペラをのせて手動で配っていて、「いったいどんな状況だよ!?」って(笑)。
――作品のタイトルにちなんで、今、自分に降臨させたいものはありますか?
役を演じるごとに、そのキャラクターに降臨してきてほしいですね。セリフ運びや、その人物が何を考えているのかというザックリしたものはスッと入ってくるんですけど、脚本家やプロデューサー、監督の意向でセリフまわしが変わってくることもあるので、即座に対応できる能力があれば最強の役者になれると思います。
「男劇団 青山表参道X」について言うことは“特にない”。でも、僕にとって居心地のいい場所
塩野が所属するオスカープロモーションには、第一線で活躍する女優だけでなく、イケメン俳優も多数所属。その中で、若手俳優陣で結成された「男劇団 青山表参道X」の活動や存在についても尋ねてみた。
――これまでの塩野さんの出演作をみると、男性ばかりの作品が多いような気がします。
確かに多いですね。どうしてなんでしょう?自分でも謎です(笑)。
――そのほうが男子校ノリでやりやすいとか?
変わらないです。むしろ、男子校的なノリって嫌いなんですよ。現場の雰囲気に左右されることは少ないかもしれません。そんな性格だからか、仲良くなれないケースもたくさんありますし、現場では基本的に静かで、コミュニケーションもそんなに多くはとらないです。
――お芝居に没頭しているということでしょうか…。
と言ったらカッコいいですけど、そういうわけでもないんですよね。何か疑問に感じたり、聞きたいことがある時は自分から話しかけますけど、わざわざ話題をふったり、無理してコミュニケーションをとろうみたいな思考にはならないです。
――男性ばかりの集団というと、「男劇団 青山表参道X」も結成から2年半が過ぎましたね。
それぞれがそれぞれの場所で頑張っていて、劇団の公演では一丸となる。程よい距離感でやれていると思います。
――副リーダーとしての思いもあるかと思いますが…。
特にないですね。というと語弊があるかもしれませんが、僕らって劇団と名乗ってはいるけれど、皆さんが想像しているような集団ではないので、表現の仕方が難しいんですよ。僕にとって「特にない」という言葉が、この劇団ならではの存在なんだと思います。
でも、久しぶりにみんなで集まったりすると、こいつ面白くなったなと感じたり、居心地のいい場所です。話も盛り上がるし、楽しいし、居場所みたいなものができたかなって。
ただ、個人の活動と劇団の活動を両立するのってすごく難しいので、「(公演を)やるよ」ってなった時に楽しいことができればそれでいいんじゃないかと思います。
――今後、劇団でやってみたいことはありますか?
ショートムービーみたいなものを作っても面白いなと思うし、それこそバラエティをやっても面白そう。やりたいことはたくさんありますね。
クレープ作りの腕前はプロ級。最近は自炊もするようになりました
常にアンニュイな空気を漂わせ、写真撮影ではビューティな魅力を発揮してくれた塩野。その発言はいたってクールながら、ふと少年のような笑みを浮かべたりもする。彼の人となりをもっと追求してみたくなった。
――ところで、塩野さんってどんな人ですか?
理屈っぽい、好き嫌いが激しい、飽きっぽい、そんな性格です。
――血液型がわからないということですが…。
一度献血しようと思って、血液型を調べる機会があったんですけど、献血所が2時間待ちぐらいだったんですよ。その時、あまり時間がなかったので断念しました。それからは機会もなく、そして、僕も調べようという気持ちがそんなになくて…。
――性格から判断すると何型だと思います?
自分ではAB型だと思ってます。理屈っぽいところもそうだし、父親を見ていて似てるなって思うところもあるので。
――このコーナーのタイトルにちなんで、塩野さんにとって眼福な存在は?
犬ですね。くろみつ(黒蜜)というトイプードルを飼っています。一緒に暮らしてもう5年ぐらいになるのかな。めちゃくちゃ可愛くて、目の中に入れても痛くない尊い存在です。犬ほど純粋な生きものはいません。
――独自のリラックス法があれば聞かせてください。
これというリラックス法はないんですが、「日々、マッサージされたい」という欲があります。あとは、よく寝ることですかね。一番疲れがとれるので。
――現在、ハマっていることは?
ゲームを始めたけど3日で飽きて、面白いドラマを見つけてもすぐに見終わってしまう。舞台をやった時に地方のホテルで、キャストのみんなとアプリで大富豪をやって一時期ハマってたんですけど、もう飽きてしまいました(笑)。本当に飽きっぽいんです。
――オフの日はどんなふうに過ごしていますか?
ホントつまらないですよ。犬の散歩をしていたらほぼ1日つぶれますね。他には部屋を片付ける用具を見るのが好きなので、ネットで見たり、店舗へ行って見たりして、1日が終わります。
――塩野さんのプロフィール資料を見て、「趣味・クレープ作り」ということが気になったんですが…。
これ、「(資料を)変えて」って事務所にお願いしたんですけど、まだそのままの状態で…。クレープ作りは趣味じゃなくて特技なんですよ。実家がクレープ屋なので、実際にそこで働いてお客様に提供していたんです。プロなんですよ(笑)。
――スゴい!一度食べてみたいですっ。ということは、お料理もするということ?
しますね。アプリを見ながらスイーツも作りますし、ごはんも作ります。
――となると、将来の結婚相手もお料理できる人のほうががいいですか?
そうですね。料理ができる人は素敵だなと思います。食も仕事の一部だと僕は思っているので、そういう面でも支えてくれる人がいいです。
――料理へのこだわりがあれば聞かせてください。
ヘルシー、健康的、以上です。健康管理をしたいと思って、料理を始めたんですよ。それまでは絶対にやりたくないとすら思っていたんです。
一人暮らしを始めて、まず一人鍋をしたんですけど、やらなきゃいけないことは多いし、結果、失敗もする。洗い物もどんどん増えて洗わなきゃいけない、残った野菜はすぐにダメになってしまうし、もう二度と作るかって思ったんですけど、体型をコントロールするために料理をするようになって、自炊は必要だなって考えるようになりました。
――スレンダーな体型を保つ秘訣は自炊なんですね。今後、どんな俳優になりたいと考えていますか?
明確な目標は、最終的に惜しまれながら死ねたらいいなって。
――「素晴らしい人を亡くした」と言われたりとか?
そうそう!それを言われたら成仏できると思います。
――そう言われなくても成仏できると思いますよ(笑)。現在25歳ですが、こんな作品やこんな役柄を演じてみたいという希望はありますか?
高校生役とかまだまだやりたいですね。チャンスは今年が最後なのかな。今年なかったら、もうないと思ってます。制服を着て、純粋な恋愛モノをやってみたい。屋上で弁当を食べるとか、普通の学校生活でなかなかないことをやってみたいですね。
――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
今だけの人にならないよう、今後も皆さんを楽しませていけたらと思うので、今後とも塩野をよろしくお願いします。
撮影:河井彩美